終末のフール (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464436

感想・レビュー・書評

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  • 地球が数年後なくなるとしたら・・・
    短編集かと思ったがそれぞれの話が微妙につながっていたり
    人々の行動の描写などが細かく、面白いのだが
    最後はどうなるのーーーーという思いが強く残ってしまった。

  • 2013.05.08読了。
    今年19冊目。

    なぜか今まで読んでいなかった終末のフール。
    ミステリーじゃないので少し物足りなさはありつつも面白かった!

    隕石があと3年で地球に落下し地球は滅びると言われたら...みんな終末までどんな風に生きていくのかが描かれている。
    悲観し自殺したり、行き場所のない感情(怒りや悲しみ)を爆発させ暴れる輩が出て来たりしながらも、それでも結局は死を受け入れて生きてくという。

    こんなことってあり得ないけど、もしこうなったら私もはじめはじたばたするだろうけど、結局は特別な何かをするでもなく日々を過ごしていくのかなと思う。

    冬眠のガールと演劇のオールがほっこりで特に好き。
    最後にレンタルビデオの延滞を回収しに行ったのも伊坂さんらしくて。

  • あと3年で隕石が地球にぶつかる。

    そんな世界で生きる人々の、ささやかな日常生活。
    子供ができたり、死のうとしたり、恋をしたり。

    連作短編集なので、前回の登場人物が次の話に少し顔を出すような
    伊坂流の遊びごころは健在。

    ≪隕石がぶつかり世界が終わる≫というと、
    新井素子の『ひとめあなたに……』を思い出す。
    今作は、パニックが一旦おさまってから、またパニックが始まるであろう間までの
    束の間の平和な時間なのかもしれない。

  • 泣ける本を探して購入。
    結果一滴の涙も出なかったけど、まさに「万馬券を当てた」ような出会いだった。
    泣けない、だけどいい。そこが良い。
    そんな本は初めてです。
    どの話にも必ずある最高の一文に惚れ込みました。
    大好きです。

  • 死、という目に見えないなにか
    隕石、という見たことのないなにか

    そんな恐怖が過ぎ去った、
    ちょっぴり平和な瞬間たちの物語。

    毎日毎日、人は暮らしてゆく。
    日常、は続いている。
    未来が無いと知っていても、
    彼らは毎日生きてゆく。
    なんのために?
    人は動物であって、その枠からは逃げられないのだと改めて思う。

  • 再読。終末でも未来をぼんやり見ている、ほんの少しでも前向きな姿勢は心に残る。障害児を持つ親の気持ちがよくわかる。

  • ちらほら胸に突き刺さる名言あり

  • 8年後に地球が滅亡する話。

    単行本を借りて読んでたため積ん読。

    地球が終わってしまうならそれでもいいけど
    争って死んでいくのは嫌だ。
    のんびり楽しんで終わりたい。

  • 八年後、小惑星が地球に衝突し、世界は消滅します。

    …突然そんな宣告を受けたとき、人はどんな風に生きていくのか。
    仙台にある架空のマンションを舞台に、複数の主人公がまっすぐに時に不恰好に終末のときを生きている、オムニバス作品です。


    読み終わって感じるのは、私達は意外と、終末の世を生きてる世代なのかもしれない、と思った。
    突然小惑星の衝突を報じたニュースを見た世の中の反応はきっと911の時に近いし、直後の秩序を失った世の中、食糧の奪い合いと逃げるための大渋滞は、おそらく311直後の東京を浮かべる人が多いと思う。
    この街で、誰が生きているか定かでない。道ゆく人は「お互い、無事で何よりだな」と声を掛け合い、懐かしい友は誰かしら家族を失っている…それは、今の被災地の姿に他ならない。
    いつ世界が滅びるかなんてわからないけど、私達もこんなに酷い世界に生きて、でも毎日過ごしている。
    上述のような連想をしてしまうから、万一こんな事態になったら、やっぱり世界は混沌として治安は最悪になり生きるのが難しい時代がくるのかな、とも思うけど。
    けど、ビルに吸い込まれる飛行機の映像を見ながら、世界中が祈ったあの気持ち。子ども達に両国のことをバランスよく理解させようと努めたあの先生。クラクションの音のない、静かな甲州街道と、そこに立つ、「トイレ開放してます」のプラカードを持った人達。そして、被災地でであってきた人達。
    もう少し、日本には、マシな結末が訪れると信じてみたいな。
    ひどい社会の描写から離れて、どこか平和なマンションの住民たちの様子に、そんな希望が浮かびます。

    作中、すごく心動かされた言葉。
    「明日死ぬとしたら、生き方が変わるんですか?」(中略)「あなたの今の生き方は、どれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」

    私も多分、終末を予言されても、道は変えないなー。
    明日死んでも後悔しない生き方、なんて陳腐だけど。
    少なくとも、そのときそのとき、それ以上の選択はない!という生き方をしている。していきたい。

    ちょっと泣きました。

  • あと3年、というスパンが絶妙なのだと思う。
    「いつか」でもなく「間もなく」でもない、
    長いような短いような、何かできそうでもあり何も出来なさそうでもあり、のんびりしてても良さそうで焦らなきゃいけないようで、
    でも「それ」が確実に近づいているのだとわかるその感じが、この「世界」の雰囲気を決定付けているように思う。

    生きていこう。世界も人も酷く脆いけれど、
    最後の時にはきっと、眩しく光り輝いて消えていけるのだから。

    解説にあった、塩でスイカの甘さを引き立てるような働きを「死」に求める、という行に激しく納得。小説においては「死」はスパイスみたいなものらしい。多すぎると料理はクドくなって重くなる。隠し味程度で充分。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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