オテル モル (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087463064

感想・レビュー・書評

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  • 静かだけど、軽くなくて、結構辛い
    でも希里ちゃんは優しいなあ。
    双子ってそうなのかな?
    眠りの良さや、質の良い睡眠の大切さを感じて、眠りたくなった。
    今日は気持ちよく眠れそう。

  • 深い深い眠りに落ちていくと、
    あらゆる二つの違いは無くなり同化していく。
    生と死。
    姉と妹。
    大人と子供。
    光と闇。
    希望と絶望。
    生が分断される眠りは心地よく魅力的だ。
    誘眠顔で死に誘うある意味光の希里と付き合いながら、覚醒顔である生の刺激を持つある意味闇の沙衣にも惹かれ子供ができた祐介は双子である二人を一人であるように感じたのかもしれない。
    そして美亜も二人を一人として感じ、母である沙衣との秘密を希里にも当然のように話す。これはもう身代わりの域をこえている。
    希里も沙衣も憎むわけではなく互いから何かを奪い合っているように感じる。それは逆に何かを与えあっているのかもしれない。

  • (これ前に読んだな)
    little nightmareみたいな、その逆みたいな。

  • よぎるのは双子の妹沙衣のこと、まつわる家族のこと。
    そんな希里の働きはじめたこのホテル、地下13階建てである。
    これだけでもう「ん?」となる。

    たしかにねむりというのは、実体のあるようなないような不思議な時間空間かもしれない。
    淡々と語られる難しい現実と、あいだに流れるゆるやかでちょっとしたおかしさのある空気感。
    希里とホテルには似ているところがあるような気がした。

    3冊目を読み終えて、やっぱり好きだな栗田さん。

  • 快眠のためのオテル。主人公が淡々と生きていて、いつか幸せになるとよいと思う

  • 眠りについて本を読みたくなったら手に取りたくなる一冊

    これは時期的にすばるで読んだのかしら、それとも芥川賞予想で候補先読んで行ったときに読んだのかしら。なんとなく、単行本で読んではいなかった記憶があります。

    そのあと出たマルコの夢は単行本で読んだけど興味はなく、それで栗田作品は以降読まなかったな。

    ただ、この間の白河夜船を読むにあたって、眠くて眠くて仕方がない物語に対して、眠るためのホテル、眠りに困っている人への物語をあてがいたかったのですね。

    それで、約10年ぶりの再読です。

    いいわぁ。このホテルの具合を想像していくだけで眠くなりますよ、私は。
    読み進めて行って、ああああ双子だった双子だったから、その家族のいびつさを読み返し、ああそうだった!
    と思い出す。

    フレンチトーストがインパクト強い場面に出てくる、という思いだけあったのでフレンチトースト出てきて衝撃的なシーンを見て、そうか、そうかこれだったぞとまた思いっきりパンチ食らい直します。

    このシーンを読むと、風味絶佳が誘発されて、読みたくなるという小説数珠繋ぎ。ああこれも読み直すか。
    女の子はなんだって言ってたかなぁ・・・。

    この本の妙に美しいラストがこの年になると逆にしっくりこなくなってきた場面もありますが、また眠りについて本を読みたくなったら、白河夜船と共に、読みたくなるのでしょう。そして読んだら風味絶佳を読みたくなるのでしょう。

  •  作品中には色々と不条理なことが起こっているのに、悲惨さが強調されることなく描かれているのは、登場人物がみな、置かれている状況にただただ適応しようとしているから。作品中に良い意味で匂いや音を感じないのも新鮮だった。読後感は不思議な感覚。現実を見たのか、それとも夢を見たのか…といった感じ。

  • やっぱり栗田さんはいいなあ


    昔ナツイチの冊子で見てあー面白そうと思って、でも気に留めたのはその一瞬で忘れてたんだけど、後日図書館でふっと目が合って借りた
    すごくぴたりとはまった
    数年後に古本屋で、絶対なにかに出会えるはずと思って目を走らせてたら、今度は文庫本と目が合った
    やっぱり好き

  • 眠りに特化したホテル。独特の空気感のある小説です。
    主人公が抱える物は重いのに、なんだか淡々として穏やか。
    閉鎖間のあるオテルだけど、主人公は常に前に進もう変化して行こうという気持ちがあって、閉じこもらない健全さがある。

  • 不思議なのに普通
    わざとらしくなくてとても良い

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著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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