でいごの花の下に (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 219
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464481

作品紹介・あらすじ

プロのカメラマンだった恋人が、死をほのめかすメモと使いきりカメラを残して姿を消した。フリーライターの燿子は、彼の故郷・沖縄へと飛ぶ。青い空と海、太陽と風に包まれて愛した男を追いつづける。出会った人々それぞれの過去や今に触れながら、行方知れずの恋人の秘められた驚愕の真実を知っていく。燿子は失った愛を見つけられるのか。南の島で奏でられた生命の讃歌、濃密で一途な純愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • ギリっとした心が何度も出ていた、これは好きになれないし、自分の心の傷を代償に、仲の良い恋人に向けて牙を剥くこと、まして相手が中学生で、自分が世の中で1番不幸で何をしても許されると思う傲り、女の嫉妬は、女の武器を使えるものなのか?圭を誘惑してそのオバアに慰められたい願望、本当に気分が悪くなりました。オジイや元奥さんから聞いた話は自分の不幸より辛くて改心したけど、変換して置き換えるとか嫌だわ。沖縄は好きでこの本目に止まり、勉強になるけど、自己満足だけだった。ウチナーの心の広さに救われた事だけが救いでした

  • 大好きな沖縄の匂いを感じたくて手にとった。

    期待通り沖縄感満載だった。一方で、沖縄の良い部分ばかりでなく、沖縄が抱える闇に焦点を合わせて書かれており、あらためて考えさせられる内容だった。

    一番の驚きは本著の著者が男性であるところ。女性の感情を見事に描き出しており、見事だった。

  • 普段は図書館借りで手持ち本を増やさない派だが旅行の度に行き先が舞台の本を購入。今回は沖縄本島。戦時中の沖縄は酷かった。集団自決などの浅い情報のみで物語に入ると気持ちをえぐられた。本島との隔たりは今でもあるものなのか気になりつつ、、、

  • 読む前から、沖縄が好きで何度も行ったけど、
    沖縄の歴史を深くまでは知らなかった。
    つらさや悲しみを完全に理解することは不可能だけど、「知る」ことが大切だと改めて感じた。

    主人公の女性の心情や言動が、「えぇ…」って思うところがあり、個人的にストーリー全体はあまり入り込めなかった。

  • 「でいごはやっぱりウチナーの花」...裏にある沖縄戦という傷の深さが非常に、非常に重い。でも心がささくれ立たずにすむのは表のストーリの結末のおかげですね。

  • カバーイラストの通り沖縄感満載のお話だけど
    その内は暗くて濁った沖縄の深い部分でした。
    多分これまで読んできた沖縄舞台の小説の中では
    一番沖縄という地と、血と骨のことが描かれてた。
    ストーリーとしては、
    主人公の女性の行動と心理描写が弱いので
    あまり入り込めないし(私の感じ方で言うと主人公の顔がイメージできない………)
    頁数の割にもう少し深掘りしてほしいなと
    言う所はあったんですが、
    沖縄を知る、を目的に読むとまた変わってくる。
    ずっと読みたかった本なので読めて良かった!


  • 《6月23日は慰霊の日》
    なんとなく手に取り半分ほど読んだところで今日が慰霊の日というニュースを見る。
    本に呼ばれたのかもしれない。
    地上戦が繰り広げられた沖縄。
    敵は一体誰なんだ。
    泣き叫ぶ子を殺せと言う日本兵。
    壊れた物は直せるが、壊れた心は治せない。
    でいごの花の咲く季節にまた沖縄に行こう。

  • 失踪した恋人の消息を追って、沖縄に飛んだフリーライターの耀子。現地で知り合う人々の過去と現在に触れて、失った愛の真実を確かめる彼女の純愛小説。
    池永作品は常に生命と死、そして宿命がテーマ。本作の死は壮絶だ。特に太平洋戦争の終戦間際での沖縄の地獄は、正視できない。浅はかな印象の耀子の存在は、沖縄の真実を理解できない我々本土の人間であるように思う。

  • 主人公は突然恋人に消息を絶たれてそりゃあ悲しくてどうしようもなかったと思うけど、圭くん対してとった行動はどう考えてもイヤな女だ。まったく理解できない。

  • 全体的に暗い。


    女の心情の描き方がグロい。


    沖縄戦時のガマの内部の描写は悲しくて苦しくて辛い。

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著者プロフィール

1998 年「走るジイサン」で第11 回小説すばる新人賞受賞。2002 年「コンビニ・ララバイ」で注目を集める。06 年「雲を斬る」で第12 回中山義秀文学賞受賞。その他著書多数。

「2021年 『おっさんたちの黄昏商店街 それぞれの恋路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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