天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)

著者 :
制作 : 小瀧 達郎 
  • 集英社
3.58
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本棚登録 : 2422
レビュー : 201
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462210

感想・レビュー・書評

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  • 天使の卵の10年後。
    大学生古幡慎一とおばあちゃんが新しい登場人物。
    精神科医で歩太と付き合ってた春妃の死後10年が経ち、夏姫は高校の教師をしていたが辞めて信販会社に勤めていた。カフェで偶然かつての教え子の慎一と出会い付き合うようになる。夏姫の言動に不安を覚えた慎一は歩太と夏姫の関係を疑う。慎一は偶然を装って歩太と出会う。
    夏姫や歩太は春妃の呪縛から卒業を決意する。

  • 古幡慎一 21歳、大学生
    ばあちゃん 75歳、タカノ理容室
    父:洋一
    母:七恵
    斎藤夏姫 29歳、元高校教師、信販会社勤務
    春妃 享年27歳、精神科医、夏姫の8歳上の姉
    一本槍歩太 29歳

  •  私が村山さんの作品に出会うきっかけとなった『天使の卵』。あれから10年後の世界を描いたのがこの作品です。

     作品の登場人物にとっても10年が経っていますが、実世界でも10年経っているというのが面白いところ。もちろん、読んでいる私も書いている作者の方も10歳、年月を重ねたことになります。

     『天使の卵』では恋人歩太にふられたばかりか、姉に歩太をとられ、しかも、姉が急に亡くなってしまうという役どころだった夏姫が、この『天使の梯子』では、姉と歩太と同じ、8歳年下の彼氏と付き合うという設定がなかなか面白い。姉の恋を追体験することで、夏姫にも大きな変化、成長のきっかけが訪れる。

     夏姫の彼氏はフルチンこと古幡慎一。正体不明の歩太と夏姫の関係を疑い嫉妬する。慎一が自分に自信がもてず、相手の言動に振り回されるのは、とてもよくわかるう気がします。読者は第三者なので、双方の気持ちが見えてしまっているわけですが、私が慎一だったら、きっと同じような感情に悩まされていたことでしょう。

     ちょっと残念だったのは、『天使の卵』のストーリーがわかっていると、夏姫の相手が誰なのか、想像がついてしまうところ。それでも、ちょっとしたどんでん返しが待っていますが、『天子の卵』を読んでいなければもっと楽しめてたかも。

     石田さんの解説がとてもいいですよ。p.294 『天使の卵』は死者の物語。『天使の梯子』は生者のものというとらえが絶妙。村山さんの気持ちの変化を上手に読み取って解説してくれています。

     というわけで、続編とかカバーには期待外れのものが多いですが、村山さんの作品には外れはありません。ぜひ皆さんも一度読んでみてください。

  • 2017.7.20

  • 2017.7.9

  • 恋愛系の小説で本当に胸が踊った本

  • 小説読んで初めて泣きました。

  • 再読2回目。「天使の卵」の続編。夏姫の恋人古畑慎一から見た夏姫、歩太の再生と過去への訣別の物語と言える。本を読んで色々な事が頭に浮かんできて感想に表すのは難しいが、愛する人に置いていかれる寂しさを消化して前に進むというのは、とても苦しいことだと思う。残された人たちは現実に生きていて、どこかでその辛さを乗り越えていかなくてはいけない。「卵」であれだけ打ちのめされた歩太にも、その機会が訪れたことは良かったなと思った。同じ物語を夏姫の視点から見たヘブンリーブルーや続編の天使の柩も読んでいきたいと思う。

  • 村山ワールド。ほわわわ〜

  • 最初に読んだのは9年前だ、あの時は、どんな気持ちだったのか、思い出せない。
    ただ、今読んでも、強さってなんだろうと考える。
    強い感情を自分の中で消化してたどり着く、ひとつの答え、人それぞれあるのだろう。自分はどうするのか、その時にならないとわからないが、強くありたい。

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著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

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