水滸伝 16 馳驟の章 (集英社文庫 き 3-59)

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  • 集英社
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  • / ISBN・EAN: 9784087462517

作品紹介・あらすじ

梁山泊は戦によって、潰滅寸前にまで追い込まれていた。回復の時を稼ぐため、侯健と戴宗が偽の講和案を持って高〓(きゅう)に近づく。また、晁蓋を殺した史文恭が再び動き出した。名を変え、商人になりすまし、次なる標的のそばで暗殺の機を待ち続けている。それに対し、公孫勝は袁明の首を狙っていた。堅牢な守りをかいくぐり、いま、致死軍が青蓮寺を急襲する。北方水滸、暗闘の十六巻。

感想・レビュー・書評

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  • お久しぶりの『水滸伝』は王英さんの浮気がバレる第十六巻

    逃げます
    王英さん脱兎のごとく逃げます
    そして近付けません
    仕事に打ち込みます
    なんの解決にもならんのに距離置きます

    情けない!(´Д⊂グスン
    せっかく北方のアニキによって生まれ変わったはずなのに!
    ぜんぜんダメやん王英さん
    もうある意味男の中の男や
    ま、だいたいこういうとき男ってとりあえず逃げるよねw

    はい、今回は夫婦の巻でしたね
    王英×扈三娘の他にも、秦明×公淑、裴宣×孫二娘、孫新×顧大嫂、孫立×楽大娘子と五組の夫婦が登場
    それぞれの想い、それぞれの関係、それぞれの結末、それぞれの未来を見せてくれます

    考えてみると夫婦って不思議な関係だよね〜
    なんていうかその関係性ってほんと同じなのは一つもないというか、なんなん?なんなん夫婦って!

    そして前巻での大きな戦の後、傷ついた両陣営が回復にあてる静かな巻のはずが…もう死ぬやん、双方どんどん死ぬやん、もう!
    そしてそして最終盤に関わらず、またまたとんでもない魅力的な敵も登場して楽しみが過ぎるわ!

    あと今巻はなんと解説が吉川晃司なのよ!
    この解説がまたすんばらしいのよ!解説だけでも一読の価値あり!

    はい、一〇八星ぜんぜん”違わない”じゃん!のコーナー!

    今回は梁山泊第百位の地数星、渾名は小尉遅(しょううつち)の孫新と第百一位地陰星、 渾名は母大虫(ぼだいちゅう)の顧大嫂の夫婦です

    少尉遅は兄の孫立と共に鉄鞭を使って戦ったことから、唐代の武将で鉄鞭の使い手である尉遅敬徳(尉遅恭)になぞらえて付けられました
    母大虫の方は雌の虎という意味で、二三十人の男を相手にしても引けをとらない女傑で、奥さんの顧大嫂のほうがだいぶ強いです

    そしてオリジナルでは後先考えずに突っ走る顧大嫂を孫新が抑えるという関係性
    二人で酒屋を営んだり、敵陣に潜入しての諜報活動など『北方水滸伝』でも同じような役回りですね

    何より、二人はオリジナルでも作中一番のおしどり夫婦なんです
    『北方水滸伝』でも互いに深く深く愛し合ってるのが見えて、もう好感しかない
    互いが互いを良く理解していて、一番に思っていて、尊敬し合っている
    そして相手以外は考えたこともない、目に入らないっていう理想の夫婦関係
    『水滸伝』のベストカッポー!

    • ひまわりめろんさん
      (≧∇≦)b
      (≧∇≦)b
      2023/10/19
    • kuma0504さん
      やっとこの展開話せる!
      いいでしょ、こういう浮気の結末!
      私は美女2人に子供を産ませるなんて、到底できないので他人事なんで、楽しむしかない!...
      やっとこの展開話せる!
      いいでしょ、こういう浮気の結末!
      私は美女2人に子供を産ませるなんて、到底できないので他人事なんで、楽しむしかない!
      しかも2人の子供が結局‥‥は、これ以上はネタバレか。
      2023/10/25
    • ひまわりめろんさん
      なんか間開きすぎてすみませんw

      ほんとにね〜
      扈三娘だけで十分大ホームランやないかい!我慢せい!とも思うんだけど分かるちょっと分かる
      なん...
      なんか間開きすぎてすみませんw

      ほんとにね〜
      扈三娘だけで十分大ホームランやないかい!我慢せい!とも思うんだけど分かるちょっと分かる
      なんか出来過ぎちゃって恐くなって自分で壊しちゃうのね

      そして自分も含めた全男性にこれだけは言っておきたい「こういうことは時間が解決……………しませんよ!」
      2023/10/25
  • もう16巻まで来てしまった。最終決戦に向けていろんな場所で少しずつ動き出していく巻。

    秦容をおひざに!座らせてる!パパ秦明!!!!!ちょっと!!!!!!甘味屋開けるんとちゃいますか!!!!!!!!!

    ジュニアたちが確実に育っていく、志が、魂が引き継がれていく
    郝思文→息子「おまえは、私の誇りだ。」
    純粋な一文が心に沁みる。
    親子とは良いものだ。
    ……子をなせーーーー!!!!!!!
    (扈三娘オメデトウ)(孫ニ娘ファイティン)

    くっそおおおおお史文恭!!!!
    くそがあああああああ
    扈三娘、不倫現場に乗り込んできたの恐ろしすぎてわろた童貫よりこっちのが全然怖い
    史文恭、、、、クソが、、、酷い死に方をすればいい、、、クソが、、、、、、、誰が殺す?史文恭のことを。孫ニ娘が殺してくれ、頼むから、クソが、、、、、
    喜びと悲しみは同量の場合もあれば悲しみが多い場合もある。孫ニ娘は可哀想やけど。
    劉唐が殺せたんは良かったけど、クソが!クソがー!!!!!!!!!!んにゃろーーー!!!裴宣ーー!!!!柴進ーーー!!!!がーー!

    孫立一家、どこかつれないなとは思っていたけど……キツかった、普通に人が死ぬよりも、キツかった、でもこれも人の姿か、、、

    ごめんなさい嘘です扈三娘より童貫の方が怖いです。
    ほんの数ページで童貫の戰の恐ろしさが嫌というほど分かった、今までよりも更に苦戦の予感。

    我が推し燕青と洪清という最高の体術使い同士の戦いが見れた。やっぱり。読みたかったものを読ませてくれるのありがたすぎる、読む前に深呼吸したもん。
    礼儀正しい燕青ほんまに心の底から推せるお願いしなんとって〜〜( ; ; )
    袁明「いい国を目指せ、公孫勝。梁山泊が、そうやって闘えば、宋もまたいい国になる」

    李師師一体何者?!?!頭のキレる女ほど怖いもんないぞ?!?!女はやはり強い、孫ニ娘も顧大嫂も。顧大嫂の悲しみの乗り越え方が理想的だった。悲しみも含めて孫新との思い出は全て自分だけのものだって。自分だけの悲しみを大事なものだとも。経験も感情も全て自分の糧にして生きているからこんなに強くてカッコいいんやろうな。いいな、なんか。

    解説コーナー
    まさかの吉川晃司!!!!!!笑
    文章が熱い!!!!北方謙三に負けへんくらいの熱さ!!!
    「ロックンローラーだから宋江を好きとは書けない。宋江にロックわかると思うかい?」
    笑笑
    多分わからんと思う!!!!!!!!!!笑
    でも「中々良いものだな」とか言いそう!!!笑
    絶対2回目は聴かんけど!!!!!笑

    本当に、こんなに楽しい解説コーナー初めてですわ。
    次は大詰めの17巻、私は負けない!

  • 大きな戦はない。梁山泊と青蓮寺の暗闘がメイン。それでも次々死者が出る。しかも扇情的な謀略にはまっての無様な死とか…北方さん、容赦ない。やられたらやり返す暗殺合戦、壮絶な一騎打ち、ラスボスとのファーストコンタクト…後半は読みどころ満載。残りあと3巻、徐々に最終決戦に近づきつつある流れに心がざわつく。

  • 16巻にして遂に
    禁軍のラスボス
    童貫が動き出した。

    童貫軍の精強さに
    九紋龍史進も心折られる。
    今後梁山泊は
    いかにしてこの軍と
    対峙していくのか。

    そして久々の致死軍
    公孫勝登場

    と、その前に
    燕青!!!
    洪清倒しちゃったよ!!
    この二人の決闘は
    ハリウッドの映画を
    見てるかのように
    鮮やかに脳内リプレイ
    二人の息遣いさえ聞こえてくる

    そして公孫勝が狙いを定めたのは
    青蓮寺のトップ袁明

    いい国を目指せ、公孫勝。
    梁山泊が、そうやって闘えば、
    宋もまたいい国になる。

    死ぬ間際に
    公孫勝に言い放つ袁明

    どれだけ宋のこと考えて生きてきたんだよ
    またも泣いてしまった。

    青蓮寺と梁山泊
    敵として対峙しているが
    双方に国の行く末を本気で案じた男たちがいた。

    16巻、めちゃくちゃおもしろかったです。
    さて、残り3冊。
    どんな展開が待ち受けているのか。

  • 今回はかなり盛り上がってるよー。アゲアゲです。
    まずはみんな大好き王英さんから、こんかいもやらかしてくれて期待に応えます。ほんとどーしよーもねーな感がすごい。騙される扈三娘もホント箱入り娘っていうか。こんなありがちな展開もまた良いではないか。
    まぁこれはオマケかもしれんけど、他にも大物どうしの戦いがてんこ盛りでオールスタースマッシュブラザーズ的なワクワク感があってね。
    次回もお楽しみに!

  • 2021.12.22
    王英どうすんだろ…
    李逵が癒し。
    吉川晃司おもしろいわ。

  • 4.4

    デカ戦後の復旧と諜報戦。だけだと思ったけど後半がエーーグ過ぎる。
    色んな場所で怒涛の展開が起きまくった。

    ・童貫との野戦
    圧倒的な強さを持つ敵でありながら、童貫と鄷美・畢勝の関係はどこか好感も持てる。斥候の口が震えてたけど、読んでるだけでそれに近いものを童貫に感じた。

    ・致死軍vs青蓮寺
    初めての公孫勝目線だと思ったらいきなりの大仕事。お互いへのリスペクトが込められた袁明との最後の語り合いに痺れた。思わず袁明好きになりそうだった。燕青vs洪清の体術最強同士の戦いも激アツだし。

    ・李師師と帝の登場
    公孫勝が名を出してたからなおさらその登場に驚いた。知らないが故に何より不気味すぎるし、只者じゃなさそうすぎる。ただならぬ恐怖を感じた。帝はちゃんと一人称が朕(ちん)だし。

    ・吉川晃司
    文芸なんてクソ食らえとは言ってるけどすげえ良い熱い文だった。人間味も分かるし。爆笑しながら読めるあとがきってあんま無いよね。最高だよあんた、って言いたい彼に。

    この喜怒哀楽のどれにも当てはまらない展開は過去一のそれ。ますます底が知れないぞこの作品。

  • 浪子燕青の激闘に興奮し、梁山泊の女傑2人の飲み会に強制参加させられた2人の微妙な人選に苦笑いされられた16巻目。
    ただ、やはり多くの死が描かれる中で作中に漂う暗い雰囲気が堪りません。
    でも読まざるを得ないのが辛い…。

  • 今回は、これまであまりフューチャーされてこなかった、顧大嫂や孫二娘の話が描かれていてけっこう切なかった。二人とも愛した旦那、孫新、裴宣(孫二娘にとっては張青が死んでからの再婚相手)が死んでしまうんだけども、胸の中に悲しみを抱えながらも梁山泊で働いていこうとする姿には女の弱さの中の強さを見せつけられた気がしました。これまで、水滸伝では男の弱さ、強さをたくさん見てきていた分、女の人の話が出てくるとはっとさせられます。
    梁山泊では、顧大嫂達の話がありましたが、それと対になるように青蓮寺では新たな李師師という女の人が出てきて梁山泊の新たな脅威になりそうな予感に、とても怖くなりドギマギしました。

    16巻はやはり死んでゆく梁山泊メンバーもいましたが、青蓮寺も袁明という大きな存在を無くしてしまい、一進一退な感じでした。でもその裏で着々と童貫が戦の準備をしていて、これまた最終決戦が始まりそうな空気に次巻が楽しみになりつつも、もうこれ以上戦わないで、という切ない気持ちになりました。

  • 袁明けっこう好きだった

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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