- Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087462937
感想・レビュー・書評
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不思議な世界観だけどほっこりする。
当たり前ってなんだろうと考えさせられる。
間に入る絵も、文章もスっと入ってきて
1時間程度で読み終えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江國香織さんの童話を初めて読みました。初めは童話作家としてデビューされたんですね。恥ずかしながら、初めて知りました。
表紙の女の子がちょっと大人っぽい感じで気になり、思わず手に取った本です。こみねゆらさんの絵の色づかいや雰囲気が、すきまの世界にぴったりあう感じでした。
時間と時間の間のすきまに、こんな世界があったらと、想像が広がりました。始めは現実から離れがたく帰ろうとするけれど、徐々に居心地がよくなっていくのが、わかる気がしました。「私」をお客様として迎えてくれた女の子とお皿さんは、当たり前のことをそのまま受け入れる素直な心を思い出させてくれたように思いました。
何年か1度にすきまのおともだちたちと会える時間は、現実から離れて、しかも自分は年を取っていくのに、女の子たちはずっとそのまま。だからこそ、行くたびに素直な気持ちになれる場所のような気がしました。それでも「私」が言うように、「旅が素敵なのは、帰る場所と帰る方法があるからこそです。」と、いうのが、この場合にもあてはまるように思いました。
素直な気持ちを忘れがちなので、私もすきまの時間に落ちてみたいなあ、と思えるような素敵な童話でした。
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行ったことある、と思った。
昔、夏休みが何週間もあった頃。暇を持て余してただぶらぶらしていた子供の頃。
思い出の中にある名前も忘れた"街"たち。
あの頃の時間はもう過ぎ去っていて、ただ私の記憶だけがそれがあったことの証明。
時々不思議になります。もう二度と戻ってこない過去の時間。 -
江國さんの作品は、不思議で物寂しいくもありつつ、ほっこりする。
この作品を読んで一番印象に残ったのは、「記憶(思い出)と成長」だった。私の中にいる他人の印象はいつだって過去のものであり、現在のものではない。だから、アップデートする必要があるのか、ないのか、それはよくわからない。
年月が経ったら、再び読み返したい。 -
可愛らしい絵に非日常が描かれている。
すきまの世界は特別な出来事はおきないけれども変わらずに存在している。
変わらずにいてくれる、それは安心な世界、特別な世界。 -
すきまの時間は、現実よりゆったりと流れている。
女の子はいつまでも女の子のまま。
お出かけの用意が周到で、しっかりものの、ちょっとおませな女の子との旅は、ほほえましくて、楽しくて。
忙しい現実のすきまに、こんなかわいらしいおともだちがいるなんて素敵です。
「旅はいつか終わるのよ。」と、時々釘をさしてもくれます。
こんな世界を、年老いてもずっと持ち続けていたいです。 -
こみねゆらさんのイラストと共に、優しい色使いの世界に心洗われる絵本のような小説。
固有名詞の少ない物語に不思議な浮遊感を楽しみながら読み進めた読後、ふと1つ印象的だった単語を調べて、再び現実から物語の世界観に引き戻されてる今… 最高。 -
はじめて江國さんの作品に触れました。すきまの中で展開される物語はなんだか不思議な感じがしつつもこんな世界をつくれる江國さん、他の作品も見てみたいと思いました。