- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087464245
作品紹介・あらすじ
東京、下町の老舗古本屋「東京バンドワゴン」。営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。伝説ロッカー我南人60歳を筆頭にひと癖もふた癖もある堀田家の面々は、ご近所さんとともに、またまた、なぞの事件に巻き込まれる。赤ちゃん置き去り騒動、自分で売った本を1冊ずつ買い戻すおじさん、幽霊を見る小学生などなど…。さて、今回も「万事解決」となるか?ホームドラマ小説の決定版、第2弾。
感想・レビュー・書評
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R2.5.19 読了。
「下町の一角、築七十年の古本屋・東京バンドワゴンで、繰り広げられる人情と下町情緒あふれる大家族物語は、日本人なら、誰でも懐かしい故郷の風景を彷彿とさせられるはず。」…(解説より)。
別れた家族との再会、大切な人を失くした過去と憎悪、新しい命の誕生などなど、堀田家から目が離せません。まるで昭和にタイムスリップしたみたいな独特の雰囲気がたまりませんね。早く続きが読みたい。
・「傷は消えないけど、人間は服を着る動物じゃないか。着る服は自分で選べるんだぜ。」
・「人間長く生きていればいろんなことを抱え込んでしまうこともあります。その重さをきちんと感じられるかどうかで、心持ちも変わりますよね。胆力とは少し違いますが、心がその重さに耐えられるように鍛えることも必要なんだとつくづく思います。耐え切れない時には、傍にいる家族が支えになってくれますよ。」
・「淋しいってよ、わんわん喚いたり暴れたりするのも、まぁ子供らしくていいけどよ。男の子はよ、やせ我慢ってものをしなきゃならねぇんだ。どんなに淋しくてもよ、辛くてもよ、自分一人で頑張るんだっていうやせ我慢ってやつをよ、覚えなきゃあならねぇんだよ。」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
〈東京バンドワゴン〉シリーズ第2弾も、前回に引き続き相変わらずのにぎやかさです。
サチさんの目線で、古本屋、カフェ、朝の食卓、小料理居酒屋〈はる〉など次々と場面が変わっていって、本当にホームドラマを見ているようで面白いです。
今回も、カフェに置き去りにされた赤ちゃんや、自分の売った本を一冊ずつ買い戻すおじいさんや、葉山の海の家で花陽と研人に本を託したおばあさんの謎など、どれも人情味あふれた温かいお話ばかりでした。
そして、秋には家族が二人もいっぺんに増えるようで、大家族のお話だけあって、ほんとに話題が尽きません。
亡くなった我南人の妻秋実さんは、家族を支える太陽のような人だったそうです。
このシリーズ、過去も未来も興味深く、まだまだ何かが起こりそうです。
そして、最後の締めくくりは、今回も結婚式でしたね。
幸せいっぱいでほんとうに微笑ましいです。
花陽や研人に加え、新しく生まれた子どもたちの成長も楽しみです。 -
東京、下町の古本屋「東京バンドワゴン」を営む堀田家は、今時珍しい大家族。
一癖も二癖もある堀田家の面々は、ご近所さんと共にまた謎の事件へと巻き込まれる。
赤ちゃん置き去り事件、幽霊と会話をする小学生……万事解決となるか?
古書店を舞台に、大家族が舞い込んでくる謎を人情味たっぷりに解決していくホームドラマ小説、『東京バンドワゴン』シリーズ第二弾です。
冬から秋へと、一年かけても変わらない家族の絆と、変わっていく恋愛関係、増えていく家族。
穏やかで賑やかで、心温まる大家族の姿が優しくてとても良い。
変化も時間の経過も、歳をとっていくことも、悪い事だけではないと思わせてくれます。
核家族化が進行していく中珍しい大家族のシリーズ。なかなか続きが読めていないですが、昨年にもシリーズ18作目が出たそうですし続きが楽しみです。。 -
堀田家の営む古本屋"東京バンドワゴン"は
東京の下町にあり、三代続く老舗。
さて。その大家族を取り巻くこの一年の日常は...??
笑いあり、涙ありのアットホームな堀田家の暮らしぶりは
今日も相変わらずね♪といったところでしょうか。^^
今回のお話で、個性がキラリと光っていたのは
28歳の若きエリート・IT企業の藤島社長。
なかなか紳士的で人柄よくて....♪
この先がとても気になる人物に出会えた気がして嬉しいです。^^
こちらのシリーズは「春」「夏」「秋」「冬」と
四季に合わせて一年分のお話が4篇で構成されていますが
シリーズの2は、1で終わっていた「冬」からの始まり。
前作からのお話がそのまま自然と続くように繋がっています。
早くも新しい家族が増えて
ますます楽しみな「東京バンドワゴン」です。 -
東京バンドワゴンシリーズ、随分前に一冊目を読んで後は積読してあったが、やっと二冊目を読むことができた。
相変わらず穏やかで賑やかで幸せに満ち溢れた堀田家。気恥ずかしいくらいLOVEが詰まった内容だった。大所帯が更に人数が増え、次回も小さい事件が起こりつつも幸せに暮らしていくのだろう。なかなか和むアットホームな物語。 -
「東京バンドワゴン」シリーズ第2弾。
堀田家の面々とご近所さんが繰り広げる日々の出来事に笑顔と涙を添えて・・・。
冬にはカフェに置き去りにされた赤ちゃん
春にはIT企業の若きイケメン社長、藤島さんの秘密
夏には小学生のおばけ騒動
秋には藍子とマードックさんの2人展
を中心にあれこれ問題が持ち込まれて。
登場する人物たちが気さくで、親切で、愛すべき人たちであることは間違いない。
一家の長として家族の中心にいる勘一さんは、ますます元気で、一言一言が経験からくる重さを放っている。
勘一さんが幽霊騒動の小学生・光輝くんに言った言葉。
「男の子はよ、やせ我慢ってものをしなきゃならねぇんだ。どんなに淋しくてもよ、辛くてもよ、自分一人で頑張るんだっていうやせ我慢ってやつをよ」(P240)
ちょっと我慢が足りない日常を送っていた私は、耳が痛かった。
また、飛行機の時間にもう間に合わないとあきらめかけた藍子の元に駆けつけて、空港まで送っていくとさらりと言う藤島さんがとにかくかっこいい!!
ハンサムでお金持ちで何をするにもスマートで、人あたりもよくて誠実で茶目っ気もあり、非の打ちどころがない。
ところが、その藤島さんを差し向けたのが小学生の研人くんで藤島さんにこう言ったそう。
「一大事だからポルシェをかっ飛ばして今すぐ来いって。男の心意気を見せるチャンスだぞってね」(P307)
研人くんの今後の成長が楽しみ!
女性陣もステキなんだけど、今回は男性たちの魅力的な言動がとても印象に残る。そんな中にあって、長男の紺も安定した魅力を放ちストーリー全体を引き締めていると思った。
もちろん、我南人さんの「LOVEだねぇ」も健在。
ときおり心の中で私も呟いてみる。
シリーズはまだまだ続く。ゆっくりと読んでいきたい。
書店員さんによる解説も本に対する愛情に満ちていて素敵だった。 -
シリーズ第2弾。古本屋「東京バンドワゴン」を営む大家族のお話。
雑然としているけど家族ってなんだか暖かくていいなぁと思う。現在のこの家族の雰囲気に至るまでの過去のストーリーもあり、さらに掘り下げた内容になっていてよかった。食卓での鉤括弧のオンパレード、つまり入り乱れた会話はもう定番。小説ならではの表現。「この人の話はここに繋がって…」と鉤括弧を飛んだり戻ったりしながら読むのが楽しい。
簡単にまとめると
冬…中をくり抜かれた本とお店に置き去りにされた赤ちゃんの話。
春…50冊の本を売った後で変装して1冊ずつ買い戻しに来る謎の客と常連さんの知られざる過去と覚悟の話。
秋…本から出てくる幽霊と店主の秘密の話。
夏…「呪いの目録」と殺人未遂事件、東京バンドワゴンの過去と新たなスタートの話。
泣きながら読める話もあった。当たり前の日常が突然なくなることもままあるし、何年も誤解したまま歳月を経ることもある…そんな中で手を取り合っていけるこの家族、そして周りの人たちの物語にジーンときます。
キャラの一推しは店主の息子で伝説のロッカーの我南人(がなと)。もう僕の中で強烈なイメージが出来上がってる。飄々として基本軽い口調なんだけどキメるところはバシッとキメるかっこいいキャラです。 -
冬から秋にかけて、心が温かくなる物語は続いていきます。
登場人物も多い分、日々いろんなことが起こります。
サザエさんのようにその日常を描くだけでも読ませる物語になりそうだけれど、本書の素敵なところはきちんと時間が流れているところ。
家族が増えてく、恋愛が発展していく、過去が明かされていく。
時間が流れることはいいことばかりじゃないけれど、だからこそ大切な日々の営みに目を向けることができてより愛おしくなります。
騒がしい朝の食卓でこっそり見られる勘一の素っ頓狂なチョイスも、読み進めていくうちに楽しみになってきました。胡麻豆腐にお酢、コーンスープに七味、次はどんな組み合わせを…と気にならずにはいられない。
読んでいて、楽しいなあ。 -
東京バンドワゴンシリーズの第2弾。
堀田家の家族の周りで、小さな、事件とも言えない不思議な気になる出来事が発生し、その行く末を見守るうちに、家族愛に見守られて、却って絆が深まるような形で解決していく。
そんな心温まるエピソードを通じて、堀田家の面々も少しずつ成長していく、という、これは堀田家の成長物語。
家族のみんながこれからどのように成長していくのか、続きが楽しみだ。