二十億光年の孤独 (集英社文庫)

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レビュー : 210
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462685

感想・レビュー・書評

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  • 説明するまでもないあの谷川俊太郎氏の、デビュー当時(二十歳前後)の作品を集めた詩集。
    みずみずしく豊かな感性にあふれている。言葉のつかい方が素晴らしく、のびのびとした表現に満ちていて、読み手に宇宙の深淵すら感じさせる。

    中でも、表題作の『二十億光年の孤独』は本当に素晴らしい。
    「万有引力とは ひき合う孤独の力である
    宇宙はひずんでいる それ故みんなはもとめ合う」
    存在の根源的な孤独を、宇宙の広さで表現する。自分自身が満点の星空を見上げながら感じた気持ちを思い出して、胸が震えた。

    少年(あるいは青年)は、その透徹した目でもって、自己の内面と正面から向き合い、言葉でもって自身と自然とを結びつけているようにさえ感じる。
    だからこそ、解説にもあるように、ひとりを描いているのに暗さをまったく感じさせない。さびしさを感じるのに悲しくはならない。
    それは、言葉でもって自分と超自然的なものとが1対1で結ばれているような、そんな感覚になるからなのではないかと思う。

    この凛とした、透明な、静かな命の煌き。これこそ、小説であれ詩であれ、私が「言葉」に求めることに他ならない。
    凄い詩集に出逢ってしまった。



    蛇足ではあるが、本書の私にとっての良さは、詩そのものはもちろんのこと、先に挙げた山田氏の解説や、谷川さん自身が自身と詩作について述べている部分も本当に素晴らしい(この気持ちを表現する語彙力がないのが悔やまれる・・・)ことだ。
    印象に残った部分として、一篇のバラの詩についてのエピソードがある。著者が「どんな詩の中のバラだって、本当のバラにははるかに及ばない」と言ったのに対し、より年長の詩人が「それでは詩を書く意味がないではないか」と言ったことで、詩観の相違に気づいた、という場面がある。
    言葉には限界があり、すべての言葉は「本当のバラの沈黙」のためにある。言い換えると、言葉は本物と私たちを結びつけ、時により深く本物を知らしめるためにある―この著者の詩観は、私が今まで感じていた言葉というものに対する疑いやもやもやを氷解させてくれたのである。

    レビュー全文
    http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-504.html

  • タイトルがもうひたすらに
    愛おしく、神秘的なまでに
    美しい一冊。

    ジャケ買いというか、
    もうタイトル買い。

    二十億光年の孤独

    ときどき
    ふらっと思いだして
    手に取る詩集。

    二十億光年の孤独

    きっといつまでも
    大切な詩集。

    お墓に持って入りたい一冊


    読むのにかかった時間:1時間

    こんな方にオススメ:孤独が辛い太陽系第三惑星にお住みの方

  • オススメです。
    言葉が好きな人はぜひ読んでください。
    背表紙から読むと、英語翻訳版ものせてくれています。

  • 家の本棚にあったので再読しました。

    まず、巻頭の三好達治さんの
    「はるかな国から」序にかへて
    がすばらしいです。
    ああ、すごい若者が現れたんだな。というのがよくわかります。
    「わたくしは」
    もなんかいいですね。
    「運命について」
    なんだか映像が、コマ送りでみえる気がします。
    「春」
    のどかな中にドキッとする描写もあります。
    「周囲」
    自分がちっぽけなんだけど、存在はしています。
    「はる」
    とても無垢です。
    「演奏」
    ピアノが鳴って空を飛んでいるのがみえるようです。

    あとがきのあとに載っている、「私はこのように詩をつくる」も面白かった。
    「ネロ」という犬の詩をどのようにつくったかが記されています。
    巻末は、W・I・エリオット氏による詩の英訳がついています。
    解説で、山田馨さんが『二十億光年の孤独』の少年像は絶対の孤独感という眼鏡をかけた、あの少年にしか書けなかった世界だと思うと結んでおられます。

  • 素朴な言葉で綴られた生きる喜びと孤独(ひとりぼっちではない)の感覚が心に突き刺さった。ただ、自分の想像力がなくて一つ一つを読むのが難しい。
    あとに収録されていたエピソードも、図版や文章の断片に魂がこもっていて心を打つものであった。

  • 連綿と続いている時間と空間の中に湿度を持ったヒトとしてぽつんと存在しているということを興奮も悲嘆もなくただ、そのまま受け入れるとうもの凄いことをやってのけている、18歳の詩と文。

    いい加減大人になって、初めてまともに氏の詩を読もうと入門で読んだけど、久々に文章で「ここじゃないどこか」へ連れて行ってもらいました。
    近作もちゃんと読もう。
    自分の標を探している今読めて良かった。
    装丁も美しく、巻末の自筆の詩が数本掲載されているのをみながら、毎日ノートに言葉を書き付けていた男の子を想います。
    大好き。

  • 1950年に、18歳だった谷川氏が書いたものだということにただただ衝撃を覚える。自伝風の断片も良かった。

  • 読書再開のきっかけになった本。

    私が本を読むのは「何か自分が共感できるものを求めているとき」っていうのがあるのだけど、この本はいろいろ共感できることが多い。

    特に好きなのは

    生長
    わたくしは
    かなしみ
    地球があんまり荒れる日には
    はる

    最後の方についている手書きの詩がまたいい。

  • 心の旅が出来る一冊、癒されます。

  • 孤独な青年詩人と世界、そして宇宙との間で縁取られた美しい言葉たち。

著者プロフィール

谷川俊太郎(たにがわ しゅんたろう)
1931年、東京生まれ。父に、哲学者・谷川徹三。現在の東京都立豊多摩高等学校を卒業し、1948年頃から詩作の活動を開始。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』出版。以後詩、エッセー、脚本、翻訳などの分野で多岐に渡る活躍を続けている。
翻訳については、ジーン・ウェブスター『あしながおじさん』や『スイミー』、ゴフスタインの絵本の数多くを手がける。詩集に『ことばあそびうた』、『みみをすます』、『日々の地図』、『はだか』、 『世間知ラズ』など、エッセー集に『散文』、『ひとり暮らし』、絵本に『わたし』『ともだち』『もこ もこもこ』、詩集に『シャガールと木の葉』、『すき』、『詩の本』、『トロムソコラージュ』など。
萩原朔太郎賞、鮎川信夫賞、三好達治賞、朝日賞など多くの受賞歴がある。

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