ハニー ビター ハニー (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.47
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本棚登録 : 2245
レビュー : 295
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464900

作品紹介・あらすじ

陽ちゃんは親友の沙耶香の彼氏だ。でもわたしは彼と寝ている。沙耶香のことは大切だけれど、彼に惹かれる自分を止められない-(「友だちの彼」)。ライブでボーカルの男性に一目惚れし、誘われるままホテルへ。初体験。…あたしは本当にこういうことがしたかったの?(「もどれない」)甘やかで、ほろ苦く、胸のちぎれるような切なさをたたえた全9話。人気歌人初の恋愛小説が文庫オリジナルで登場。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが言うとおりに、あまく、苦く、甘い。
    お菓子の詰め合わせみたいな短編集でした。

    軽やかな余韻と物語のテンポのよさが心地よくて、表紙に惹かれて読んだのですが、どうやら当たりを引いたようです。
    島本理生さんがあとがきを書かれているんですが、あとがきを読んだらもう一度読みたくなって、最初から読み返してしまったほど。

    加藤さんがもつ軽やかさやシャッターチャンスを逃さないような瞬間の切り取り力なるものは、短歌を作る過程で培われたものなんですね。
    いや、むしろそういったセンスがあるからこそ、多くの人に愛される短歌をつくりあげられたのかもしれませんね。

    くすぐったいような恋愛から、苦くざらりとした恋まで、午後の紅茶タイムのおともにおすすめな一冊です。

  • どれもリアリティがない恋愛物語たち。けれどもおもしろい!私の幾つかの恋愛もこの中にいれてぐちゃぐちゃーって混ぜてほしい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「どれもリアリティがない」
      物語を読むって、何を求めているのでしょうね?
      と、フと思ってしまいました。
      「どれもリアリティがない」
      物語を読むって、何を求めているのでしょうね?
      と、フと思ってしまいました。
      2012/12/25
  • ビターの部分が多い気がしました。どの物語も最後どうなるの?という気になる終わりかたばかりでした。登場してくる男性にもっとしっかりして‼と思わずにはいられなかったです。

  • 表紙がすごく可愛いから読んでみた本。元々は短歌を書いてた方が出した短編集なのね。納得納得。すごく言葉選びがお上手だし、出てくるモノも特徴的で、印象に残るものだね。しかし私の読み方がダメだったー!合間にものすごく甘々なラブコメの漫画を読んでしまったから、ほろ苦いこのお話たちに入り込めなかった(ー ー;)次回はもっと大人に気分のときに読んでみよう。

  • 大人向けの少女マンガのような可愛らしい表紙、を裏切らない短編集。
    短歌をつくってらっしゃるかただそうで、短編集のかたち。恋愛の崩壊、関係の崩壊、再生、そういうシーンがあつまっていて、よんでいて心地よい。なれていらっしゃらないのか、会話文も地の文もおもいがけずひっかかって、あれ?とおもうこともあるけど、しかしそれでも人とひととの距離感はうまくすっと心に入ってくる。
    いままでの人生において経験した恋愛にかんする感情が、ふっと生々しく呼び起されて、でもそんなに重くならない。
    この作者さんの短歌がよんでみたい。読んでみたい。

  • 著者が同い年なんですよ。

    出てくる男がみなだめんずに見えるが、これがけっこう現実に近いような。男だけじゃなくて女にも似たような面はある。相手の気持ちに無頓着すぎたり、ずるかったり、ためらいなく相手を傷つけしまったり。

    永遠に続く恋愛なんてなくて、出会って恋が始まってときめいて、関係が落ち着いて成熟する、あるいは熟れすぎて壊れる、とか、常に状態は揺れ動いているもの。だからこそ一緒にいたかったらお互い努力がいるし、きれいごとばかりでもない。

    どうしようもない相手で一度は見限っても、本当に本当にふっきるまでにはもうワンクッションいるとか。何年もわだかまっていたのに、ある日突然ふっとどうでもよくなるとか。あこがれ続けていたのに、急に色あせて見えるとか。

    そういう瞬間瞬間ですよね、きっと誰にもある。

  • 「せつない」の詰まった短編集。

    表紙がすごくいいなあ、ほんとにこんな感じ。
    綺麗に着飾って、髪を巻いて、おしゃれなお菓子を男に食べさせられるのだ。
    女として生まれたことへの何とも言えない悲しみとプライドと美しさがある。


    いまどきの女のにおいがしてライトな感触であるにもかかわらず、苦い。
    題名に添うなら、最初は甘くて、だんだん苦いなあと思うようになっても結局甘さを探して甘いふりをしてしまう、というか。どんなにビターがあっても恋愛をハニーと定義してしまう不思議、というか。
    そういう、恋愛の普段あまり描かれない・けど確実にあるもやもやを題材にしている。

    各短編にスイーツが登場するんだけど、その"女子"感はなんだかむず痒いし例えとして陳腐。
    でもそのスイーツがその話に登場することにはきちんと必然性がある。ちゃんとしている。

    私はもっと文学!って感じのほうが好きなのではまらなかったけど、特定のターゲットに対してはかなり美しく的が絞れてるし、この軽い感触も実はすごく現実に似ていて、リアルなんだと思う。
    現実は軽い。
    そんでもって、恋って変だなあ、困るなあ、と思う。

  • 装丁に惹かれて。

  • せつない。
    その感情ばかりをひたすら詰め込んだかのように、せつなくてせつなくて、だけど少しだけ甘い。
    あぁ、この感情を知ってるなぁ。恋ってこういうものだなぁ。
    と、読み終わって涙が出そうだった。

    せつない話はたくさん知っているけど、これは歌人ならではというか、話の終わり方がとてもきれいだと思う。
    余韻の残し方、というのだろうか。
    男女の始まりや終わりを確かに感じさせているのに、決定的な言葉は記さない。
    だから尚更想像力を掻き立てられて、淡く微かな余韻がずっと続く。
    その後味が忘れられなくて、私はまた、本の表紙を開くのだ。

  • 「ああ、やっぱり好きだ。」

    と、きれいなミントグリーンの水玉の帯に書かれていたことと
    おかざき真里が描いたピンク色の表紙が可愛くて購入。

    9つの甘くてほろ苦い小説。
    切ない。出てくる男はたいていしょーもない男。

    【友だちの彼】
    「ずっとこうしていたい、のは、ずっとこうしていられない、からだ。」
    親友の彼氏と浮気中。
    浮気相手とか無理‥


    【恋じゃなくても】
    「だますように呪文のようにつぶやいていた平気という言葉は、いつのまにかすんなりわたしに馴染んでいた。」

    同棲してる彼氏に好きな人が出来たことを聞かされて
    かと言ってあっちから別れを切り出してくれないなんて生殺しだよ。


    【甘く響く】
    「こういう考え方をするこの人のことが、あたしは本当に好きなんだ。」

    キュンキュン。


    【スリップ】
    「会いたいとか好きとかいう言葉を数え切れなくなるほど繰り返して」

    スイートでビターなお話。
    すごく好きかも。あの甘さと切なさが。


    【もどれない】
    「あたしは、こういうことがしたかったんだろうか。」

    あんま好きじゃない。


    【こなごな】
    「その手を、今すぐ離してほしいような気も、永遠に触れたままにしてほしいような気もした。」

    これも好き。
    彼氏の携帯をこっそり見て、後悔するあの感じ。
    彼に話を切り出すところで終わるから、もやもや~。


    【賞味期限】
    「どうしてなんだろう。どうしてこの人なんだろう。」

    なんか‥わたしかと思った。
    似た経験をしたとかではないけど。


    【ねじれの位置】
    「わたしは完全に浮かれて、ピンク色に染まっていた。」

    リアリティがなくてあまり好きじゃない。
    というかわたしだったら微分積分ハァハァ!ってなる。


    【ドライブ日和】
    「ごめんなさいなんて言葉は、何の救いにも癒しにもならないと知っていた。」

    いつも思うけど、別れを切り出すほうが泣くのは反則である‥
    あのソフトクリーム、わたしも食べてみたい。




    あー、楽しかった!
    このあとが気になるお話もちらほら。
    妄想しながら寝るとします。
    んー、どうしようもない男って、何故かモテるよね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「何故かモテるよね。」
      ナルホド、とっても参考になりました!
      「何故かモテるよね。」
      ナルホド、とっても参考になりました!
      2013/08/20
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著者プロフィール

1983年、旭川市生まれ。2001年、歌集『ハッピーアイスクリーム』で、高校生の時にデビュー。現在、小説・短歌・漫画原作ほか、幅広い分野で活躍。著書に『ハニー ビター ハニー』『あかねさす』など。

「2019年 『ラジオラジオラジオ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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