- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087462197
感想・レビュー・書評
-
大名奥御殿が主な舞台の犯人捜しミステリー
「非道、行ずべからず」(1809年)から遡ること35年、萩野沢之丞はまだ若く、笹岡平左衛門は未だ14歳、父親の笹岡伊織が同心として働いている頃の話
「非道、行ずべからず」の中で、沢之丞が、以前同心の手伝いをしたことがある、と言っていた事件が描かれている。
家とは?親子とは? が主題となっている。
大名などの家をつづけていかなければならない者たちの後継者づくり、歌舞伎役者の名跡の引き継ぎ、同心など下級武士の家の相続、様々な形の家と親子の関係が描かれていて、考えさせられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
松井さん、今回も面白かったな。
大奥でのお話のなかに、「仲蔵狂乱」の中の登場人物がちょこっと出てきたりしたのも良かった。
終盤では涙がちょっと出てしまった。
家、家族、親、子。
何だろう、サラッとしている中に濃厚なモノを感じた。
今井さんって凄いなぁ~と感じた作品でした。 -
時代小説。
どういう立ち位置なのかなーと思いつつ、読み進めていたのだけど、
結果、ミステリだった。
いくつかの殺人事件を一つに繋げるのは意外な事実。
あーそうきたか!と読み応えあり。
一気読みでした。 -
舞台は江戸、砥部和泉守の奥御殿(将軍家でいうところの大奥)。女中たちの頂点に君臨する御年寄である“おば様”こと浦尾にすすめられて奉公することになった同心の娘瑞江は、奥御殿で次々に起こる怪事件の謎に迫るうちに…。
同心である父親ゆずり(実は母親ゆずり?!)の正義感と豪胆さで、下っ端女中にあるまじき活躍をみせる瑞江のフットワークの良さが痛快である。ラストで明かされる真実を知った後、すぐに再読すると随所に用意された伏線に気付いてまた面白い。 -
202304/出だしからすぐひきこまれて面白かった。そして思ってたよりこわくてすごい話だった。
-
日本推理作家協会賞候補(59回/2006年)
-
内容(「BOOK」データベースより)
江戸北町奉行同心・笹岡伊織の娘瑞江は、おば様と呼んでいる御年寄職・浦尾の勧めで、大名砥部家奥御殿に奉公へ。否応なく、陰湿ないじめや、長局内の勢力争いに巻き込まれていく。折しも、砥部家に勤める女が役者と起こした心中事件を、伊織が探索することになり…。閉ざされた“女の城”で瑞江が遭遇する不可解な事件の数々。家と血の絆を巡る長編時代ミステリー。