天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)

著者 :
制作 : 小瀧 達郎 
  • 集英社
3.58
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本棚登録 : 2423
レビュー : 201
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462210

感想・レビュー・書評

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  • 姉をなくした夏姫が主人公。
    亡くなった人に対して誰でも後悔はあるわけで。それでも、その後悔を持ち続けていくしかないけど、それでその故人まで縛り付けていることに気付く。
    それでその人を思い出さないで、悲しむ気持ちに蓋をしたらかわいそうだと。
    その通りだと思ったなあ…
    それぞれの悲しみを抱いた皆が、確実に再生へ向かっていく物語。

  • 「天使の卵」から10年後の夏姫と歩太。
    おばあちゃんに投げかけた最後の言葉が悪態になってしまった慎一を夏姫が包み込むシーンからはじまる物語は、夏姫を救済する物語でした。
    夏姫が恋した慎一は、皮肉にも姉の春妃と歩太の年齢差と同じく8歳年下。因縁めいたものを思わせる巡り合わせですが、春妃と同じような恋をしてどんな気持ちを相手に募らせるのか身を持って感じたことが何よりの良薬だったのでしょう。二人には別れることなくいつまでも寄り添っていてもらいたいものです。
    一方の歩太は、10年で随分と逞しくなったものです。男性ながら歩太には格好良さを感じずにいられません。

  • これも、「卵」どうように、今回が初めてではない。読んだのはハードカバーが出版されてすぐだったから…2004年か。歩太たちにとっては10年後、わたしは3年後の、再会だった。
    10年経ってなお、責めを負って生きてきた夏姫と、未だ心は春妃とともにある歩太、そして夏姫が教師をしていた頃の教え子である慎一。慎一と夏姫の年の差は、歩太と春妃の差そのままだった。
    時が経つことの意味は、こうして知るのかもしれない。忘れられないことなんて山のようにあるし、後悔し続けることもあるけれど、それを負うことが答えだと自分で見つけてしまったら、時と共に責と共に、生きていくしかないのだ。自分で自分を解き放ってあげられる、その瞬間に出会うまで。
    読み返しているのに、初めて読むわけではないのに、不思議なほど心が打たれる。「打たれる」というのがこういうことなんだと、この「天使」シリーズを読むと実感させられる。

  • 前作で脇役だった登場人物のその後を知れて嬉しい。
    失恋した人、という印象くらいだったけど、本作のおかげでその人の人生含めてもっと豊かなイメージに広がった。お幸せに、という気持ち。

  • 天使の卵の続編

  • 天使の卵続編良かったです(涙)フルチンの一途な思いが良かった。悲しい出来事も乗り越えられてやっとすっきり。3作目も楽しみです。次は歩太が幸せになる番かな。

  • いい話だ...。

    途中ウルっとするシーンあり、こちらがコッ恥ずかしくなるようなシーンあり、
    愛って恋ってこんなんだっけかと思い出させるシーンあり、
    ラストはスパと終わって、ほっこりさせてくれる。
    哀しくもいい話でございました。

    天使の卵の続編、シリーズもんだったのね。
    前の話すっかり忘れていた。
    再読せゃなるまい。

  • 2019/2/5~2/7

    バイト先のカフェで耳にした懐かしい声。それはフルチンこと古幡慎一が高校時代に思いを寄せた先生、斎藤夏姫のものだった。8歳年上、29歳の夏姫に、どうしようもなく惹かれていくフルチン。だが彼女は、体はひらいても心を見せてはくれない。10年前の「あの時」から夏姫の心には特別な男が棲んでいるのだから―。傷ついた心は再生するのか。愛は蘇るのか。それぞれの思いが交錯する物語。

  • 恋愛をテーマにしたお話が昔からとにかく苦手で、読み始めても途中で投げ出してしまうケース多々あったのですが、こんな感じで静かに一定の速度で流れていくお話は自分の日記を読み返しているようなそんな錯覚に陥り、深く深く読み入ってしまった。そして、静かに涙を流しながら読んだ。冬から春へと季節が流れるような、静かで温かいお話だった。

  • 読んでよかった。前作の読後感の悪さを、すすいでくれる解毒剤のようだった。
    解説によると前作今作を、恋敵となった妹視点で書き直した作品があるとわかった。
    前作のような読後感だったらどうしようと心配しつつもどんな見え方がするのか読んでみたい自分がいる。

  • 天使の卵の10年後。
    大学生古幡慎一とおばあちゃんが新しい登場人物。
    精神科医で歩太と付き合ってた春妃の死後10年が経ち、夏姫は高校の教師をしていたが辞めて信販会社に勤めていた。カフェで偶然かつての教え子の慎一と出会い付き合うようになる。夏姫の言動に不安を覚えた慎一は歩太と夏姫の関係を疑う。慎一は偶然を装って歩太と出会う。
    夏姫や歩太は春妃の呪縛から卒業を決意する。

  • 古幡慎一 21歳、大学生
    ばあちゃん 75歳、タカノ理容室
    父:洋一
    母:七恵
    斎藤夏姫 29歳、元高校教師、信販会社勤務
    春妃 享年27歳、精神科医、夏姫の8歳上の姉
    一本槍歩太 29歳

  •  私が村山さんの作品に出会うきっかけとなった『天使の卵』。あれから10年後の世界を描いたのがこの作品です。

     作品の登場人物にとっても10年が経っていますが、実世界でも10年経っているというのが面白いところ。もちろん、読んでいる私も書いている作者の方も10歳、年月を重ねたことになります。

     『天使の卵』では恋人歩太にふられたばかりか、姉に歩太をとられ、しかも、姉が急に亡くなってしまうという役どころだった夏姫が、この『天使の梯子』では、姉と歩太と同じ、8歳年下の彼氏と付き合うという設定がなかなか面白い。姉の恋を追体験することで、夏姫にも大きな変化、成長のきっかけが訪れる。

     夏姫の彼氏はフルチンこと古幡慎一。正体不明の歩太と夏姫の関係を疑い嫉妬する。慎一が自分に自信がもてず、相手の言動に振り回されるのは、とてもよくわかるう気がします。読者は第三者なので、双方の気持ちが見えてしまっているわけですが、私が慎一だったら、きっと同じような感情に悩まされていたことでしょう。

     ちょっと残念だったのは、『天使の卵』のストーリーがわかっていると、夏姫の相手が誰なのか、想像がついてしまうところ。それでも、ちょっとしたどんでん返しが待っていますが、『天子の卵』を読んでいなければもっと楽しめてたかも。

     石田さんの解説がとてもいいですよ。p.294 『天使の卵』は死者の物語。『天使の梯子』は生者のものというとらえが絶妙。村山さんの気持ちの変化を上手に読み取って解説してくれています。

     というわけで、続編とかカバーには期待外れのものが多いですが、村山さんの作品には外れはありません。ぜひ皆さんも一度読んでみてください。

  • 2017.7.20

  • 2017.7.9

  • 恋愛系の小説で本当に胸が踊った本

  • 小説読んで初めて泣きました。

  • 再読2回目。「天使の卵」の続編。夏姫の恋人古畑慎一から見た夏姫、歩太の再生と過去への訣別の物語と言える。本を読んで色々な事が頭に浮かんできて感想に表すのは難しいが、愛する人に置いていかれる寂しさを消化して前に進むというのは、とても苦しいことだと思う。残された人たちは現実に生きていて、どこかでその辛さを乗り越えていかなくてはいけない。「卵」であれだけ打ちのめされた歩太にも、その機会が訪れたことは良かったなと思った。同じ物語を夏姫の視点から見たヘブンリーブルーや続編の天使の柩も読んでいきたいと思う。

  • 村山ワールド。ほわわわ〜

  • 最初に読んだのは9年前だ、あの時は、どんな気持ちだったのか、思い出せない。
    ただ、今読んでも、強さってなんだろうと考える。
    強い感情を自分の中で消化してたどり着く、ひとつの答え、人それぞれあるのだろう。自分はどうするのか、その時にならないとわからないが、強くありたい。

  • 天使の卵に続いてこちらも再読。卵よりこちらの方が読みやすい。慎一目線で書かれているけど夏姫の話。慎一よりも夏姫に感情移入する。

  • 物語の語り手は夏姫の元教え子だったフルチンこと古幡慎一だけど、主人公は『天使の卵』の2人(歩太と夏姫)みたいだった。卵の方は少し少女漫画風で展開が唐突だったけど、こちらはフルチンの嫉妬やら、卵から10年経過してまだ傷が癒えない2人の再生だとか、丁寧に描かれていて個人的には卵よりも好き。正直、歩太と比べてしまうとフルチンの方に魅力は感じないんだけども……村山作品としては、実に爽やかな読後感でした。

  • んー、微妙。主人公がガキのくせに落ち着きすぎてて感情移入できない。もっと取り乱したり必死になったりしてこその青春ものじゃないのかなあ。続編だって点はあまり気にしないで読めた。罪と赦しってテーマだと、主人公はおまけで結局夏姫の話ってことなのかな。村山由佳にはもっと明るくて爽やかな希望に満ちた感じか、ドロドロしまくったのを期待してるんだな俺は。

  • 卵の続編。
    柩を読んだので、改めて再読。

    内容をほとんど忘れていて、主人公の慎くんにヤキモキしながら読み進めた。
    罪の意識に苛まれたままの歩太と夏姫が、夏姫と慎くんの恋愛によってようやく救われる。
    10年もの長い間辛い気持ちを抱えたまま、なんとか生きようとしていたんだと思うと切ない。
    ようやく2人が救われる場面を見れて、卵から読んだ回がある。

    夏姫の言葉は度々胸にくるものがある。

  • 恋をしてる若者には良いお話しなのかな。著者とほぼ同年齢の自分には、全く響くものがなかった。フルチンならぬフルポンのコントを見てるような、ちょっと恥ずかしくなるくらいのありきたりな恋愛モノ。あー、自分、すっかりおばさん化してるーーーー!

  • 昔読んで、卵よりこっちの方が好きだった気がする
    梯子の中の卵の男がカッコよかった

  • 卵より断然好き。卵読んだのが昔過ぎたのか…?悲しい結末にならなくてよかった。夏の言葉が胸に刺さる。そしてその言葉は昔の自分にあてたもの。救われて本当に良かった。

  • こんな風に、人は時間が随分経ってから、ほかの誰かによって救われることもあるんだな。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    バイト先のカフェで耳にした懐かしい声。それはフルチンこと古幡慎一が高校時代に思いを寄せた先生、斎藤夏姫のものだった。8歳年上、29歳の夏姫に、どうしようもなく惹かれていくフルチン。だが彼女は、体はひらいても心を見せてはくれない。10年前の「あの時」から夏姫の心には特別な男が棲んでいるのだから―。傷ついた心は再生するのか。愛は蘇るのか。それぞれの思いが交錯する物語。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    読みましたよー。
    私的に酷評した、「天使の卵」続編!

    ...まず一言。
    主人公の彼氏が「フルチン」というあだ名であることに必然性はあるのか(笑
    それ若干いらない設定じゃない?と。
    別に面白くもないし(笑

    ときどき主人公夏姫が「フルチン」と呼んで彼が恥ずかしがる、という描写があるけどそれって必要?って言う。
    なんかそれこそ「奇を衒った」ようにしか見えないけど...

    まぁ、置いておいて。

    ただ、前作を読んでしまっていたので、
    ミステリー感は一切なかったのが逆に残念でした。

    前作はもしかしたら後に読んだ方がスッキリ感あるかも...

    夏姫の心が開かない理由、
    夏姫と歩太の関係性、
    そんな「フルチン」(笑にとっては謎な部分を全部分かってしまっていて、
    あーここはきっとえっ?と思わせたいんだろうなぁとか
    どう言うことなんだろうと読み進ませたいんだろうなぁとか
    そんな作者の意図を全部放棄してしまったようで、
    ちょっともったいないような気もしちゃいました。

    もちろん作者は前作を読んでいない人にも楽しめるように...と書いているとは思うのですが、やはりこの二冊は両方読んで初めて補完される作品だと思うのです。

    そして両方を楽しむには、こちらを先に読んで、
    少しの謎を残したまま前作を読めば、
    かなり伏線回収されるかな~、と。

    もちろん好みですけどね!

    でも、さすがに10年と言う時間は大きかった。
    前作よりもずっとすっきりして読みやすく、
    謎は知ってるだけに感動までは出来ませんでしたが
    (夏姫思わせぶりすぎだしね)
    ずっと気持よく読めました♡

    この後ヘブンリーブルーや天使の柩も控えていますし、
    なんだかんだ言っても続き物とかリンクしてる作品とか
    大好物なのでとーっても楽しみです(● ´艸`)

    ...ただ、こちらのドラマスペシャルはあまり見る気になれない(´・ω・`)
    なぜでしょう...
    天使の卵はすごーく見たいんですけどね...
    どうせなら同じキャストでやってくれたらなぁ~...

  • バイト先のカフェで耳にした懐かしい声。それは古幡慎一が高校時代に思いを寄せていた先生、斎藤夏姫のものだった。8歳年上、29歳の夏姫に、どうしようもなく惹かれていく慎一。だが彼女は、体はひらいてもなぜか心を見せてはくれない。10年前の「あの時」から夏姫の心には特別な男が棲んでいるのだから…。傷ついた心は再生するのか。愛は蘇るのか。それぞれの思いが交錯する物語。

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著者プロフィール

村山由佳(むらやま ゆか)
1964年7月10日生まれ、立教大学文学部日本文学科卒業。不動産会社、塾講師などの勤務を経て作家となる。
1991年 『いのちのうた』でデビュー。1991年『もう一度デジャ・ヴ』で第1回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞佳作、1993年『春妃〜デッサン』(『天使の卵-エンジェルス・エッグ』に改題)で第6回小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で第129回直木三十五賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で第4回中央公論文芸賞、第16回島清恋愛文学賞、第22回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。ほか、代表作として『おいしいコーヒーのいれ方』シリーズがある。

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