銭売り賽蔵 (集英社文庫 や 41-1)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 236
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462418

感想・レビュー・書評

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  • 義理と人情と心意気、
    まっとうな商売と高いこころざし。
    今の時代にも通ずるものがあることを
    あらためて思い知らされた。
    山本一力作品は
    自らの生き方を問い直す
    いい機会を与えてくれる。
    迷った時に読み返したい
    バイブル的な一冊だ…。

  • R2.4.28~R2.5.6

    (きっかけ)
    古本100円。初山本一力氏。

    (あらすじ)
    金貨や銀貨を、町民の間で使われる文銭に両替する銭売り。深川でまっとうに商売をする賽蔵たちに対抗して、亀戸にあらたに銭座が開かれることになった。権力を盾にあらゆる手を使い、深川に食い込もうとする亀戸……。真摯に得意先に向き合う賽蔵、そしてその気概に応える大店の主人や仲間たち。商売とは、人と人とのつながりとは、思いやりの心とは……、しみじみと現代人に問いかける時代長編。

    (感想)
    初山本一力氏。お噂はかねがね…とページを開く。
    最終的には、おしい、といった感想。
    テーマはとても面白く、今まで藤沢周平を何冊も読んできましたが、まったく知らない江戸時代の下町のようすが描き出されていました。
    一介の銭売り賽蔵が1年間でとんとん拍子に出世していく様は読んでいて溜飲がさがる思いですが、うらはらにご都合主義だと感じました。もっと失敗を繰り返して何年もかけて成長してもよかったのでは…。
    上下二巻でじっくり読んでみたい一冊でした。

  • 2019.5.2(木)¥250(-20%)+税。
    2019.6.9(日)。

  • 銭を売るという、江戸時代特有の職業。
    男気、人情味に溢れ、誰からも慕われる賽蔵。
    山本一力の筆によって、魅力的な人物に仕上がっている。
    江戸深川の街並みが、まるで目の前に広がっているかのように臨場感溢れる文章。
    山本一力の筆力に脱帽してしまった。

  • 山本一力の真骨頂とも言える深川を舞台とした長編でしたが、本作は銭売りの頭である賽蔵を主人公にした銭売りを通した礼節をふまえ真摯に仲間や相手に向き合う賽蔵の姿勢がよく、それに応える人たちの粋な姿や人情味の厚い深川の人たちの目に見えない絆がいい感じで描かれています!
    凄い登場人物は、己が認めた相手には、身分関係なく素直にリスペクトして相手を称えるところが人間としての深みを見ました。
    また、長年の恋を成就させ賽蔵の女房となるおけいも商売人としてしっかりとした眼力も持って、賽蔵を健気に支えつつも、さりげなく賽蔵が至らないところを指摘するところも良かったです!

  • 2013/05/29読み始め2013/06/06

  • 「真っ当に商売をする」ということが希望に見えたのは、
    裏返せば今の世の中が真っ当ではない表れか。
    今日の夕刊(読売新聞)1面に、世界初の量販店としての
    『越後屋』が取り上げられていて、読み終えたばかりの
    この小説が、夢物語ではないと思われた。

    夕食はサバにしました。

  • 一力だ

  • 初めての一力作品。
    深川の義理人情があふれる情景が文から浮き出て来る。
    人物を描きながらも全体をみれば町を描いているような感じ。

  • 「いつもの」山本作品。
    深川人の人情、心意気がこの作品からもよくわかる。
    粋で男らしい登場人物は、相変わらずスカッとさせられる。
    最後まで気持ちよく読めた。

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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