オテル モル (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 674
レビュー : 134
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087463064

感想・レビュー・書評

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  • 地下13階まである地下ホテル「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」は一見さんお断りの会員制ビジネスホテルで、良質な睡眠のみを提供している。そこに就職した主人公のお話。
    不思議なホテルは夢を見ているようで、逆に主人公は物凄く現実を生きていて、現実と非現実が混じり合ってとても面白かった。このホテルで良質な睡眠を取ってみたいものだ。

  • 「オテル・ド・モル・ドルモン・ビアン」
    通称オテルモル
    地下13階建の完全会員制契約型のビジネスホテル
    最高の眠りと最良の夢を提供するためのホテル

    そこで働く事になった主人公希里。
    問題ある双子の妹を持ち、
    両親は妹の看病の為に病院につきっきりで、
    今はその妹の子供と旦那さんとの3人暮らし。
    旦那さんは高校の時の元彼氏で、妹に寝取られた。

    これだけの要素があったら、普通は私は悲劇の主人公よ
    とでも言うべくひたりきった文章を書く作家が多い中、
    この人は本当にあっさりとたんたんと書く。
    悲しい事も否定しないで受け入れるしかないんだよって感じに。
    全くもって悲しい話ではなく、明るい話に書く。
    それも無理やりでなく自然な感じに書く。
    そこがすごい、そしてそこが好き。
    この人のほかの本でもそうだったなぁ。

    本の内容もオテルモルの主旨も建築の仕方も
    お客様の個性も客室係外山さんの精神も
    どれも好ましく面白かった。

    もう一度読み返したくなる本です。
    ただ今後どうなるかが少しもやっとしていた
    ので星4つ!!

  • たった一人の分身は闇に犯され、もう細胞を分け合い生まれた妹では無くなっていました。私は何を思えばいい。かける言葉も怒りも憎しみも通り越し、残ったものは過去への諦めと安らかに眠りたいと願える居場所だけでした。そんな私が導かれるように就職したのは、条件を満たす者だけが訪れることの出来るホテル、否オテル。合言葉は「悪夢は悪魔」。現代には何かを抱え、悪い夢に怯え、目覚めすら見失い朝も昼も夜も暗く彷徨っている人が多くいる。睡眠という日々不可欠なものに悩める人々に最良の安眠を与えてくれる魔法のような空間、なんて素晴らしい。すっきり目覚めた達成感は、今日一日を生き抜くパワーを与えてくれる。

  • この本好き。栗田有起さんはテルミーもよかったし、自分の好みなんだと思う。

    • morino-yukakoさん
      この人の文体っていいなと、わたしも思います。うまく流されつつも媚びない。
      いいですよね^_^
      この人の文体っていいなと、わたしも思います。うまく流されつつも媚びない。
      いいですよね^_^
      2013/09/17
  • そこはかとない希望みたいなものがあって良かった。

    なんとなく村上春樹っぽい。
    キャラとか「ホテル」とか「地下」とか「眠り」とか。

  • 栗田有起さんの描く登場人物は皆、自分の身の丈をわかっていて、その中で一生懸命に生きている感じが
    する。変に高望みをしたり、現状に不満をこぼしたりせず、与えられた枠の中で努力をする。
    そこがすごく良いなあと思う。
    なんとなく読んでいて元気になれる小説。

  • 「オテル モル」(栗田有起)読了。栗田さんの作品は初めてですが、良いですねえ。適度な温もりと湿り気と程よいトゲトゲもあって読者を惹きつける物語になってます。最初ふわっとしているようでいて実際には結構噛み応えがある味わい。栗田さんの他の作品も読んでみたくなります。

  • 大学時代、大好きで何度も読んで、友達にもすすめた。

  • 静かだけど、軽くなくて、結構辛い
    でも希里ちゃんは優しいなあ。
    双子ってそうなのかな?
    眠りの良さや、質の良い睡眠の大切さを感じて、眠りたくなった。
    今日は気持ちよく眠れそう。

  • 『約束もしないで誰かをひたすらに待ち続ける』

    不思議。と一言で片付けて仕舞えばこの物語は終わってしまう。

    ただ素晴らしい眠りを提供するためだけに作られたオテルは、客従業員全員が心から安眠快夢を望み、それぞれの思考に影響を及ぼすくらい不安定なバランスで成り立っている。

    主人公はまるで自分は無害であるような顔して、静かに狂い、主人公の双子の妹はその矛盾を埋めるようにピエロを演じている。

    世界はその世界を覗く人の数だけ広がっている。重なり合った世界は、夢の中でだけ調和を保ち、心の歪みを拭い去っていく。

    読み終わった時、すごく満足した。とても良いものを読んだと感じた。わたしが覗く世界も、こんな風に狂っていて美しくて、苦くて優しい。今日の睡眠はきっと特別なものになる、そんな予感がある。


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著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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