空は、今日も、青いか? (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464115

感想・レビュー・書評

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  • たまたま古本屋で出会って手に取ったエッセイ。一つ目の文章を読んだ瞬間に、涙が流れそうになったのを覚えている。社会人三年目も終わりかけの今の自分に、心から響くエッセイ集だった。

    正直好きな言葉が多すぎて選びきれないので、あえて印象に残ったフレーズは今回はまとめない。フレーズだけ切り取るとチープに感じてしまうのが嫌だから。

    そして私は今まで、正直自分のことは自分しかわからない、と言って、壁を作りかけていることが多々あった。だけどそんな寂しいこと言わないで、孤独を感じてばかりいないで、その人にはなれなくても、その人の気持ちを想像することはできるって、ただの希望でもいいから、そう思おうって改めて感じた。

    人生の意味とか、生き方とか迷ったときに、手に取ってほしい、読んでみて欲しいエッセイです。おすすめです。

  • 今まで石田衣良さんの作品を読もうと思ったことはありません。なんとなく、胡散臭さを感じていたからです。でも、3.11以降、原発即撤収!と騒いでいる世論の中、テレビで「いずれはなくす必要はあるかもしれないが、これだけ原発に頼って生活している状況で即なくすということはできないでしょう」などと、すっごく全うなことを言っていて、どんな人なのだろうと思いました。

    だから小説ではなくて、エッセイを読んでみました。

    確信をついた、内容。
    爽やかだけどきれいごとではなくて、どれも納得してしまった。

    読んでいるだけで魅力を感じました。
    女性もよく見てるな、スゴイな!やっぱ小説家は違うな!と。
    もちろん女性だけではなくて、
    世の中全体について確かな目を持っていて、
    私、尊敬しましたよ・・・。

  • 石田衣良さんのエッセイ。
    若者への言葉。優しく語りかけてくれる。
    いくつか時代を感じる内容だったが、なるほどなと思うこともあった。

    未熟な自分に刺さった言葉。
    ・人がうらやむような成功はしなくてもいい。
    けれど、世のなかの厳しい風雨をしのげる、自分だけの心地いい場所をつくろう。そのためにぼくに必要なのは、そこそこの生活資金とたくさんの本だった。
    ・金というのは、ただ物欲や享楽のために(もちろん、それも大事だけれど)つかうものではなく、自分が支持するもの、共感をもつものにつかうべきなのだ。
    ・自分のもつアイディアやセンスを自由に表現できるフィールドこそ、ほんとうの意味で自分の仕事なのだ。

    温水ゆかりさんの解説もよかった。
    ・『空は今日も青いか?』ではなく、『空は、今日も、青いか?』と三ヶ所に区切られているのは、"まあ、こんな混沌とした世の中だけど、あせらずゆっくりやろうよ"という、深呼吸の勧めのように思える。勇気と智恵は、呼吸の浅い濁った精神からは生まれない。

  • リクルートの発行する『R25』にて連載されているエッセイを中心に収録した筆者初のエッセイ集です。ホリエモンや村上ファンド…。「時代」を感じさせるキーワードが多かったです。

    この本は「R25」を中心に発表された石田衣良さんの初のエッセイ集になります。この本は発行されたときに読んでいたんですけれど、ちょっと思うところがあって、また再読をしていました。ここに収録されているエッセイがリアルタイムで発表されていたのは主に2003年から3006年までの世相に関することで堀江貴文氏のニッポン放送株争奪問題やら、村上ファンドに関する話は僕もあの当時堀江さんの公演を聴きに行った事があったので、
    「そういうこともあったなぁ」
    と思いながらページをめくっていました。

    軽やかな筆致で時代を切り取っていく文体はエッセイになってからも健在で、さらりと読めて面白かったです。その中でも読んでいて、「おっ」と思ったか箇所は女性、恋愛に関するエッセイで、「恋愛小説の名手」ですとか女性に人気のある作家で常に上位にランクインする筆者の18番だなと。『「大人の格好いい女性」の条件』と銘打たれたエッセイでここに書かれているような女性とバーかどこかで出会って…。なんて事が僕の人生にもあればなぁ…。と少しため息をついてしまいました。

    それはさておき、全体を通してみると、日本の社会がまだギスギスする少し前のような気がしてまだ当時は少し「余裕」があったんだなという感じが否めませんでした。多少、落ち込んでも青い空を眺めて心を落ち着かせることができれば…。作者同様、僕もそういうことを願ってやみません。






  • 石田氏の作品は高評価と受け付けられない作品に分かれる。
    すごく深いところでうなづける作品と、理屈でなく肌感覚でこれは違うよ、と思う作品と。

    そのせいか本作の中でも感想は「!」と「…」に分かれた。

  • R25に当時書かれたエッセイ。その時代をよく表していて、とても読みやすい。

  • 2005年前後のエッセイが中心となりますが、石田衣良さんが私に向けて語り掛けてくれるような、とても素敵なエッセイ集でした。
    私も日頃のニュースをもとに物事の本質を見極められる、そんな訓練をしたいと思わせてくれる素敵な本でした。

  • 久しぶりの石田衣良さんでした。
    4TEEN以来ずっと好きで、小説だけじゃなく、テレビで見るお姿や語り口も。

    そんな憧れの小説家が、「小説を書くのは、逆説的な人生のおもしろさを探し続ける仕事なのだ。生きることの味わいは、勝ち負けなどよりずっと多彩で、目がくらむほど深い」とか言ってくれるのは、痛快でさえある。
    であれば、小説を読むことは、逆説的な人生のおもしろさをより深く味わうための修行なのだ。生きることの味わいは、多彩なのであーる。

  • not for me。若者向けだ。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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