- 本 ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087462876
作品紹介・あらすじ
明るく、楽しく、懐かしく。平成下町大家族小説
東京下町で古書店を営む堀田さん家は、今は珍しき8人の大家族。それも各自各様の超個性派ばかり。ご近所の不思議な人々が加わり、日々事件が巻き起こる。今日は一体何が始まる? (解説/百々典孝)
感想・レビュー・書評
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R2.5.12 読了。
東京の下町の老舗の古本屋「東京バンドワゴン」。堀田家は4世代同居であり、家族が共有する家訓あり。なんとなく昭和の香りがします。そして話の進行役は三代目の奥様のサチさん。サチさんは成仏できないユウレイという立場で家族を温かく見守っています。
時々仏間で霊感が強い(?)孫の紺さんとお話しされているのも微笑ましい。また伝説のロッカーの我南人さんが良い味を出しています。
ひと癖もふた癖もある面々が一つ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎな展開から目が離せません。
すっかり魅了されてしまいました。早く続編が読みたい。
・「自分の思う通りにするっていうのも、若い人の特権よね。それを認めてあげるっていうのも年寄りの度量よね。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なにこの読みながら「優しい語り」が沁みてくる雰囲気は‥。って、当たり前か‥語り部が死んだばあちゃん! もう、これだけで引き込まれます。
舞台は下町で築70年の日本家屋の古本屋<東京バンドワゴン>(カフェ併設)、堀田家は8人の大家族‥、なるほど賑やかで温かそう。本シリーズが第19作(2024現在)まで続き、いかに愛されている作品なのかの証左ですね。
全てを俯瞰したばあちゃんの眼差しは、情景を見渡せる"神の視点"です。時に手厳しくも贔屓目で愛があり、半ば諦めながらも、個性豊かな堀田家面々の行く末を優しく見守っています。このばあちゃんの語りを、ずーっと聴いていたくなります。
また、春・夏・秋・冬の4篇からなり、各編にミステリーほどではないにせよ、ちょっとした謎(問題)が持ち上がり、皆んなが関わりながら人情話が展開されるのも特徴的で、魅力になっている気がします。大家族ならではの賑やかさを至る所で感じますが、ドタバタ感の騒々しさや煩さではない、おおらかさがあります。
本作シリーズがこれだけ長く続き支持されているのは、人間関係の難しさが進む世情の裏返しなのでしょうか‥。
人との関わりに飢えている人、人との関わりで悩んでいる人にとっては、眩しいくらいの堀田家。その一員になりたい!と思わせてくれるような、魅力満載のシリーズ幕開け作品でした。-
2024/06/23
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こんにちは♪ コメントありがとうございます!
このシリーズ、続けて読まれているんですね。
分かる気がしました。癒しをくれますね(^^)こんにちは♪ コメントありがとうございます!
このシリーズ、続けて読まれているんですね。
分かる気がしました。癒しをくれますね(^^)2024/06/23
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この本の最後のページに書いてあった言葉
「あの頃、たくさんの涙と笑いを
お茶の間に届けてくれたテレビドラマへ。」
もう感想は、これに尽きますね。
記憶の彼方にあった忘れたくなかったものを、思い出させてくれた気がしました。 -
〈東京バンドワゴン〉は、東京下町にある築70年にもなる日本家屋の古本屋。
隣ではカフェを営んでいる、8人の大家族のお話です。
語り手の堀田サチは、76歳でこの世を去っていて、空の上から家族みんなを見守っています。
サチさんの柔らかな語り口が、とても心地よく耳に馴染みます。
ひとつ屋根の下に住む堀田家の人たちは、一癖も二癖もありそうな個性的な面々で、にぎやかな家族構成を頭の中で整理しながら読みました。
朝の食卓では、あちこちで複数の会話が飛び交っていて、まるで昭和のホームドラマを見ているよう。
ふだんは家にいない、60歳の「伝説のロッカー」サチさんの一人息子、金髪の我南人が、いい味出してます。
堀田家ではいつも何かしら事件が起こるのですが、悪人が一人も出てこないし、家族も近所の人たちも、みんなが愛に溢れていて、次々と難問を解決していきます。
まだまだ面白いことが起こりそう。
堀田家の一年間を、これからぼちぼち楽しんでいこうと思います。 -
昭和の時代のホームドラマを観ているかのような作品。
本当に面白くって、すっかり物語の世界に入り込んでいました。
東京下町にある「東京バンドワゴン」は明治から続く古本屋。4世代同居の大家族である堀田家は、毎日ガヤガヤと楽しそう。
古本屋にはカフェも併設していて、もう夢のような場所です。
この物語の語り手は、堀田家おばあちゃんのサチさん。2年前に76才で死去した幽霊で、空の上から家族を見守っている。
サチさんの優しい語りによって、騒がしい物語がほんわかと進んでいく。
読み始め数頁は、人気作品みたいだけど、自分はハマらないかなぁ、なんて感じてました。
ところが、あっという間にこの下町の住人になっている自分(笑)
文章を読んでいるのに、音も聞こえるし、風景や人物が映像で見える不思議。
本当に楽しい時間でした。
シリーズ全部読みたいです。 -
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すみません。
チョット間違いがありました。
「編」の文字がひとつ多かったし
「謎解きのような面」の後に「の」の字が付いちゃいました。
失礼!すみません。
チョット間違いがありました。
「編」の文字がひとつ多かったし
「謎解きのような面」の後に「の」の字が付いちゃいました。
失礼!2021/04/30 -
かわぞえさん、コメントありがとうございます。ちょっとしたミステリー要素もおもしろいですよね。妻も次からはビートルズの歌が出てくると言っていま...かわぞえさん、コメントありがとうございます。ちょっとしたミステリー要素もおもしろいですよね。妻も次からはビートルズの歌が出てくると言っていました。これも楽しみです。2021/04/30
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2021/05/02
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LOVEが全てなんだよね。我南人さん格好良すぎる。
語り口調が親しみ深いと思ったらこのお家のおばあちゃん。
暖かくて良い話だったけど登場人物が多すぎて…! -
久々に、
小説を読んで大笑いしました♪
東京バンドワゴン、
名前は存じてましたが、
今まで手に取ったことがなく。
こんなに愉快なお話とは!
ほのぼの一家にみえて、
人生のほろ苦さを知っている人たち。
だから、みんな優しいのね。
続きもこれから読んでいきます!
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家族大勢で囲む食卓。いいですね♪
茶碗や箸がカチカチと忙しく鳴り響くリズムに
幾つもの会話が同時に歌いだす賑やかさは
なんとも心地のいい騒音。和みます。
"東京バンドワゴン"という名の古本屋さんの
昭和の香りを醸し出す大家族の日々の暮らしが
今は亡き、サチさんの天の声の導きでのんびりまったり
進んでいくさまにも心安らぎます。
家長(....って誰なのでしょう?!..笑)の言うことに
あんなに大勢いるちょっとワケありフクザツ家族の誰一人として
逆らわない。我南人さんは偉大だなぁ..。LOVEだねぇ。笑^^
古本屋"東京バンドワゴン"堀田家の四代にわたる大家族と
そこに集まるご近所さんたちとの日常は、苦もありゃ楽もあり。
ちょっとしたミステリーだって起きてしまうのですが
そこには必ず温かな愛があります。
LOVEだねぇ。 -
東京の下町にある古本屋『東京バンドワゴン』。隣りでカフェもやっている。
三代目の店主の勘一、伝説のロッカーである息子の我南人(がなと)。
我南人の子どもや孫を含め9人の大家族とご近所さんや常連さんが織りなす日常とささやかな事件の数々。
語り手は勘一さんの亡くなった奥さんのサチさんで、家族のまわりを彷徨いながら、見たことやその背景を教えてくれる。だから地の文が母親や祖母としての愛情やウイットに満ちていて、クスリとしたりジーンとしたり・・・。
これって、現在の朝ドラ「ごちそうさん」の語り手と同じ構図で、安心感があるんだよね。
昔気質の職人さんのような頑固で曲がったことが嫌いで、情に厚い勘一さん。
我南人の子どもの長女・藍子と長男・紺は聡く、思いやりと優しさに溢れている。
次男の青は女の子に甘くやさしく、次々に女性がらみの問題を引き起こしているようだけれども憎めない。
本巻ではシングルマザーの藍子のお相手や青の生みの親が分かるなど、実際に身の回りで起こるとなるとなかなか厄介なことも多いけれど、我南人の「LOVEだねぇ」の一言に救われる。物事の根源的な部分にある善悪や愛情さえ間違わなければ、実はそれ以外は表面的にややこしくしているのであって、丁寧にひとつひとつの絡まった糸をほどいていけば必ず解決方法はあるのだと教えてくれる。
我南人さん、かつては愛人がいて、今でも根無し草のようにふらふらして、幽霊のサチさんにもどこに行っているかわからないなど、60歳にして未だ落ち着かない人なんだけれど、腹の据わった愛情深い人でもあるんですよ。
10年たっても結婚を認めてくれなかった長男の嫁の父親に頭を下げに行ったり、シングルマザーの長女の出産をあれこれ詮索することなく認めてくれたり・・・。
家族に興味がないのでは決してなくて、ここぞという時にしっかりと家族を支え、進むべき道を示す。
ふらふらしているけれど、軸ははっきりしているのだよねぇ・・・。
にぎやかで騒々しい朝ごはんの風景。
息抜きには、近くの小料理屋へ。
兄弟仲睦まじく、悪い人はでてこない。
ご意見番的な神主さんや外国人画家、人物の配置も絶妙で・・・。
う~ん。
「あまちゃん」的で、「寺内貫太郎一家」的で、「ちりとてちん」的で、我南人さんは現代の「寅さん」のようでもある。
あまロスを感じた人には、ぽっかり空いた隙間を埋めてくれると思いますよ。
結局おいしくご飯が食べられて、信頼できる人に恵まれればそれで十分幸せだと改めて思う。
あれれ、「ごちそうさん」的でもあったのね・・・。
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