水滸伝 15 折戟の章(集英社文庫 き 3-58)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 88
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  • / ISBN・EAN: 9784087462395

作品紹介・あらすじ

どの寨が崩れても、梁山泊は潰滅する。極限状況の中、各寨は必死の防戦をしていた。特に激しい攻撃に晒された流花寨は、花栄らが死を覚悟して闘い続ける。しかし、官の水軍の進攻が始まり、それも限界が近づいていた。一方、宣賛は起死回生の策を考え出す。密かに李応や索超、扈三娘を北京大名府に急行させた。梁山泊の命運を握る作戦が今、静かに始まる。北方水滸、危局の十五巻。

感想・レビュー・書評

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  • 。゚(゚´Д`゚)゚。
    ぶえ〜ん、もうやめてよ〜
    どんどん死ぬやん

    20万の大軍に追い詰められる梁山泊、次々と好漢たちが斃れて行く中、軍師宣賛は起死回生の策に打って出る!傷病兵や女子どもも動員された文字通り総力戦の第十五巻!梁山泊に明日はあるのか!

    というわけで、どんどん死にます
    ネタバレごめんやけど涙が追いつかないくらい次々死にます
    ほんともうやめてあげて!
    108人しかいないんやで!
    このペースで死んだら十九巻までもたんやないか!
    わいの計算だと十九巻の終りにはマイナス6人くらいになってまうやないか!(いや計算苦手か!)

    涙涙涙の中ですが、明るい希望も描かれています
    一つは第2世代の子どもたちがすくすく育っていること
    それはもうすくすく
    いやこんな漢たちの中で育ったらすくすく以外育ちようないわ!

    二つめはいよいよ『水滸伝』のスーパーアイドル一丈青扈三娘と、もてない男たちの希望の星王英さんが遂に結婚したってことです!

    そもそも『水滸伝』一番の見どころって二刀流の美少女剣士扈三娘をチビでブサイクで特別強くもなく、指揮能力が高いわけでも一芸に秀でてるわけでもない能力値ランキングでいうたら下位常連でただただ女好きの王英が押しの一手で口説き落とすところなわけです(諸説あり)
    まぁ王英許すまじ派の方が多数派かもしれんけどw

    しかしあれだ!王英さん新婚初夜に色々約束し過ぎや!分かる!分かるよ、なんか気持ちがわ~って盛り上がってさ、この女のためやったらなんでもやってやるみたいな気持ちになるのは
    でもそこは冷静にならなきゃダメなのよ
    出来ることと出来ないことはちゃんと見極めて約束しようマジで
    覚えてるからね!
    女は全部覚えてるからね!
    そんであの時のあれは嘘だったの!とか言って嘘泣きするからね!
    あいつら全員予知能力者だからね!
    完全に忘れてポカーンとなってるのをいいことに色々付け足してくるからね!
    負けないで王英さん!

    というわけで、今回の一〇八星ぜんぜん違うじゃん!のコーナーはもちろんこの人!

    第五十八位の好漢、地微星の矮脚虎(わいきゃくこ)王英です
    矮脚虎とは短足の虎という意味です
    ひどい渾名w

    梁山泊一のチビで短足、ブサイクです
    しかも弱い、そのくせとんでもない女好き
    敵将だった扈三娘にめっちゃ美人やん!という理由で一騎討ちを挑みますが、あっさり負けます
    しかも負け方がひどい、一騎討ち中に扈三娘にムラムラして負けるっていう
    笑えない、笑えないよ王英さん
    もちろん最初は相手にされませんが、宋江に間に入ってもらってなんとか結婚にこぎ着けその後は二人揃って戦場にでます
    しばらくおとなしくしてましたが、その後瓊英という美少女武将(なんと16歳)を見初めてまたしても戦いを挑みますがまたもやあっさり負けます
    すでに王英はこのときいいおっさん、もちろん扈三娘も健在です
    情けない、情けないよ王英さん

    だけども『北方水滸伝』の王英さんはめちゃくちゃカッコいいのよ!飛竜軍という闇の部隊の隊長を務め、扈三娘のピンチに颯爽と現れ三たび命を救うスーパーヒーローです
    なぜかいつも良い所にいるのはストーカーだからじゃね?と言えなくもないけど

    と、とにかくわいの大好きな王英さんをこんなにもカッコよく生まれ変わらせてくれた謙三アニキにありがとうと言いたい!
    Oh!Yeah!


    でも、カッコ悪い王英さんも好きなんだよな〜

    • ひまわりめろんさん
      こちらこそありがとうございます
      忘れるスピードはもっとすごいです
      こちらこそありがとうございます
      忘れるスピードはもっとすごいです
      2023/10/04
    • kuma0504さん
      宋軍とここまで対等にやりあえるまで成長してきたと言って良いのか、それとも未だここまでしかいっていないといって良いのか、という段階ですね。

      ...
      宋軍とここまで対等にやりあえるまで成長してきたと言って良いのか、それとも未だここまでしかいっていないといって良いのか、という段階ですね。

      それまではゲリラ的に一矢報いればOKという段階から、勝たなくてはいけないと、真からみんな思えるようになった頃なのかな。

      これはネタバレでも何でもなくて、水滸伝を始める時から歴史的にも物語的にも決められているので言いますが、初めから「負ける事が決まってる物語」なんです。「水滸伝」は。いや、水滸伝は、何でもありの物語だから、勝っても良いじゃないか、まぁそうなんですが、もしかしたら北方謙三は、最初の頃は勝っても良いじゃないか、と思っていたのかもしれない。でも、水滸伝5巻目くらいから手応えを得て、やはり原作通り負けさせようと決めたんだと思います。どう負けさせるか?だからこそ、楊令という男を作った。多分この頃は、どんどんどんどん成長している頃だと思いますが、本来の物語と並行して、楊令という異質物をも育ててゆく物語なんですよね。この構造が凄い。この頃は、全51巻の構想もおぼろげながら固まってきているんだと思います。

      ともかく、これから見事な負け方を堪能してください。誤解しないために言いますが、見事に負けるということは、日本代表の戦いがそうであるように、時々見事に勝つということでもある。そしてその後の逆転勝利に繋がるという事でもある。今から言うのは早すぎますが、こういう大河物語を読めたことを幸せに思います。>このコメントを読む皆さんへ。
      2023/10/05
    • ひまわりめろんさん
      自分は今読み進める中で『楊令伝』っどの段階から構想してたのかな?ってとっても気になっております
      この十五巻では恐らく楊令の仲間になるであろう...
      自分は今読み進める中で『楊令伝』っどの段階から構想してたのかな?ってとっても気になっております
      この十五巻では恐らく楊令の仲間になるであろう子どもたちがすくすく育っているので、完全に『楊令伝』ありきなんですが
      それと自分のように『楊令伝』があると分かって読むのと、リアルタイムで読んでるのではだいぶ感想も変わってくると思います
      もし『楊令伝』がないと思って読んでたらここはどういう受け止めしたかな?なんて想像しながら読んだりしてます

      どちらにしろ「凄い!」というなんのひねりもない感想に行き着いちゃうんですよ
      北方謙三アニキ凄い!
      2023/10/05
  • いきなりクライマックスのような戦闘シーンから始まり、停戦後の後半はクールダウン。「楊令伝」につながる伏線らしきものも色々張られる。扈三娘のエピソードは北方版らしいというか衝撃的⁈ではあった。

  • 危局の15巻。ひとまずしのいだけれど。
    感想です。

    呉用は冷たくなりきれないから、逆にみんなに冷たいと言われるのか、泣いちゃう
    66ページにして2人死んだ。10人とか死んだらどうしよう。。。

    …ここでメモを取るのを一旦諦めました。

    宋清、楽和、穆弘、李応、欧鵬、朱武
    梁山泊の豪傑達は仲間の死を受け入れ悲しみながらも前に進み続ける、私も一読者としてそうありたいと思っていた。けど、やっぱり無理みたい。悼ませて。

    宋清と楽和は守らなければいけないものを守り通した。宗清、ひとりの女を思い続けながら戦ったその志は異端なんかちゃうよ。立派な生き方でした。楽和が歌うところをもう見れないのが寂しくて、厳しい戦いの間で楽和が歌う姿が大好きだった、姿が見えなくても、本から音が聞こえなくても。
    穆弘は最後まで死なないと思ってた、どうしてかな、強くて、強くて、目玉を取り出してしまうくらいの男々しさがあるのに弟思い、家思いで。後もう少しだけタイミングがずれていれば。そうは思ってしまうけど穆弘は勝負に勝った。勝った上での死。こんなに尊い死に方は他にはない。
    李応、李応ーーーー!!!ずっと杜興に守られて生きて、やっと自分の意思で梁山泊に入った李応。でも最期は一番危ない役目に自分も名乗り出て、志を絶ってしまわないように生ききった。李応と杜興のコンビが大好きなの、杜興は悲しむけどもう大丈夫よね、きっと。だって二人の絆は死だけで破れるようなものじゃないでしょう。
    欧鵬、戦い抜いて、最期には花栄を守ろうとした姿に胸を打たれました。何より花栄の憤怒を見て「すげえもんを見た」って言って死ぬのって最高だな、と。最期まで守ろうとした人がめっちゃ強いの絶対嬉しい。
    朱武が最期に宿元景とやり合って動きを止めたから花栄が射止められたんよね。花栄に足りないものを自覚させて本物の隊長にしたのは紛れもない朱部やった。お疲れ様でした。

    李俊カッコいい李俊李俊李俊
    穆弘が趙安を殺せんかった代わりに李俊が!あーーー!!!!かっこいいーーー!!!!!!!
    水軍の戦いのドキドキっぷりは読んでて苦しかった。
    あと、顧大嫂が強すぎて笑っちまうくらいかっこよかったな。大胆綱渡り計画を考えた宣賛も堪らんかった……

    生きる者、死ぬ者、戦いを諦めない者、ちょっとのんびりしている者(魯達!)、本当にたくさんの人の志と気持ちと行動で勝利した戦い。失ったものは多いし、ここから先どうなることやらではあるけどまた立て直していく梁山泊を見るのが楽しみ。

    張横が張順一家のことを、順、敬、平って呼んでるの愛しすぎんか?

    楊令が石秀からもらった致死軍の刀を張平に貸すところで泣いてしまった。こうやって志と魂は受け継がれていく……

    最後に……
    王英×扈三娘、おめでとーーーーー!!!!!!!
    辛い中にもめでたいことはあるー!!!!!!!!
    子をなせーーーー!!!!!!!!!!!

    解説コーナー
    解説の方も仁義なき戦いの出演者を水滸伝でたとえようとしていて笑ってしまった。私はBTSで同じことをしているので。オタクはみんなそうするのかも。

  • ついに王英と扈三娘が!
    というわけでここまで読んできたみんなの胸が熱くなる展開ではないか。
    世の中では幼馴染の巨乳の美人とサイゼリヤに行ったというだけで叩かれるわけだが、こちらはブサイクにして短足、170cmもないから人権もないという男と、超美人とのペア、叩かれないわけにはいくまいが。でも料理とか苦手で肉まんをレンジでチンするだけだし、そこらへんは痛し痒しか。

  • 戦シーンが長くて脱落しそうになるも、やめられない。だって梁山泊ジュニアがかわいいのだよ。生涯ジャニーズファンの境地。楊令伝までいっちゃうか。

  • 前半はとにかく梁山泊の各拠点が攻められて、
    いっぱい主要キャラが死んでしまって切ない。
    李応の死に方とタイミングは個人的に意外。

    殺伐とした雰囲気の中、
    張清と鄒淵のやりとりは一種の清涼剤だった。

    戦闘後は楊令と張平の現在を挟んで
    様々な梁山泊メンバーにスポットがあたる。
    死者も大概多いけど、まだまだ梁山泊メンバー大勢いるなと感じる。

  • 穆弘と楽和が死んでしまってとても悲しい巻。
    他にも好漢が次々に命を落としていって切ないけれども、負傷から立ち直る人もいたりしていろんな人生が織り交ざっているなと思いました。
    欧鵬の花栄を守って死んでいくシーンはすごく印象的。

    そして、楊令がめっちゃ成長してるし、張平はめっちゃいい子だしで次世代の成長がとても楽しみにもなりました。

  • あ、、、、、、

    息吸うの忘れてた、、、、

    ってくらいの激戦中。


    あぁ、、、、どうなる梁山泊、、、、、


    あと4巻、きっとここまま手に汗握る戦いが繰り広げられるかと思うと、、、、、
    読みたいような、読みたくないような。
    気になるけど、終わらせたくないような。

    そんな複雑な心境です。


    #水滸伝
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    #北方謙三
    #ハマりまくる
    #逃げ出せない
    #息吸うの忘れた
    #夢中
    #危ない
    #やばい
    #どうなるの!?
    #戦

  • あの夫婦いつ別れるか賭けようぜ。ってゲスいお話し

  • 2021.12.19
    王英と扈三娘のラブが嬉しい。
    やっぱ自分はそういうの好きなんだなぁ

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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