虎を鎖でつなげ (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087461251

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  • 中国が「挙国一致」を内外にアピールする手段として、台湾侵攻を目論む。
    その情報を得たイギリスのMI6(イギリスの秘密情報部)は、アメリカのNAS(アメリカ国家安全保障局)に極秘にそれの阻止を依頼する。
    この辺の、自分たちは前に出ないで国際情勢を動かしていくイギリスのやり方は、らしいな、と思った。

    で、CIAを出し抜いたNASがやったことが、日本人に何とかしてくれと頼みこむこと。
    公に名前は出ないが、国際情勢を大きく変える力を持った起業家・城島武士。
    しかし城島は固辞し、代わりに織田信虎(織田信長の子孫)を推薦する。

    織田信虎はまだ32歳という若さでありながら、傭兵部隊「ハイエナ軍団」を率いて圧倒的な強さを誇る男。
    最前線で戦いながら、部下をひとりも失ったことがないという。
    戦略的頭脳と、肉体的強靭さと、人を信用させるに足るインテリジェンスと身のこなしと、部下を心酔させるカリスマ性と…。
    出木杉くんやないかい!

    そして彼の作戦はことごとく成功する。
    当初、成功の可能性はほとんどないとか、生きて帰れたら…とかさんざん言っておきながら、失った部下はたったの2名。
    大国相手に。
    『騙し人』のように、徹底的にコメディに振り切った作品ならまだしも、背景にリアリティがあるだけに、人物のリアリティの無さが足を引っ張る。

    とはいえ、国際政治素人の私が読んでもほとんどひっかかりを感じさせない巧さはさすが。

  • 中国による台湾侵攻計画をキャッチした米英の情報機関が、その計画を諦めさせるため、日本人の率いる傭兵部隊に依頼する。部隊は偽情報を流し、隣国との緊張状態を仕掛け、国内ではテロや暴動の扇動により中国政府を脅迫する。
    スケールの大きなエンターテインメント。フィクションということを忘れずに読めば、国際関係について思考実験する回路を脳内に作る効果がありそう。
    一方で、実在の国について、現役(当時)の首脳を登場させながらこんなことを書いていいのかな?という違和感はある。リアリティを出すためではあるけれど、海外の娯楽小説で、日本について同じようなことをされたら微妙な気持ちになりそうだ。
    本書の最初の刊行は2005年だが、やはり当時とではアメリカと中国の関係が変化していると感じる。一番異なるのは、東アジア情勢へのアメリカの介入意欲や、中国の情報技術発展。現在を舞台にこの小説が書かれるなら、SNSによる世論操作が確実に描かれるだろう。そういえば三峡ダムは、今年の夏に爆破解体の可能性が論じられたりしていた。

  • 久しぶりに読んだ落合信彦。落合、って感じのストーリーだった。登場人物が多いのと、中国人の名前が覚えにくいのでたまに混乱したけど、面白い展開だった。

  • 落合信彦は好きです。
    単純に面白い、かっこいい。

  • 落合さんらしくダイナミックでスマートな展開。
    でもちょっとストーリーが順調すぎたかな・・・
    休みの日に楽に読める本ですね。

  • 落合さんの本の主人公はいつもかっこよすぎます・・・

    が、さすがジャーナリスト!
    世界での取材からのその知識で楽しませくれます(^-^)

    民主主義の国家に生まれて良かったとほんとおもいますね~

    でもこれからわ日本も虎に頼らねばいけないのでしょうね♪

  • スケールは大きいけどなんだか薄っぺらい気がしました。登場人物は全員平坦で無個性。

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