I'm sorry, mama. (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1929
感想 : 209
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462302

感想・レビュー・書評

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  • 桐野先生の作品の中でも群を抜いた悪女の一生。楽しかった。

  • あまり長くないので、滝みたいな勢いでいっきに駆け抜けるように読み終わる。善かれ悪しかれ、立ち止まって停滞する瞬間がない。
    その分、著者に特有の人の悪意や嫌な部分についてのねっとりとした描写も抑えられている。そこまで深入りせずに、とにかく前に前に進んでしまう感じ。
    著者の人間観は、内面や心理描写ではなくて他者との関係の中に人間の嫌な部分を見出してゆくというものだと思う。本作は、ものを考えないという主人公を造形したことによって、そのような人間観がより徹底している。ぐじぐじ悩まずに乾いた行動規範にもとづきただただ動き回って人を殺したり誘拐したりしてゆく主人公は正義や美しさに背を向けた負のハードボイルド。犯罪にも逃亡にも美学が一切ないのがすごい。

  • 何にも恵まれなかった1人の女性のお話。女の嫉妬・渇望が描かれ、人間の黒々しい部分が細かに描かれている。さすが桐野夏生さんという感じの作品

  • この人は引き込むのが上手いな〜。一気に読みました。

    なんでタイトル英語にしたんだろう?
    米兵、娼婦とか、そんな背景含め?

  • ついつい読ませられてしまう。
    それにしても、出てくる人出てくる人、妙な人たちばかりで、あまりかかわりたくない感じ。悲惨で救いがないし。

  • 常軌を逸した女が繰り返す悍ましい犯罪の数々。本人も取り巻きの女たちも、一時期娼婦館で暮らしていた。その内の一人の女の怖いほどの生き様が描かれる。桐野節が全開。

  • モンスターアイ子。
    娼婦の館で育ち、親もいない。
    館が潰れたら児童養護施設で育つ。
    人を恨み、容赦なく牙を剥く。
    最後にはアイ子についての真実がわかるが、不幸な生い立ちを抱えていることは辛い。
    怖いのに引き込まれる要素が満載。

    2018.1.25

  • すごく壮絶なお話。だけれども、とても読みやすかったです。

    虐待というものは、起きて欲しくないものです。
    しかし、人は誰しも何かしら悩みがあり、解消できないと大きな問題になってしまうものです。
    虐待も、同じで、難しいものです。

    ただ、一つ言いたいことは、虐待をしてしまった人、この話では母親ですね。この人が一概に悪いとは言えないということです。
    勿論、子どもにはなんの非もないのですから、親が悪いです。
    でも、親だって何かしらの事情や問題があり、それを解消するための道がないことが悪いんです。
    相談できる場所や人がない、そんな環境が悪いんです。
    それを声を大にして言いたくなりました。

  • キャラクターが、どいつもこいつもメチャクチャ( ´ ▽ ` )ノ。下品でエゲツない( ´ ▽ ` )ノ。
    底辺の呪詛を描かせたら今、桐野夏生先生の右に出る者がいないね( ´ ▽ ` )ノ。
    アパグループ女社長もどきが出てくるところからが本番( ´ ▽ ` )ノ。でも、前振りがあまりにも凄まじすぎて、突然別の話になっちゃったみたい( ´ ▽ ` )ノ。女装爺さんの出番が、あれだけとは

  • 娼婦の館で生まれ、児童福祉施設で育った松島アイ子。残酷で気持ち悪い話だけど、いたたまれなくもなる。

著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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