- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087461145
感想・レビュー・書評
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今後の大活劇に向けて静かに時を重ねる第四の巻です
こういった大長編では仕込みの回ともいえる落ち着いた巻が必ずあるんですが、そんなんも超面白い『北方水滸伝』でございますよ
これまでも何度か書いてるんですが、面白いヒロイックファンタジーを産み出すには、いかに魅力的な敵を生み出せるかにかかっていると思うんです
え?『水滸伝』てヒロイックファンタジーだったの?っていうのは今いいじゃない
今いいじゃないそれは
で、この『北方水滸伝』はめちゃくちゃ魅力的な李富という敵を生み出しています(もちろんアニキの創作キャラ)
いやもうこの李富がさ、ちょっと油断すると好きになっちゃいそうなのよ
もう悩みまくりで、そんで愛情深くてつか愛に溺れて、要するにめちゃくちゃ「人」なのよ
そして彼なり志を持ってるの
そんで梁山泊と対峙するわけ、もちろんかなり悪どいことしてくるんだけどさ、やっぱり官軍てこともあって自分たちこそ「正義」だと思ってるし、彼らなりに国や民のことも考えてるわけ
つまり「正義」対「正義」の闘いなのよ
どっちも「正義」であるがゆえに、そこからいろんな悲劇が生まれるのよね
そして官軍側もこれからまだまだ魅力的な人物が出てきそうで楽しみ
物語はさらに不穏な空気をまといつつ次巻へ!
はい一〇八星ぜんぜん違うやん!のコーナー!
今回は第八十八位の好漢、地弧星の金銭豹子(きんせんひょうし)湯隆です
『北方水滸伝』では鍛冶屋一本ですが、オリジナルでは鍛冶屋兼軍人で武術に優れていて戦場でも活躍しています
オリジナルでは博打にはまって落ちぶれていますが、『北方水滸伝』では愚直で手を抜くということを考えたこともない職人で全く正反対です
また、梁山泊入のきっかけは李逵と義兄弟になったことですが、こちらではまだ出会ってもいない状態で、最初から梁山泊にいます
今後二人は仲良くなるのかも見どころかもしれませんね
それにしても北方謙三アニキは戦わない人たちの描き方が本当にうまい -
梁山泊VS青蓮寺の暗闘が面白くなってきた。魯智深が所在不明。宋江の旅に暗雲。楊志周辺にも魔の手…先がめちゃくちゃ気になる展開。即次巻へ。
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晁蓋……あまりにも魅力的すぎませんか???
誰にでも分け隔てなくニコニコ接してくれる部長ポジやん?こんなんみんな好きになるやん??
・楊志の自虐に顔を上にむけて笑った晁蓋
・湯隆と刀を打つ晁蓋
・宋江に自分が打った刀をあげたい晁蓋
林冲×楊志のシーンもよかった。
強すぎるもの同士でしか築けない絆があるはず。
私も宋江に思いを馳せながら月を眺めたい。
寅年に虎やたら殺されてるけど大丈夫かな。笑
解説も、水滸伝を今!読みました!みたいなリアリティのある文章でとても良かった。
じわじわと各地で広がって行く叛乱。
5巻は激動と聞く。耐え切れるのか、私。 -
おっと盛り上がってまいりました感のある4巻。
と言っても男と女のラブゲーム的な、伝聞で聞いた話を信じて裏切られたと思い込む、という、実に古風な展開。まぁ1000年くらい前だろうし、古風も何も、だけんど。
最後は、続きは次週!みたいな終わり方なんでもう気になって夜も眠れないよ! -
p.2007/1/19
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人殺しの手配を受けながらも、宋江は武松とともに旅を続ける。宋江と旅で出会った李俊は反乱軍を組織して官軍と闘い、ついには替天行動の旗を掲げることとなる。
一方、官軍の李富は馬桂を騙して、官軍の密偵にしたてあげる。馬桂は楊志の妻の済仁美、楊令に接触する。
江州に入る宋江には、官軍2万人が集結しつつあり、楊志、宋江を打ち果たそうとする官軍が、きにかかる。 -
先は長いけど、楽しみ。
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いよいよ戦いが本格化してくる予感
戦闘は武術の達人や戦術を駆使する将軍や戦略を駆使する軍師がいたならば、勝つというものではないという前提から、武器を作る人を創出...
戦闘は武術の達人や戦術を駆使する将軍や戦略を駆使する軍師がいたならば、勝つというものではないという前提から、武器を作る人を創出した北方謙三はなかなかです。本当はそれだけでは戦争に勝てない。戦争に勝てても、それだけでは革命が成就しない。というようなことは到底19巻では描きれないのです。
おはようございます!
そうなんですよね
そこもオリジナルと違うところですよね
オリジナルにも「国」というものを匂わせる部分もある...
おはようございます!
そうなんですよね
そこもオリジナルと違うところですよね
オリジナルにも「国」というものを匂わせる部分もあるにはあるんですがね
オリジナル宋江は反乱、北方宋江は戦争をしようとしてるってところが、この小説の根っこにあって、目に見える物語部分の表現になったいるのかなと思います
ちょっともう本当に別の物語だということが身にしみて来てるんですが、せっかくなのでオリジナルとの対比ということにこだわって見続けてみようかなと思っています
いやもうぜんぜん違うんで別物!と切り捨てるのは簡単なんですが、じゃあなんで北方謙三アニキは『水滸伝』を作り変えようとしたの?っていう疑問を捨てちゃいけない気もするんですよね
そこになんか凄いものが置かれてる気がするんですよ
もしかしたら副読本に答えがあったりするのかもしれませんが、ちょっと自分で頑張ってみたいな〜と思います