幻夜 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 1300
  • Amazon.co.jp ・本 (792ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087461343

感想・レビュー・書評

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  • 「幻夜」
    あの女のすべてを知りたい。過去も目的も、真実の顔も。


    「白夜行」の要素を強襲し、続編とされる「幻夜」。「白夜行」では確か、少年時代に主人公の男が女を助けたことから、一蓮托生の人生が始まったように記憶しています。それに比べると「幻夜」は一蓮托生という概念すら存在しない女による圧倒的支配しか描かれていないように感じました。「白夜行」でも女が男や周りの人間を支配する展開が濃厚でしたが、「幻夜」はその比ではないです。


    なんせ男である雅也の心情はさほど出てこず、出てきても悪魔のような女である美冬への疑念では無く信頼や愛が大半、その為二人の幸せという雅也の願いが非常に儚く、雅也には同情や「何故気づかない?」という怒り、そしてこれは美冬に操られる男全員に言えるが、「結局性欲が満たせれば良い馬鹿なのか?男はそんなもんか?」という呆れに近い悲しさも沸いてきます。一方、美冬から雅也への心情はほぼ自らの計画実行に関することのみで、ただの情報交換のようなものであり、どうしてもこいつを許すことは出来ないw


    さらに言ってしまうと、自分の過去を消し去り他人に成り代わりたかった理由と彼女が守ろうとしたものが何だったのか?が全く見えてこないというのが最も腹立たしく、だからこそ最後の結末には「え?」という感じでした。どうやら「風と共に去りぬ」を読んでいないと、美冬の行動原理が分からないということですが、この顛末も幻夜に掛けているんですかね。それに、美冬が周りを狂わす要因として魔力や魔性といった表現が結構出てきますが、それを出されるともうほぼ無敵になってしまい、結局は美冬を理解することなど無理ですw


    ちなみに、最後の顛末が不服な理由としては、私は雅也に復讐を成し遂げて欲しかったというのが挙げられます。言うまでも無くどちらも悪人ですが、震災後全うに生きようとしていた雅也に近づき、「私達は夜の道しか歩けない」とかわけの分からないことを抜かして彼を自分のテリトリー内に誘導し、利用しつくして最後には共犯にさえしなかった美冬に何とか一撃を食らわして欲しかったですね。


    そんな顛末で終わった「幻夜」ですが、一番納得出来ないのは美冬の動機の謎と彼女を捕まえられなかったこと。


    「風と共に去りぬ」はどんな話だったろうか。思い出せない。

  • 再読。
    やはり嫌な女だった。読者は正体を知っているだけに。
    裏の相棒と刑事が、拳銃の暴発でともに死んだ。
    「素敵な夜」とほくそ笑む女が怖かった。
    ろくな死に方をしないと思いたい。

  • 報われないな…、このラストは。夜でさえも幻なんて。次は一体どうするというのか?ホンの少しでも陽のあたる世界に行き着いて欲しいものだ

    800ページ近くある…読み応えがありましたね。
    この物語は『白夜行』を継ぐ作品です。まあ、白夜行を読んでいなくても楽しめますが先に読んだ方が良いでしょうね。

    さて、感想ですが重いです…(-_-;)

    震災から主人公格の男女二人が這い上がっていくんですが、それは決して明るい陽の当たる道でない…
    しかも男にとっては夜ですらなかった。とても報われぬ苦しみが描かれます。
    雅也と美冬に関わるものも次々と不幸に見舞われ(白夜行と同じですね)ます。ただ幸せを求めていたはずなのに美冬のそれはあまりにも虚ろ…
    美冬が雅也に求めていたもの。全くそれは白夜行の亮司そのものだったのだろうか。
    そう思って読むと別の心象風景も浮かびますが、雅也の側からすれば堪りませんね。有子に救われる道もあったはずですが…
    なんとも、やるせない物語でした。

    ちなみに物語のラストに私は納得できていません。この小説を継ぐ物語もいつか描かれるかもしれませんが、陽のあたらないシリーズはちょっと…
    (まあ、納得を求めて読むと思いますが)

    星はなぁ…、次に期待ということで辛めの3.5点
    ★★★☆

  • どうしても白夜行と比べると…。面白いのだが、深みが足りない。いや、普通の小説としては上出来なのだが白夜行がすごいだけに。

  • 女の冷淡さが怖い

  • この本を読む人がいる限り阪神大震災も風化しないという意味ではありがたいですが、白夜行とは比較しないほうがいいと思います。白夜行への期待を求めるとつまらないと感じてしまう。

  • 白夜行との繋がりを発見するのが楽しかった。
    この本だけでも面白いけど、白夜行を読んでから読むのがお勧めかな。

    美冬の内面が描写されていないのは相変わらず。
    そのおかげで雅也と同じ視点で読むことができた。
    有子を選んでたら、、と思うけど美冬と出会わなければ有子とも会うことはなかったんだよね。切ない。

    個人的には美冬には報いを受けてほしいと思ってたからちょっとモヤモヤ。彼女にとっての幸せってなんなんだろう。

  • 2018.12.27読了

  • 白夜行もよんでいたので、読み始めてすぐに展開が同じだと思った。なので、これは美冬のしわざだな。次はこうするな、というのが予想できてしまった。
    ここまで完全に悪い人いる?女性を勘違いしてないか?と白夜行でも思ったのだけど、同じ感想。
    好きな本ではなかったのだけど、読んでしまった。なんかついやめられないんだよなあ。最後まで。

  • 何度か再読しています。
    やはり、白夜行を読んでからのほうが、より楽しめると思います。

    白夜行では悲哀を感じましたが
    幻夜になると悪い方に突き抜けた感じがありますね。

著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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