終末のフール (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 2069
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464436

感想・レビュー・書評

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  • もし明日世界が終わるとしたら、あなたは何をしますか?
    …っていう質問ってよくあると思うんだけど、これって究極。

    世界の終わりが予告されていて、人類に、地球に残された時間はあと3年。
    そんな極限の状態の中で、ひとびとはどう生きるのか。

    短編集だけど、登場人物みんなが仙台に住むご近所さん。
    互いに関係し合っていて、その存在が知らず知らずのうちに救いになったりしているのが、すごく自然に上手く描かれていた。

    終末が見えていても希望を捨てずに強く生きるひと、私もそうなりたいなとしみじみ。

    最初に書いた質問に対して、普通に日常を送る、って答えられたらなんて素敵だろうなあ。
    明日世界が終わるとしたら、その答えと同じ過ごし方を、毎日の中でできたらいいなって思う。
    すごく難しいことだけどね。

    とりあえず私は、自分の大切なひとたちと残された日々をのんびりと暮らしたいなと思います。

  • 伊坂幸太郎作品ではこれが一番好きかもしれない。
    「隕石で地球滅亡が知らされてから数年経った後のパニックがちょっと落ち着いた小康状態」という絶妙な所を切り取った作品で、終わりに向かう人々の絶望しているわけでもなく案外淡々としている描写が良い。
    この中では冬眠のガールがとても好き。

  • 生きなきゃ。がんばって生きなきゃ。

  • 次の朝、目覚めたら世界がなかったらいいのに。
    って、ちょっと辛いことがあったときに思ったりしたことがあるけど、カウントダウンな感じで、そんな事があったら、それでも自分は生きてるのかな。

    地球に寿命があるってTVで見たときは、
    自分がとっくにいない世界のことなのに、
    絶望したのを思い出した。

    なのに、ストーリーは全部どこかほのぼのしてて、みんなが、一人じゃないとこが、かっこいい。
    かっこいい人を目標にして過ごそう。

  •  「世界の終わり」というありがちで魅力的な背景。きっと世界はめちゃくちゃになっているところも多いだろうけれど、その中で閉鎖的に書かれた仙台の住宅街。伊坂作品の醍醐味である、複数の主人公が間接的につながっている描かれ方。なかなか個性的なキャラクターが面白い。お気に入りはキャプテンことスーパーの店長。
     僕の個人的な感想だけれど、終末であれば、もっと人間的なものが表面に出るキャラクターが出ていいと思ってします。主人公たちは世界の終わりを認めて、日常を日常に過ごしているけれど、もっと吹っ切れた登場人物がほしかった。

  • 読みやすい。久々に会った家族の話が好き。

  •  あと3年で地球に小惑星が衝突して人類が滅亡する、という時に、仙台北部の「ヒルズタウン」の住民たちは何を思い、どう過ごしているのかを描いた短編8作品。
     初めての伊坂幸太郎の作品で、もっと事件性のある感じを期待したが、ものすごく静かな、落ち着いた感じの小説だった。もう仕事とか止めて適当、というか思い思いに生きている主人公たちの様子ばかり読んでいると、おれは週明けからまた仕事をするのが嫌な気持ちになってしまった。文体はとても軽快で読みやすい。ただ読んだ後のカタルシスみたいなものが得られず、これはこれで面白いがイマひとつ、という感じだった。(13/09/15)

  • 「世界が終わる」
    この状況に直面したら自分はどうなるか。
    それでも明日を生きようと思えるか。理性を保てるか。本能に溺れるか。恐怖に打ち勝てるか。
    色んなことを考えながら読んだ。

    登場人物が皆まっすぐで綺麗。
    どんなに暗い中でも希望は生まれるんだなと思った。
    最後のシーンが印象的。

  • 「終末」を過ごすマンションの住人達の群像劇。

    「築城のビール」「冬眠のガール」「鋼鉄のウール」が特に良かった。

    「冬眠のガール」の美智のような、素直で人の悪意に気付かないような女の子は、守りたくなってしまう。

  • 伊坂氏らしさ全開の一品。特殊な状況設定が人間描写に効いている。

    追記。最初に読んでから五年ほど経過して、今の日本の状況と照らし合わせて、この本が持つメッセージ性を肌で実感し始めた。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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