生きてるうちに、さよならを (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.14
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本棚登録 : 724
感想 : 75
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462258

作品紹介・あらすじ

「あなたが天国へ行った瞬間を知ってたわ。だって真夜中にきたわよね、私の部屋に。ごめんねって泣きながら…」「兄弟、おれに黙って、なぜ先に逝った。バカヤロー!」親友の葬式で、勝手に死者との絆を強調する自己陶酔型の弔辞に嫌気がさした会社社長の本宮は、自分自身の生前葬を企画する。だが彼は知らなかった。妻の涼子が重い病に冒されて、余命幾ばくもないのを隠していることを…。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の傲慢さに腹が立ちました。

    自分の物だと思っていたものを、自分で捨てるのはかまわないのに、人に捨てられると怒る。

    自分が奥さんにしようとしていたことが、どれ程彼女を傷つけるかについては鑑みない。

    誰に読ませるわけでもないと言いながら、告白文みたいなものを残す。結局誰かに読んでもらいたいからじゃないのと思ってしまう。

    という、素直にイライラしながら読める本でした。

  • 生前葬をしようなどと思いついたために、知らなくていいことを知って絶望する話し。
    小さな町工場をコツコツと家庭も顧みずに一代で大きくした社長。
    地位も名誉も愛人も手に入れたものだから、次は自らの終末をメイクしたくなったのね。
    自分が納得したいがために過去を探り、勝手に絶望して、勝手に悲観して、最終的に我が子に荷物を背負わせてしまう羽目に…。
    分かりやすく言うなら、人の携帯をのぞいても良いことなん何もない。ってのと同じで、人の過去を知ることに意味もなければ良いことなんか何もない。
    過去より今を未来を大切にすればいい。
    余命宣告をされた妻。自分を支えてくれた妻の最期の時をただゆっくりと過ごせば良かっただけなのにね。
    今年の19冊目
    2020.7.5

  • 友人から貸して頂いたので読んでみました‼️

    作品としてはとても読みやすかった作品ですね。
    ストーリー構造もわかりやすくてイメージもしやすいし
    何より、スラスラと物語が進んでいくので
    ストレスなく読むことが出来ました‼️

    主人公の本宮さんの傲慢っぷりな性格はあまり共感を
    持てませんでした、、妻の事を何も知らないし
    影響を受けて生前葬をしようとするし、コロコロと
    考え方も変わるし周りに迷惑しかかけない行動だったので
    好きにはなれませんでしたね

  • タイトルから生前葬を題材にした話なのかな…と思っていましたが、とんでもない展開で最後まであっと言う間に読みました。最初は愛人を作って家庭を省みない社長の振る舞いにイラッとしながら読んでいましたが、後半になるとちょっと同情してしまう心情になるのが不思議な作品でした。

  • 人ひとりの人生には、様々な人との出会いや別れがあること、そしてその「別れ」の中にははっきりとした区切りがなく、気づくと疎遠になっている、というものや、自分自身の力ではどうしようもないもの(事故や事件)があるのだということが描かれます。

    決してエンターテインメントに富んだ本ではなく、また大きな事件が起こるわけでもありません。創業者として一部上場企業を経営するワンマン社長とその家族、また社長の愛人の「隠された歴史」がテーマです。

    あらためて自身の人間関係(これまでの人生でかかわった人たち)について思い出そうと思いましたし、両親や妻など、身近にいる家族の「歴史」や「思い」を受け止めて、(あまり考えたくはありませんがいつでも「別れ」が言えるように)生きることができたら、とも思います。
    とはいえ、『生きてるうちに、さよならを』言えないからこそ、人生は趣深いものであるのかもしれません。

  • 面白い展開だとは思いましたが、いかんせん自叙伝?日記?のていなので、読みづらかったり、一方の話しかわからなかったり。それにしても、帯に書かれていた禁断のどんでん返しというのは、少し言い過ぎでは?

  • ミステリーだと思わず読み進めたので、意外な展開が続いていくのがおもしろかった。

    最後、物分かりの良すぎる子どもはちょっとあり得ないかなと思うけど、まぁ遺産なんかたっぷり相続したから感謝してる、ということなのかな。これで金も残さず死んでいたら最低な親としか子供にはうつらないよなぁ。

    金もない自分とはかけ離れているから、かけ離れたところで楽しめた一冊だった。

  • 展開が想像していなかったもので、いい意味でそうくるのか!と。話の構成が上手。全体の雰囲気も、違和感なく変わってしまうのがすごい。
    この方の本は初めて読んだが、一気に惹かれた。

  • ヒューマン系かと思ったら後半で全然思ってたのと違う方向に進み始めた。面白かった。
    最後の最後、主人公の結末が良くも悪くも衝撃的。

  • これはたしかに驚愕のどんでん返しミステリーでした。最後の最後までわからんところも語り口調で話が進んでいくところも、「バイバイ」って息子の敬が読んで終わるところも、これまあ面白い!

     

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著者プロフィール

東京生まれ。一橋大学卒業後、ニッポン放送ディレクター、編成プロデューサー、 扶桑社書籍編集長を経て1990年より専業作家。
1986年扶桑社在籍中に執筆した『Kの悲劇』でデビュー。2009年10月発売の『蛍坂』が200冊目の著作。
2011年9月ライフワークの『魔界百物語』がスタート。100本の書き下ろしミステリーに挑む。

「2012年 『幻影城の奇術師』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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