愛がいない部屋 (集英社文庫)

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  • 集英社
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レビュー : 204
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087463040

感想・レビュー・書評

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  • 神楽坂の高層マンションの住人を舞台にした恋愛短編集。恋愛の形、家族の形は、本当に様々。上辺だけでは、誰もが幸せに見えるのに。心はあちこちと揺れていたり、苦しんでいたりもする。高層マンションに住むというのは憧れでありながらも、実のところ、中身は憧れの世界でもないお話がちりばめられています。短編なので、サラリと読めます。ただし、残るものは少ないかもしれません。
    【愛】をテーマにした物語。それぞれの生き方で【愛の形】は違うということでしょう。
    「落ち葉焚き」では、老後の生き方、恋はいつまでするのかを考えさせられる。不倫を繰り返す主婦の話「夢の中の男」は、奥深いものがあります。女性の心の闇が見え隠れする。
    一番好きなのは「ホームシアター」ニートの息子と父親の繋がり。ホロリとくるセリフも。

  • 久々の石田衣良さん〜。

    一番最初「空を分ける」を読んだ途端に
    ちょっと絶望した。
    「恋人でも男と女がルームシェア?しかも男には彼女がいてって、そりゃないぜ石平さん!」みたいな。笑
    現実味が無いからあまり体に染みてこずそれを乗り越え、次からはやっぱり嫌いなようで惹かれてしまう石田衣良節が続いた。

    前も書いたけど、この人、なんでこんなにリアルな女心を書き出せるんだ?性的描写もドキドキするくらい女性目線。こんなことに気付きながらこの人は青春を謳歌してきたのか?
    怖すぎる!!笑
    でもやっぱ気になる!

  • 石田衣良らしく、読みやすい。ある高層マンションの住人たちの物語を集めた短篇集。どれもモヤモヤして、すっきりしない話。あっという間に全部忘れてしまうのかな。それともひとつぐらいは心に残るのかな。

  • 神楽坂にある高層マンションを舞台に繰り広げられる人間模様。恋を中心に、そこに住む人のいろいろな顔や感情を見ることができる。決して他人ごとではなく。

    近くにあるのに、遠い相手の感情。
    悩むは尽きることはないね。

  • 恋愛短編集。神楽坂を舞台にした高層マンションに住む登場人物たちの悲喜こもごものお話しです。
    いつも電車の車窓などから見上げるマンションには、一体どんな人たちが住んでいるのだろうと思うことがあります。
    豪華な装飾を施した立派な建物だったり、まるでコンクリート製のミツバチの巣箱の様だなと思ったり…
    本作では、IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズの様な疾走感はないですが、代わりに人間の内心を深く切り取った深みのあるお話しになっています。
    瀟洒で華やかな建物の外観とは違ってそこに住む人たちの誰にも言えない心の闇であったり、出口の見えない男女関係であったり、思うように生きられない心の葛藤を描いています。
    これを読んで自分の悩みと重ね合わせ共感する読者も多いと思いますが、その中でも石田氏はきちんと私達を問題の解決へと導いてくれています。
    ある時は自分自身の気づきであったり、またある時はこじゃれた老婦人の導きであったり…です。

    神楽坂は、新宿区にある坂道の住宅地で大正時代には花街として盛えた場所でもある様ですね。
    神輿が重くてこの坂を上ることができなかった時、神楽を奏すると容易に上ることが出来たのが地名の由来となったとか。
    筆者は過去この地に住んだ経験から物語の舞台に選んだとのことですが、付近の様子がよく伝わってきます。
    全10編、スキマ時間の読書でしばし日常から離れ、人間関係の機微や登場人物たちのその後に思いを馳せるのも良いかもしれません。

  • 短編集。一つ一つ寂しさを感じる話ばかりで、最後にはどうしたらいいのかとか、その後幸せなったのかなとか…気になる話ばかりでした。

  • 高級高層マンションを舞台にした短編集。結婚さえすれば、マイホームさえ手に入れられれば、子どもさえ恵まれれば・・・。人はタラレバで、それぞれの人生のシアワセを目指すが、それは決してゴールにはならず、その先に思いもよらぬことが待ち受けることが多い。手に入れたと思っていたシアワセの先に、虚しさ、満たされぬ思い、思い通りにならないもどかしさで、どうにもこうにも不全感に押しつぶされそうになる。その重さの表現がしつこくなく、伝わってきて、最後にふ~っと気づきや出会いがあって救われる。

  • 淡々と読んだ

  • 神楽坂の高層マンションの住人のそれぞれの恋愛の形があって、自分にとってはみんな他人でもみんなそれぞれに違うと改めて感じられた

  • 端的に言うと良かった。
    全ての作品に女性への優しさ、リスペクトがあるから好き。
    中には共感出来ない作品もあったけれど今後の人生を色々考える時間になったな。

    特に好きな作品は『落ち葉焚き』。世代でもないのに泣きそうになった。娘さんと同じ立場になったら絶対受け入れようと思った。
    『魔法の寝室』も好き。
    1冊の中で一番刺さった言葉は『愛がいない部屋』の「あなたはずっとわがままなんていってないんでしょう。女はそれじゃあ、ダメよ。」本当にそう思う。そう思っていた中でこの一文を見つけてやっぱりな、と寂しくも嬉しくなった。私も変わらなきゃな、と思えた。

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著者プロフィール

石田 衣良(いしだ いら)
1960年東京生まれの小説家。フリーター、広告代理店でのコピーライターを経て、36歳のときに一発祈念して執筆活動を開始。
1997年、『池袋ウエストゲートパーク』で第36回オール讀物推理小説新人賞、2003年『4TEEN フォーティーン』で第129回直木賞、2006年『眠れぬ真珠』で第13回島清恋愛文学賞、2013年『北斗 ある殺人者の回心』で第8回中央公論文芸賞をそれぞれ受賞。
多くの作品がドラマ・映画化されている。代表作に、ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「下北サンデーズ」、映画「アキハバラ@DEEP」、「娼年」。
2015年にウェブ個人誌『小説家と過ごす日曜日』を創刊するなど、メディアをまたにかけて活躍を続けている。

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