I'm sorry, mama. (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462302

感想・レビュー・書評

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  • 超ド級の不幸な女の「ママ探し」の人生。娼館に生まれて親を知らずに育ち、養護院を出てからは自分の身体一つで浮き草のようにフラフラと生きる先で、憎しみの矛先を周囲の人間に向けていく。トンズラした先ではまた盗みと人殺し。でも、別に人殺しの物語ではない。
    とばっちりを受けるのは彼女と交差した人たち。でも、交差した後はアイ子の過去は、いつだって真っさら。足がつきそうになったら足跡を消して歩いてるだけで、人は消すのが一番手っ取り早い。
    考えないで、欲望のままに行動する。動物的な第6感だけはふつう以上に発達してる。
    アイ子にとっては、とくにそれが刹那的な生き方っていうわけでもなく、意識的に自堕落っていうわけでもなく、そうやってなんとなく生き延びてきた人生。こんな感じの女なので、笑っちゃうくらい悲壮感がない。

    アイ子は悪意で破裂しそうなくらいだけど、女がしぶとく生きる道は、大股開きで何でも来やがれ、と周囲をにらみ返していくことなんだろう。まあ、もちろん現実の世界ではこう簡単にはいかないけれど、それしかなかったら私だってそうするかもしれない。いや、しないかもしれない。
    悪のヒロイン、アイ子に対する嫌悪感と女としてすぅっとする感じ。戦う女を描かせたら超一級の桐野夏生らしい物語。

  • 2018.03.28.読了
    悲しい女達の話。
    隅田川近くの娼館で育ったアイ子を中心に話は展開していく。
    登場してくる女達の人生に悲哀が溢れる。
    アパ社長登場に(笑)

  • 結局アイコって?

  • 持っていないものをやたらと欲しがる。自分がもっていないものはとにかく素晴らしいものだと思う。
    それは完全なる間違いだと諫めて生きていこうと改めて思う。
    無いものは無い、で、ゆっくり歩いて行く。

  • 娼婦の置屋で誰からも愛されずに育った主人公。過酷な状況を耐え抜いて生きていて。でも全く愛せない...。残酷だし考えなしだし短絡的。救いのない話だったけど、文章が読みやすく一気読み。

  • 娼婦の置屋で生まれ育った子のその後の人生…なんだけど、健気とか不幸を背負って悲壮感いっぱいとかじゃなくて、犯罪者(汗)感動も感情移入もしないけど、悪すぎて、その悪さが突き抜けすぎててすいすい読めて面白かった。

  • 重い〜〜。でも 一気読み。

    平然と、窃盗、放火、殺人を、やってのける
    主人公アイ子の、この極悪非道ぶり。

    その残虐性が、
    劣悪な生い立ち、環境のせいなのか。
    なにが、彼女を悪事に駆り立てるのか。
    くわえて、
    「母」というカタチのモンスターがいっぱい登場
    目を背けたくなりながらも
    物語には、ぐんぐん引き込まれました。

  • 児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と焼死した。その背景に、女の姿が浮かび上がる。盗み、殺し、火をつける「アイ子」。彼女の目的は何なのか。繰り返される悪行の数々。次第に明らかにされる過去。救いようのない怒りと憎しみにあふれた女は、どこからやって来たのか。邪悪で残酷な女の生を、痛快なまでに描き切った問題作。

  • 【本の内容】
    児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と焼死した。

    その背景に、女の姿が浮かび上がる。

    盗み、殺し、火をつける「アイ子」。

    彼女の目的は何なのか。

    繰り返される悪行の数々。

    次第に明らかにされる過去。

    救いようのない怒りと憎しみとにあふれた女は、どこからやって来たのか。

    邪悪で残酷な女の生を、痛快なまでに描き切った問題作。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、2011年同作で読売文学賞を受賞。2015年、紫綬褒章を受章した。近著に』『奴隷小説』『抱く女』『バラカ』など。

「2016年 『猿の見る夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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