幻夜 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 1296
  • Amazon.co.jp ・本 (792ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087461343

感想・レビュー・書評

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  • H29.12.8 読了。

    ・白夜行の続編。引き込まれるような世界観を一気読みした。いやあ、面白かった。
     こんなところで白夜行と繋がっていたんだとピースを見つけるたびに小躍りしてしまった。

  • なんて真っ白な空気なんだろう。

    この世界は冷え切っている。

    読書中はずっと背筋が凍ってしまうんじゃないか、と思える程、ぞくぞくしっぱなしだった。

    一枚の毛布も無く、
    一欠けらの優しさも無く、

    生きるとは、それほど過酷な事なのか?

    ハイヒールで他者を踏みつけ、
    柔らかな血肉の階段をのぼって行く美しい女に
    誰もかれもが、心を奪われ、身を捧げ。

    偶々、その対象が「美しい女」であったに過ぎない。
    又、女にとっては「美の追求」であった。に過ぎなかっただけの話なのだろうか?

    何者かに心奪われずには捧げずには
    生きては行けぬ、人の悲しすぎる本性が
    冷ややかな目線で物語った幻の夜。

    どんな夜だって幻かも知れない。
    でも、
    こんなにも胸に痛く、心に残ってしまった夜を一体どうすればいいんだろう?

    あとがきによると。

    実はすでに購入済みで、未だ未読の『白夜行』とは二部構成になっているらしい…。
    こちらの世界で埋まらぬ溝を
    そちらの世界とあわせてはひとつになると言うのなら…

    もちろん踏み込みはするが、
    読む前からすでに恐ろしい、って一体…^^;

  • 「幻夜」
    あの女のすべてを知りたい。過去も目的も、真実の顔も。


    「白夜行」の要素を強襲し、続編とされる「幻夜」。「白夜行」では確か、少年時代に主人公の男が女を助けたことから、一蓮托生の人生が始まったように記憶しています。それに比べると「幻夜」は一蓮托生という概念すら存在しない女による圧倒的支配しか描かれていないように感じました。「白夜行」でも女が男や周りの人間を支配する展開が濃厚でしたが、「幻夜」はその比ではないです。


    なんせ男である雅也の心情はさほど出てこず、出てきても悪魔のような女である美冬への疑念では無く信頼や愛が大半、その為二人の幸せという雅也の願いが非常に儚く、雅也には同情や「何故気づかない?」という怒り、そしてこれは美冬に操られる男全員に言えるが、「結局性欲が満たせれば良い馬鹿なのか?男はそんなもんか?」という呆れに近い悲しさも沸いてきます。一方、美冬から雅也への心情はほぼ自らの計画実行に関することのみで、ただの情報交換のようなものであり、どうしてもこいつを許すことは出来ないw


    さらに言ってしまうと、自分の過去を消し去り他人に成り代わりたかった理由と彼女が守ろうとしたものが何だったのか?が全く見えてこないというのが最も腹立たしく、だからこそ最後の結末には「え?」という感じでした。どうやら「風と共に去りぬ」を読んでいないと、美冬の行動原理が分からないということですが、この顛末も幻夜に掛けているんですかね。それに、美冬が周りを狂わす要因として魔力や魔性といった表現が結構出てきますが、それを出されるともうほぼ無敵になってしまい、結局は美冬を理解することなど無理ですw


    ちなみに、最後の顛末が不服な理由としては、私は雅也に復讐を成し遂げて欲しかったというのが挙げられます。言うまでも無くどちらも悪人ですが、震災後全うに生きようとしていた雅也に近づき、「私達は夜の道しか歩けない」とかわけの分からないことを抜かして彼を自分のテリトリー内に誘導し、利用しつくして最後には共犯にさえしなかった美冬に何とか一撃を食らわして欲しかったですね。


    そんな顛末で終わった「幻夜」ですが、一番納得出来ないのは美冬の動機の謎と彼女を捕まえられなかったこと。


    「風と共に去りぬ」はどんな話だったろうか。思い出せない。

  • このお正月は、(父親がハマったので家に置いていた)東野圭吾をひたすら読んでいました。
    おもしろかったです。長いけどスラスラ読めました。

  • 再読。
    やはり嫌な女だった。読者は正体を知っているだけに。
    裏の相棒と刑事が、拳銃の暴発でともに死んだ。
    「素敵な夜」とほくそ笑む女が怖かった。
    ろくな死に方をしないと思いたい。

  • 予想していた以上に楽しめた。少しずつ手掛かり、背景が明らかにされて行く度合が絶妙。巻末の解説を読んで知ったが、この本の主人公の美冬が、白夜行のあの人という説があるらしい。

  • うーん、すごかった。でも何だろう、前作では雪穂にも同情の余地があったというか、白夜を這いつくばって生きる2人の必死さと哀しさが表されていたけど、今作では美冬の冷酷さの方が強調されていたように感じるなあ…
    東野圭吾の作品には、どこにもぶつけようのない哀しみを抱えて、それでも這いつくばって前を向いて生きようとする人間を見るんだけど、それはきっと僕がそう読みたいという欲望を抱えているからなんだろうなあ。どこかに「人間の生なんて哀しいもんだ」っていう諦念があるようのかもしれない。

  • ずっと暗いけど、あっという間に読めてしまった。白夜行と同じような感じだけど、美冬の方が怖い気がする。

  • 白夜行の続編。
    「いいえ、こんなに素晴らしい夜は初めて。幻みたい。」

  • どうしても白夜行と比べると…。面白いのだが、深みが足りない。いや、普通の小説としては上出来なのだが白夜行がすごいだけに。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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