僕は運動おんち (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464504

作品紹介・あらすじ

運動も勉強もできず、落ち込みがちな高校生の勝。運動音痴から「うんちゃん」とあだ名され、同じ高校に美しい妹が入学してからは変に目立って、ますます死にたい毎日。そんな中、詩を書く柔道部の男子と親しくなり、彼の幼なじみである、髪の長い女子柔道部エースに恋してしまう。なぜか運動部にも入部するハメになり、学校生活は予想外の方向へ-。笑えて元気が出る青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと笑ってしまったり、けど本人はけっこう真剣なんだろなと思ってしまう。

  • なーんだ。ちゃんと「とりえ」はあるんだ。

  • 川入勝。運動ができず、勉強もできにあモテない高校男子。唯一の友達でゴツくて柔道部で、リビドーを無駄に持て余している宇佐田だけが友達である。ある日、クラスでも目立つ美人の波多野さんに自転車でぶつけられ、気になる存在になってしまったが、波多野さんからはどうも嫌われているようで、毎日が暗闇なのだ。

    川入くんの遺書のノートという形で前編が描かれる、男子高校生の日常を描いた作品。一章一章は2~3ページと短く、ほとんどの日は何も起こらない。ただただ、モテなくて死にたいと思い続ける日々が綴られていく。

    しかしそんな中、柔道部の宇佐田が作詞するという能力を披露。そしてそれがきっかけで疎遠になっていくのだった。

    全体にちょっと古いなと思っていたら、途中で御巣鷹山の日航機事故に阪神タイガースの大躍進(バースがいる)、岡田有希子に『ガラスの仮面』31巻と、唐突に1985年であることが明かされていく。

    そこで疑問を感じるわけだ。1985年に、中学生が熱中するラップ(ヒップホップ)があっただろうか?なぜ「1999」なんていう歌詞を思いついたのか?「カワユス」は存在し得たか?

    同時代を経験したからこそおかしいぞと感じる部分もいくつかあり、途中からは少し冷めた目で読んでしまった。あまりに集中して時代製のキーワードを出してほしくはなかったかな。

    終盤では、運動も勉強もダメな川入くんが、とあることから皆の注目を浴びていく。

    作者があとがきで言い訳して入るが、特技を除いてかなり私小説の部分はあるのであろう。川入くんがあまりに救われなくて仕方がなかったのだろうが、実際の高校生なんて、ほとんどが本当に救われずに卒業まで過ごすのである。そういうストーリーでも良かったような気はする。

    まあ、男子高校生は一度読んでみたらいいと思うよ。思い当たるところがたくさんあるだろう。

  • 勉強はイマイチ、運動は出来ない、やたらと親近感を覚える主人公の青春期を描く。

    舞台はノストラ何某の預言よりさらに前なので、懐かしさもあるが、内容は今でも十分楽しめるものである。

  • 運動音痴で有名な川入勝ことうんちゃん。なにも自信がもてないうんちゃんには隠れた才能があった。女の子には知らない男の子の世界にも悩みが盛りだくさん。ちょっとしたきっかけで自分の世界は大きく広がる。世界を広げる”きっかけ”はどこにでも身近に転がっているかもしれない。それをいつ拾う(見つける)か、使うかは自分次第。まず、やってみるも世界を変えるいい方法。可能性はいつでもあるんだよと教えられた気がした。

  • 実際に存在しそうな運動おんちの子の高校生活。登場人物みんな人間らしくて、カッコ悪いところもあって、ほっこりした。時々出てくる下ネタ?も高校生男子って感じでクスッとしてしまう。

    うさちゃんの詩がもっと読んでみたい。

  • 運動おんちのうんちゃんこと川入勝の死にたい毎日。
    様々な人の思惑や感情に巻き込まれて、ジタバタとでも健気に奮闘する姿に頬が緩む。男子高校生のあからさまな青春がユーモラス且つ真摯に書かれて胸を打つ。
    読み進める内に、うんちゃんの魅力に夢中になります。

  • ジュブナイルと言っていいのか、大人になってもこういう本をたまに読むと正気を保てる気がする。
    主人公の妹が兄のことをうっとうしく思っていないのが微笑ましく、たぶんあの妹がいなければ主人公が死にたいと思う理由は別のものになっていたのではないかと思う。かなりおすすめできます。

  • 初枡野浩一。すごくアップテンポな小説。アップテンポと言っても展開が急なわけではなくて、むしろスローテンポなんだけどすごく軽快な話運びというか。主人公のキャラ設定がすっとぼけていて、真っ直ぐだけど愚直で、すごく温かいのに時折毒を吐いて、魅力的なことこの上ない。そして、頻繁に挿入される宇佐田の詩がすごく素敵で味があるなぁと思ったら、この人詩人か…。ハマりそうな世界観とリズム。枡野浩一、他の本も読みたい。

  • 歌人・枡野浩一が詠む歌はもちろん面白いけれど、小説もとても面白い。本作は煩悩だらけの17歳、高校生男子が主人公。徹底して運動ができない勝(しょう)は、バレーをすればサーブが1本も入らず、バスケをすればオウンゴール。同級生たちはそれを面白がって、勝のことを運痴ゆえ「うんちゃん」と呼ぶ。そんな彼だがアソコだけは大きい。見られるのが嫌で、少し離れたところにあるトイレでなぜかしょっちゅう出くわす「うさちゃん」と仲良しに。うさちゃんは柔道部でみんなの人気者。しかし秘かに詩を書いていることは勝しか知らない。国語の成績のみ優秀な勝は、うさちゃんから詩を見せられては感想を言うように。ところが、うさちゃんが勝の運痴ぶりについて詩を書き、ラジオ番組に投稿したことを別ルートで聞いた勝は激怒。……と、あらすじを書き始めてみましたが、書かなくてもいいぐらいぐだぐだウダウダしています(笑)。主人公がなよなよしすぎている影響で、私の小説の好みから少しずれているのですが、それでも青春を感じるこの作品には笑わされ、元気をもらえます。著者の自伝的な部分があるらしく、著者と世代の近い人(1960年代後半生まれ)ならば、登場する実在の出来事や歌を懐かしく思うはず。

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著者プロフィール

一九六八年東京都生まれ。歌人。雑誌ライター、広告会社のコピーライターなどを経て一九九七年、短歌絵本を二冊同時刊行し歌人デビュー。短歌代表作は高校国語教科書に掲載された。短歌小説『ショートソング』、アンソロジー『ドラえもん短歌』、入門書『かんたん短歌の作り方』、『毎日のように手紙は来るけれどあなた以外の人からである 枡野浩一全短歌集』など著書多数。目黒雅也や内田かずひろの絵と組み、絵本・児童小説も手がけている。

「2023年 『おやすみ短歌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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