東京バンドワゴン (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 651
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087462876

作品紹介・あらすじ

東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」。この老舗を営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。60歳にして金髪、伝説のロッカー我南人。画家で未婚の母、藍子。年中違う女性が家に押しかける美男子、青。さらにご近所の日本大好きイギリス人、何かワケありの小学生までひと癖もふた癖もある面々が一つ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎ。日本中が待っていた歴史的ホームドラマの決定版、ここに誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 家族大勢で囲む食卓。いいですね♪
    茶碗や箸がカチカチと忙しく鳴り響くリズムに
    幾つもの会話が同時に歌いだす賑やかさは
    なんとも心地のいい騒音。和みます。

    "東京バンドワゴン"という名の古本屋さんの
    昭和の香りを醸し出す大家族の日々の暮らしが
    今は亡き、サチさんの天の声の導きでのんびりまったり
    進んでいくさまにも心安らぎます。

    家長(....って誰なのでしょう?!..笑)の言うことに
    あんなに大勢いるちょっとワケありフクザツ家族の誰一人として
    逆らわない。我南人さんは偉大だなぁ..。LOVEだねぇ。笑^^

    古本屋"東京バンドワゴン"堀田家の四代にわたる大家族と
    そこに集まるご近所さんたちとの日常は、苦もありゃ楽もあり。
    ちょっとしたミステリーだって起きてしまうのですが
    そこには必ず温かな愛があります。

    LOVEだねぇ。

  • 東京の下町にある古本屋『東京バンドワゴン』。隣りでカフェもやっている。
    三代目の店主の勘一、伝説のロッカーである息子の我南人(がなと)。
    我南人の子どもや孫を含め9人の大家族とご近所さんや常連さんが織りなす日常とささやかな事件の数々。


    語り手は勘一さんの亡くなった奥さんのサチさんで、家族のまわりを彷徨いながら、見たことやその背景を教えてくれる。だから地の文が母親や祖母としての愛情やウイットに満ちていて、クスリとしたりジーンとしたり・・・。
    これって、現在の朝ドラ「ごちそうさん」の語り手と同じ構図で、安心感があるんだよね。

    昔気質の職人さんのような頑固で曲がったことが嫌いで、情に厚い勘一さん。
    我南人の子どもの長女・藍子と長男・紺は聡く、思いやりと優しさに溢れている。
    次男の青は女の子に甘くやさしく、次々に女性がらみの問題を引き起こしているようだけれども憎めない。

    本巻ではシングルマザーの藍子のお相手や青の生みの親が分かるなど、実際に身の回りで起こるとなるとなかなか厄介なことも多いけれど、我南人の「LOVEだねぇ」の一言に救われる。物事の根源的な部分にある善悪や愛情さえ間違わなければ、実はそれ以外は表面的にややこしくしているのであって、丁寧にひとつひとつの絡まった糸をほどいていけば必ず解決方法はあるのだと教えてくれる。

    我南人さん、かつては愛人がいて、今でも根無し草のようにふらふらして、幽霊のサチさんにもどこに行っているかわからないなど、60歳にして未だ落ち着かない人なんだけれど、腹の据わった愛情深い人でもあるんですよ。

    10年たっても結婚を認めてくれなかった長男の嫁の父親に頭を下げに行ったり、シングルマザーの長女の出産をあれこれ詮索することなく認めてくれたり・・・。
    家族に興味がないのでは決してなくて、ここぞという時にしっかりと家族を支え、進むべき道を示す。
    ふらふらしているけれど、軸ははっきりしているのだよねぇ・・・。

    にぎやかで騒々しい朝ごはんの風景。
    息抜きには、近くの小料理屋へ。
    兄弟仲睦まじく、悪い人はでてこない。
    ご意見番的な神主さんや外国人画家、人物の配置も絶妙で・・・。

    う~ん。
    「あまちゃん」的で、「寺内貫太郎一家」的で、「ちりとてちん」的で、我南人さんは現代の「寅さん」のようでもある。
    あまロスを感じた人には、ぽっかり空いた隙間を埋めてくれると思いますよ。


    結局おいしくご飯が食べられて、信頼できる人に恵まれればそれで十分幸せだと改めて思う。
    あれれ、「ごちそうさん」的でもあったのね・・・。

  • すごく好きな書き方だった。
    まず、登場人物の名前が好き。紺人、藍子、青、花陽とか、お洒落だな〜。
    悪いやつが一人も出てこない、あったかいホームドラマ。毎日を生き生きと笑って悩んで、素直に生きるみんなが素敵だった。
    みんなを見守るサチばあちゃんも楽しそう。

  • 読み始めは、登場人物の多さと、小説としては珍しい「です・ます」調にやや苦戦したが、途中から加速度がついて一気に読み終えてしまいました。
    出てくる人たちは、皆一癖も二癖もある人たち。さらに過去だけでなく現在も闇を抱えながら生きている。そんな癖の強い人たちが、一つ屋根の下で生活している設定。
    いつの間にか、テレビドラマ化を想像し、勝手に配役を思い浮かべながら読んでいました。

    癖も闇も、無条件で全て受け入れられる堀田家こそ、理想的な家族だと思いました。
    しかも、血縁だけでなく、店に出入りする人は皆家族で、皆ありのまま受け入れられ、受け入れる。
    世の中がこんな風になったら、もっと楽しいだろうなぁ。

    人は皆、癖があり、闇もある。
    それでいい。
    そのままでいい。
    それがLOVEだねぇ
    という気分になる物語です。
    続編も読みます。

    • hs19501112さん
      面白いですよね。自分も最近、このシリーズが好きになっています。

      あ・・・「東京バンドワゴン」、たしか何年か前に連ドラになってます。
      ...
      面白いですよね。自分も最近、このシリーズが好きになっています。

      あ・・・「東京バンドワゴン」、たしか何年か前に連ドラになってます。

      主要キャストは亀梨和也さん、多部未華子さん・・・だったかと。

      ※近所のレンタル屋には置かれていないため、観てはいないのですが。
      2018/09/21
    • ntreachさん
      ドラマの情報、ありがとうございます。
      まだドラマのホームページが残ってました。

      さらにビックリなことに、私、今春、東京バンドワゴンのロケ地...
      ドラマの情報、ありがとうございます。
      まだドラマのホームページが残ってました。

      さらにビックリなことに、私、今春、東京バンドワゴンのロケ地となった喫茶店に、行ってました!
      その時は、ロケ地の看板出てたけど「何だろね〜」ぐらいに見てましたが。

      ドラマを見たら、もう一度行ってみようかな。
      千葉県佐原にある、とても雰囲気の良い喫茶店でしたよ。
      2018/09/21
    • hs19501112さん
      ロケ地になった喫茶店・・・・に、作品を知る前に行っていたとか(笑)

      素敵な情報をありがとうございます。ちょっと調べてみます。
      ロケ地になった喫茶店・・・・に、作品を知る前に行っていたとか(笑)

      素敵な情報をありがとうございます。ちょっと調べてみます。
      2018/09/22
  • 「LOVEだねぇ」と、読んだ後に言いたくなるような、
    ”家族愛”という言葉がぴったりと合うお話。

    ワケ有りな事情をそれぞれが抱える4世代大家族、堀田家。((サザエさん家族より大きい!?
    互いに思いやり、思うが故に衝突し、
    思う心からここぞと言う時に動いたり...(これは我南人さんのことです。普段ふら~っとしてる人がしゃんっと動く時って本当に格好いい!)

    問題が起きた時には、家訓に従い、皆で解決し、
    食事の時は皆で賑わっていただく。
    現代の日本の家族にはあまり見られない、懐かしい。見ていると、ほろっとしそうになる。
    家族はこうあるべきだ!とは言わないが、食事の時すら会話が無かったり、家族揃わなかったり、問題や悩みも相談できなかったり、そういうイメージのある現代の核家族は、なんだかさみしいなぁ...と思った。

    また、堀田家に愛を感じるのは、堀田家を愛しているサチさんが語っている点もひとつの理由だと思う。

  • 期待値低かったんだけど、めちゃサクサク読めた~!

    にこにこしながら読んじゃった。

    素敵な家族だなーって。

    こんな家にうまれたらいいこが育ちそう。

    個人的にガナトさん超好き。

    あと語り手のおばあちゃんも。

  • サザエさんRockバージョンだなw
    めっちゃ面白かった。
    読みながら気がつくと口角が上がってる(*´∀`*)

    下町の大家族の日常です。

    ~作品紹介・あらすじ~
    東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」。この老舗を営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。60歳にして金髪、伝説のロッカー我南人。画家で未婚の母、藍子。年中違う女性が家に押しかける美男子、青。さらにご近所の日本大好きイギリス人、何かワケありの小学生までひと癖もふた癖もある面々が一つ屋根の下、泣いて笑って朝から晩まで大騒ぎ。日本中が待っていた歴史的ホームドラマの決定版、ここに誕生。


    我が家も私が加わるとなかなかの大家族になるので、こんな感じの会話になります。それぞれがそれぞれの話をそれぞれにしている。なのになぜか会話が成立しているのw

    これシリーズでかなり続いているから、追々読んでいこうと思います。
    気軽に読めるのでお勧めですよ~♪

  • 小路幸也の初読み・・・のはず・・・(著者名に“打ち覚え”がある気がする)。連作小編。

    ーーーーーーーーーーー読間ーーーーーーーーーーーー

    【春-百科事典はなぜ消える】
    ちょいと、ホロリとさせられる一編。ロックンローラーなじいさんが、いいキャラしてる。
    (愛嬌のある内田裕也といった感じのイメージか)

    そのじいさんが未婚の母を評しての言葉
    「一生に一度と思えるくらいの恋」
    「もう人生で誰も好きにならなくてもいいというくらいの大きなLOVE」

    ・・・恋愛ソングの歌詞に使えそうなほど、聞こえは良い言葉だけど・・・
    ・・・そこまでの恋、そんな大きなLOVEな関係にあった女性を未婚の母とさせてしまう男とは?
    そこにあるのは、「やむにやまれぬ事情」というよりは、男の身勝手である可能性の方が高いよね。
    男は今頃・・・・と考えると、やるせなくなる。


    【夏ーお嫁さんはなぜ泣くの】
    “藍子の事情”の謎、解ける。理解はできた。しかし、納得はできず。
    ・・・だって、、、いくら人格者でも、いくら心から愛し合っていたとしても、いくら自分の家族にも十分に愛を注いでいたとしても、、、、、

    その裏には、何も知らない妻と娘がいて…彼はその二人を裏切り続けていたということ。
    藍子の態度は分からなくもないが、すずみがそれらの事情を受け入れて家族に加わろうとする気持ちは、やはり理解できない。
    ※亜美の事情の解決には、思わずホロリとさせられた。ロックじいさん、格好良し♪


    【秋-犬とネズミとブローチと】
    読んで字の如し。題の通りの物語(笑)。大昔の想い人との再会に頬を染めるおばあちゃんが、可愛い。
    家族(特にじいさん)とマードックさんとの距離感の変化も、微笑ましい。

    ※「冬」まで読まずして既に、この作品・この著者を「好きな作品」「好きな作家」にノミネート(笑)。
    少しだけWikiってみたところ、シリーズはすでに7~8冊を数えるとのことだけど・・・・だとすると、二人のこの距離感は、この先どうなる?

    サザエさんとかドラえもんとかみたいに、時の流れを超越した「良い意味でのマンネリ」は、このケースでは用いないで欲しいものだ。若い夫婦も、じいさんばあさんも、子供たちも、皆それぞれの、時を経ながらの成長を描いて欲しい。


    【冬ー】
    めでたし、めでたし(笑)。
    我南人、格好良し。
    青くん、良かったねぇ。
    青くんの容姿が良いのも、モテモテなのに性格が良いのも、全てはその“血”がモノを言ってたんだね♪

    さて、今回もイイ話だったけど・・・
    そこには、男の身勝手さだけではない“愛”が存在してはいたけれど・・・(その点には、少しひと安心)・・・

    その時、奥さんは…?相手さんの、夫は…?
    と、考えてしまうと、偽善としか感じられないのは、自分が古い日本人になってしまったからだろうか。

    ーーーーーーーーーーーー読了ーーーーーーーーーーーー

    巻末解説者も書いていたけれど、確かに、少年時代に見たホームドラマを感じさせる一冊。自分ら世代だと・・・と挙げていくと、世代で分かれるだろうね(笑)。

    ※少年時代に観たわけではないけれど・・・「おやじぃ」だの「東京庭付き一戸建て」だの、好きだったな。

    ★4つ、8ポイント半。
    2017.02.28.古。

    続編にも期待。
    次は、マードックさんの事情に深く切り込んで欲しい。

  • 東京の下町、おそらく谷根千エリアにある(近所のつつじが有名な神社は根津神社?)古本屋「東京バンドワゴン」&カフェが舞台の大家族ハートフルミステリ。

    昔ながらの頑固な家長に、その真逆を行くような「LOVE」なロックンローラーなその息子。そして色とりどりの個性をもつその息子・娘や孫たちの日常。
    日常をともにすごすご近所さん、何かあれば皆がいく馴染みの小料理屋さん。季節おりおりにつきづきしいお花や食べ物の話。何かあれば紋付を着る。
    そんな昔ながらの背景のなかでも、シングルマザーの藍子さんがいたり、親の違うきょうだいがいたり、核家族でマンション住まいの一家がいたり、昔ながらの一軒家の厳しい現実があったり、「東京バンドワゴン」の彼らそれぞれにはそれぞれの問題があり、現実がくっきりと影を落としている。

    けれども、勘一さんの「だけどなぁ、家族となりゃあ話は別だ。家族になっちまったもんはしょうがねぇからな」というお言葉通り、家族でも、実は家族じゃなくても、「しょうがねえな」で手を差し伸べ合う彼ら。

    楽しく読み進めている間に、気が付いたらしっかり滋養をいただいている、そんな物語です。

    どこからか現れて消える百科事典の謎、破られて猫の首輪に結わえられたジュール・ヴェルヌの「十五少年漂流記」の謎、古本の目利きによる値付けの次第、いまは亡き作家が昔に描いたエッセイで解ける昔の謎、漱石『それから』初版本にある書き込みの謎。
    本好きにはたまらないスパイスもいっぱいまぶしてあります。

    シリーズ最新刊まで一気に読みたい気はやまやまなのですが、順々に年を取る彼らの時の流れを一気に飛び越すような無粋なことはしてはいけないような気がする不思議なシリーズ。順々に読み進めたいと思います。

  • 面白かったです。
    季節ごとにお話が一つずつ書いてあり、その一つ一つにホロッとさせられます。
    人には、色々な形の愛があるんですね。
    これが一番正しいなんてことはない、のだと思いました。

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著者プロフィール

小路幸也
1961年、北海道生まれ。2003年、『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』でメフィスト賞を受賞しデビュー。「東京バンドワゴン」シリーズをはじめ著作多数。近著に『マイ・ディア・ポリスマン』『猫ヲ捜ス夢 蘆野原偲郷』『花歌は、うたう』などがある。魅力的な登場人物と温かな筆致で、読者からの熱い支持を得ている。

「2019年 『あの日に帰りたい 駐在日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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