ハニー ビター ハニー (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2259
レビュー : 296
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087464900

感想・レビュー・書評

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  • タイトルが言うとおりに、あまく、苦く、甘い。
    お菓子の詰め合わせみたいな短編集でした。

    軽やかな余韻と物語のテンポのよさが心地よくて、表紙に惹かれて読んだのですが、どうやら当たりを引いたようです。
    島本理生さんがあとがきを書かれているんですが、あとがきを読んだらもう一度読みたくなって、最初から読み返してしまったほど。

    加藤さんがもつ軽やかさやシャッターチャンスを逃さないような瞬間の切り取り力なるものは、短歌を作る過程で培われたものなんですね。
    いや、むしろそういったセンスがあるからこそ、多くの人に愛される短歌をつくりあげられたのかもしれませんね。

    くすぐったいような恋愛から、苦くざらりとした恋まで、午後の紅茶タイムのおともにおすすめな一冊です。

  • せつない。
    その感情ばかりをひたすら詰め込んだかのように、せつなくてせつなくて、だけど少しだけ甘い。
    あぁ、この感情を知ってるなぁ。恋ってこういうものだなぁ。
    と、読み終わって涙が出そうだった。

    せつない話はたくさん知っているけど、これは歌人ならではというか、話の終わり方がとてもきれいだと思う。
    余韻の残し方、というのだろうか。
    男女の始まりや終わりを確かに感じさせているのに、決定的な言葉は記さない。
    だから尚更想像力を掻き立てられて、淡く微かな余韻がずっと続く。
    その後味が忘れられなくて、私はまた、本の表紙を開くのだ。

  • 「ああ、やっぱり好きだ。」

    と、きれいなミントグリーンの水玉の帯に書かれていたことと
    おかざき真里が描いたピンク色の表紙が可愛くて購入。

    9つの甘くてほろ苦い小説。
    切ない。出てくる男はたいていしょーもない男。

    【友だちの彼】
    「ずっとこうしていたい、のは、ずっとこうしていられない、からだ。」
    親友の彼氏と浮気中。
    浮気相手とか無理‥


    【恋じゃなくても】
    「だますように呪文のようにつぶやいていた平気という言葉は、いつのまにかすんなりわたしに馴染んでいた。」

    同棲してる彼氏に好きな人が出来たことを聞かされて
    かと言ってあっちから別れを切り出してくれないなんて生殺しだよ。


    【甘く響く】
    「こういう考え方をするこの人のことが、あたしは本当に好きなんだ。」

    キュンキュン。


    【スリップ】
    「会いたいとか好きとかいう言葉を数え切れなくなるほど繰り返して」

    スイートでビターなお話。
    すごく好きかも。あの甘さと切なさが。


    【もどれない】
    「あたしは、こういうことがしたかったんだろうか。」

    あんま好きじゃない。


    【こなごな】
    「その手を、今すぐ離してほしいような気も、永遠に触れたままにしてほしいような気もした。」

    これも好き。
    彼氏の携帯をこっそり見て、後悔するあの感じ。
    彼に話を切り出すところで終わるから、もやもや~。


    【賞味期限】
    「どうしてなんだろう。どうしてこの人なんだろう。」

    なんか‥わたしかと思った。
    似た経験をしたとかではないけど。


    【ねじれの位置】
    「わたしは完全に浮かれて、ピンク色に染まっていた。」

    リアリティがなくてあまり好きじゃない。
    というかわたしだったら微分積分ハァハァ!ってなる。


    【ドライブ日和】
    「ごめんなさいなんて言葉は、何の救いにも癒しにもならないと知っていた。」

    いつも思うけど、別れを切り出すほうが泣くのは反則である‥
    あのソフトクリーム、わたしも食べてみたい。




    あー、楽しかった!
    このあとが気になるお話もちらほら。
    妄想しながら寝るとします。
    んー、どうしようもない男って、何故かモテるよね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「何故かモテるよね。」
      ナルホド、とっても参考になりました!
      「何故かモテるよね。」
      ナルホド、とっても参考になりました!
      2013/08/20
  • 切なくて甘くて辛い短編集でした。
    そのあとどうしたんだろう!?と思うものもありました。

    カトチエさんの短編集もっと読みたくなりました。

    あと表紙が可愛くて好きです。

    『スリップ』と『甘く響く』が特に好きです。
    『甘く響く』だけちょっとテイストが違う感じです。

  • はじめて読んだ時、何が良いのか分からなかった。
    はっきりしない、もやもやする、救われない。そんな恋を抱えた登場人物が、それでいいんだーって何故か納得する、みたいな話がいっぱい。
    全然すっきりしないし、不完全燃焼。イラっとする。
    帯に書いてあった「泣きつかれると元気になる」の意味も分からない。どこで泣くの?と。

    ただ、短編で一編一編がさらっとしてるので、煙草のお供にもう一度読み直すことがあった。

    ちょうどそのときは、とても久しぶりに、恋をしていた。そんなときだったからか。何故かうまくいかない、でもどうしようもない…という切ない想いに共感し、興味深く読めてしまった。病んでたなぁ。

    なにが響くかは、その時その時のこちらのコンディションが大きく影響するのだと思い知らされた一冊。

  • 甘いものがひとつひとつモチーフになっている恋愛短編集。弱くて憎めない男たちと葛藤する主人公たち。言葉の選び方が秀逸です。おすすめは「友だちの彼」「ねじれの位置」。

  • 「甘く響く」が好きで不覚にも泣いてしまった。経験したことのある、些細な感情ばかりをこんなにうまく表現しているのは、すごいと思った。文章が寄り添ってくれる感じ。

  • 高校生歌人としてデビューした加藤千恵の短編集。甘くてほろ苦い恋のお話が9篇。友だちの彼氏と浮気する女の子が主人公の「友だちの彼」は彼女の立場だったら生きていけないなー。「もどれない」はそのラインを超えてしまった後、確かに何かが変わってしまう、昨日までの自分にはもう戻れないという心理を絶妙に付いた作品。「こなごな」のマカロンにたいする洞察の鋭さも良い。短歌という限られた文字数を操る世界でデビューしただけあり、言葉の遊び方がとても上手。2012/363

  • 友達の彼氏と寝ている女の子の話など。若い女の子にオススメしたい恋愛短編集。

  • 甘く響くが大好きで何回も読み返してる
    ピュアで可愛い

著者プロフィール

1983年、旭川市生まれ。2001年、歌集『ハッピーアイスクリーム』で、高校生の時にデビュー。現在、小説・短歌・漫画原作ほか、幅広い分野で活躍。著書に『ハニー ビター ハニー』『あかねさす』など。

「2019年 『ラジオラジオラジオ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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