二十億光年の孤独 (集英社文庫)

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レビュー : 210
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462685

感想・レビュー・書評

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  • 詩の中に入り込もうとしないで、絵を見るように少し離れたところから眺めてみた。
    近付こうとしてもなかなか近付けないからアプローチの方法を変えて。

    時々、しっくりと馴染む言葉があった。
    あ、分かるな、と。
    時々、私が使っている言葉と違うと感じる言葉があった。
    知っているはずなのに、知らない感触。

    詩を読むのはたぶん苦手。
    でもたぶん好きなんだと思う。
    読んでいる時の静寂とか、思わぬ言葉に会えた時の驚きが。

    手書きのノートが素敵。
    全部ノートが良かったな。

  • これが今から半世紀以上前に、自分の祖父よりも年配の人が書いた詩だとは、とても思われない。この詩集から受ける作者の印象は、良くも悪くも世間に頓着しない、育ちの良い青年といったところだ。中性的というよりは無性的な、童話めいた世界観はどこかユーモラスで、時に可愛らしくすらある。まったく、世の中が朝鮮戦争特需やマルクス主義革命などで騒然としていた時に、火星人の生活に思いを馳せ、それを

    (或はネリリし キルルし ハララしているか)

    などと表現してしまう青年が、地球の男に飽きた女たちに愛されなかった筈がない。もっとも、社会の中心にいた男たちとの心の距離は、二十億光年程度では済まなかっただろう。20世紀の日本において、たぶん谷川氏は地球人より、むしろ火星人寄りであった。それは、次のようなフレーズからも明らかである。

    万有引力とは
    ひき合う孤独の力である

    こんなふうに、地球の科学体系を超越した宇宙的公理をサラリと書いてしまうのは、谷川氏が別の惑星からやって来た異星人だからに違いない。地球にひとりぼっちの異星人が故郷を偲んで書いたものだとすれば、この詩集の突然変異的な斬新さも、孤独という割には人間関係に全く拘泥していない感じも、いくらか納得いくのである。

    二十億光年の孤独に
    僕は思わずくしゃみをした

    世間知らずの青年のフリをした異星人は、今や世間知らずの老人のフリをした異星人として、現役で地球を侵略中である。最も効率的なやり方は子どもたちを洗脳することだと知っている彼は、絵本や教科書にたびたび登場し、その難解な宇宙語を通して、地球人の頭を柔らかくするプロジェクトを完遂しようとしている。……

  • ナツイチの宇宙のブックカバーと合わせて読もう!と思って購入。
    詩は普段あまり読まないのですが・・・

    淡々と静かに書かれているように見えるけど、きれいだったり激しかったり、優しかったり、怖かったり、過去や未来、現実、地球、宇宙・・・いろんな温度と空間を感じられる詩集でした。

    やっぱり教科書に載っていた「二十億光年の孤独」が一番好きです。
    谷川俊太郎さんの字がとてもかわいらしかったです。

    • yamatamiさん
      nyancomaruさん、コメントと花丸をありがとうございます!

      言葉の力強さ…!本当にそう思います。いろいろと感じるものもありますが...
      nyancomaruさん、コメントと花丸をありがとうございます!

      言葉の力強さ…!本当にそう思います。いろいろと感じるものもありますが、一貫して言葉の力強さを感じられました。すごく腑に落ちました。
      ありがとうございます…!
      2014/04/02
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      谷川俊太郎の、気が遠くなるような詩も好きですが、長田弘の、とっても身近でありながら、見逃してしまっているような詩も好きです。
      谷川俊太郎の、気が遠くなるような詩も好きですが、長田弘の、とっても身近でありながら、見逃してしまっているような詩も好きです。
      2014/04/07
    • yamatamiさん
      nyancomaruさん、こんにちは!
      長田弘さん…読んだことがありませんでした。
      図書館でチェックしてみます!
      気になる作家さんが増...
      nyancomaruさん、こんにちは!
      長田弘さん…読んだことがありませんでした。
      図書館でチェックしてみます!
      気になる作家さんが増えて嬉しいです(^-^)
      2014/04/07
  • 書かずにはいられなかったのだろう。
    好きで好きでしかたなかったり、だれかに評価されたかったわけではなく。

    1輪の本当のバラは沈黙しているだがその沈黙は、バラについてのリルケのいかなる詩句にも増して、私を慰める。言葉とは本来そのような貧しさに住むものではないか。バラについてのすべての言葉は、1連の本当のバラの沈黙のためにあるのだ。言葉はバラを指し示し、呼び、我々にバラを思い出させる。それはまた時に我々により深くバラを知らしめ、より深く我々とバラを結ぶ。だが言葉自身は決してバラそのものになることができない。まして、それを超えることができない。言葉はむしろ常に我々をあの本当のバラの沈黙に帰すためにあるのではないだろうか。

  • 詩の価値の一つは空白というか想像力が介入する余地が無限にあることな気がした

  • 谷川俊太郎の詩をことばにたとえるとすると、“無垢なる知性”ということばが浮かんだ。

    詩全体を俯瞰して感じることは、純然たる世界への興味、宇宙と生への憧憬、新しき発見への感動、、そしてそれらを一度、自分の身体で濾し、ことばとして紡ぐ。それは、なにか作品を生み出すというよりは、“息をすること”とか“信仰すること”に近いとさえ、感ぜられる。

    谷川氏のことばは、まるで空から降りきたもののように(空から降る雨や雪にたいして、なぜ?を問わないように)わたしの身体にすっと入ってくる。

    ページの余白に漂う響きが心地よい。つい音読してしまいたくなる。これが詩の力かと、ドキドキしながら新しい出会いを愉しむ。


    お気に入りは
    『祈り』
    『ネロ』

  • 美しく、鋭く、優しい言葉たち。

  • 彼の景色を胸一杯に吸い込んだ。

  • 谷川俊太郎のデビューとなった詩集の文庫版。後半には氏の自伝や自筆ノートもあり、すばらしい詩だけでなく、その背景までもが詰まった手元に置いておきたい一冊。

  • 20180227読了。
    『谷川俊太郎詩選集3』で自分の読めなささ(理解できないこと・読み込めないこと)に落胆していたのだが、こちらはとても読みやすかった。解説・先生のエッセイも面白い。私はこっちの詩集が好きだなぁ。

著者プロフィール

谷川俊太郎(たにがわ しゅんたろう)
1931年、東京生まれ。父に、哲学者・谷川徹三。現在の東京都立豊多摩高等学校を卒業し、1948年頃から詩作の活動を開始。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』出版。以後詩、エッセー、脚本、翻訳などの分野で多岐に渡る活躍を続けている。
翻訳については、ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』や『スイミー』、ゴフスタインの絵本の数多くを手がける。詩集に『ことばあそびうた』、『みみをすます』、『日々の地図』、『はだか』、 『世間知ラズ』など、エッセー集に『散文』、『ひとり暮らし』、絵本に『わたし』『ともだち』『もこ もこもこ』、詩集に『シャガールと木の葉』、『すき』、『詩の本』、『トロムソコラージュ』など。
萩原朔太郎賞、鮎川信夫賞、三好達治賞、朝日賞など多くの受賞歴がある。

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