しゃぼん (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 280
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087465044

感想・レビュー・書評

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  • 独特の世界観。

    どこか突き抜けてるけど、たんたんとしていて、嫌いじゃない。

    嫌いじゃないけど、なんか、おしい。


    三十歳になりたくない女。
    美を、女を失うことを悲しむくらいなら、さっさと全部捨ててしまう。
    そんな主人公の話。

  • 吉川トリコさんはこれで四作目になるのかな。


    吉川さんは気になる作家さんであり、この文庫の表紙もすごくかわいくて一目ぼれ。


    さて、内容なんですが、30歳を目前にした花という女性が主人公。


    表紙とはまるで正反対で、花は女であることを捨てた女性。

    仕事はせず寝てばっかりで、基本三日くらいはお風呂に入らない。


    そんな花もかつてはふわゆる系の女子だった。


    ある日ふとしたできごとから女でいることをやめるのだけど……


    そんな花にも同棲して七年目になる彼氏―ハルオがいる。


    どんなに花がブスでひきこもりになっても離れていかない。


    そんな彼もバイトで生活しているのだけど……


    女であることを武器にして生きてる人って、花予備軍だったりするのかも。

    かわいくいるために、きれいでいるために一生懸命な人ほど、ほんの些細なことで、極端にやめてしまうことがあるのかも。


    最後はすごく前向きな終わりかたでよかったです。


    他の三作もよかったです。

  • 想像以上に良かった。
    良かったのは、表題作「しゃぼん」。
    主人公・花の年代が自分にかぶっているので、
    感情移入がしやすかったのもあるかも。
    男の人が読んでも、きっと楽しめるはず。
    自堕落な花と、
    やさしいけれどどっかぬけてるハルオやなっちゃん、
    周りのほんわかやわらかい雰囲気も好き。

    気になって一気に読んじゃいました(^-^)

  • _

  • 2019/06/11

    官能的小説が読みたくて取り寄せた
    性的かっていえば、そうでもなくて
    性 思春期 セックス そういう混沌とした感情が
    思考が、ブレながら安心と安定を求めて模索しているという感じだ。


    ストーリーは一応つながっていはいるが(「しゃぼん」の視点のみ)
    独立しているので短編としても読める。
    読みやすいわけではないし、生々しい、ぬるさ、空気がどんよりとそこにある気さえする。「生きている」小説なので好き嫌いはあるだろう。
    賞をとった「ねむりひめ」は「好き」という気持ちだけで立っている切実さが
    「もうすぐ春が」は現実と快楽のカオスでのたうち回る学生としての生き辛さが
    「いろとりどり」は大人に抑圧されきっている少女の、いやでも成長しなくてはならない嫌悪の感情が
    どれもがカオスで、でもそのどれもの気持ちは少なからず理解できる。

    「しゃぼん」は欠片は分かるけど、花の極端な心の迷走だけは分からずじまい。きっとその他人から理解されない、花という人間こそがテーマだし
    「いろとりどり」の少女の目線はきっとそういう私たちの目線だと思う。
    北海道から帰ってきて、ハルオにセックスをせがんで、少しだけ変化があったんだろう。
    大切なもの、ハルオとは何者か、という本質的なところだけ。だから花は風呂にも入りたがらないし、ヒモでい続けるけど
    支柱だけできた状態。
    今後のふたりのゆくえはわからない。けど、ある種の救いと終着点ではあると思う。

  • 『女による女のためのRー18文学賞』受賞作を含む、女性が主役の短編集です。
    女性が読んでもナチュラルに感じられ、かつ官能的。そんな小説が読みたい書いてみたい、
    緒姉緒嬢のための文学賞。受賞された方では窪美澄さんが有名ですね。面白い、共感できる、
    そう感じられる等身大の女子作品が多いです。同世代あるあるに嬉しくなったりもする。

    受賞作「ねむりひめ」より一話目の「しゃぼん」の方が良かった。
    少し前に読んだ作品で、仕事も家事もせず男の家に寄生するだけの女、という似たような状況のものがありましたが
    こちらの主人公には毒気がない分、圧倒的に読みやすかった。都合よすぎる面もあったけど
    「三十だろうがなんだろうが、心意気次第で余裕で女の子で通るのよなんか文句あるの」
    これで一気にこの子が好きになった。卑屈になるより開き直ろう、楽しんだもん勝ちだ!

  • まさしく女性にしか書けない作品だなと。

  • 表題作の『しゃぼん』のほか、『いろとりどり』、『もうすぐ春が』、『ねむりひめ』の4編を収録。うち、『ねむりひめ』は“女による女のためのR-18文学賞”で大賞と読者賞をダブル受賞した作品だそうですが、賞を過剰に意識して書かれた作品なのか、電車の中では読むのがはばかられるほどのエロ表現頻出。そのわりにちっともエロくない、半端なポルノ作品に感じます。『しゃぼん』は130頁ちょいの中編で、まもなく30歳になる女性が主役。何があったか無職で、宅配ピザ屋の店長を務める優しい彼に甘えまくり。お風呂に入るのが大嫌い、生理中はしょっちゅう血を垂れ流してソファを汚してしまう粗相ありという、女性としてどうなのよと言いたくなるタイプ。だからあまり好きにはなれませんでしたが、『いろとりどり』では『しゃぼん』にちらりと登場した小学生の女の子が主人公に。生意気このうえない彼女がなぜにそんなに生意気なのかがこの編を読めばわかります。『もうすぐ春が』では『しゃぼん』のピザ屋店長が見かけた中学生カップルの女子が主役。これも生々しすぎてキツイものが。ただのエロにならないためには重みが必要。そこが欠けています。

  • 想像力が足りないのか、まったく共感できなかった。

  • 愛情は、一度芽生えたら、ずっとあるものなのだろうか

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著者プロフィール

吉川トリコ(よしかわ とりこ)
1977年静岡県浜松市生まれの小説家。現在は名古屋市在住。
2004年「ねむりひめ」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞・読者賞を受賞。受賞作を含む『しゃぼん』でデビュー。2007年、『グッモーエビアン!』を原作に東海テレビで『なごや寿ロックンロール〜「グッモーエビアン!」より〜』としてドラマ化、2012年映画化。2007年、『戦場のガールズライフ』がドラマ化された。
その他代表作として、『ミドリのミ』『少女病』『マリー・アントワネットの日記』がある。

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