しゃぼん (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 284
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087465044

感想・レビュー・書評

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  • じたばたしたって、わたしもわたしの中に女の子を抱えてるんだなー。
    と、気づかされました。

    初めて読む作家さんで、けっこう破壊度あったりしましたけど。
    (表紙絵とのギャップがぁ……。とか。
    帯の小泉今日子さんの推薦文から、こうくるとは思わなかったよぉ……。とか。)

    「いろとりどり」で描かれた小学生の女の子が、よかったです。
    オトナ向け(?)の小説家さんが書かれる子どもと、
    児童文学作家さんが書かれる子どもって、
    なんか、ちがうんですよね。なんか……。
    でも、この女の子は、すーって入ってきました。

  • 表紙のイラストがあまりにも私好みで、思わず購入。
    表題作とリンクしている作品があったりと、小さな発見を楽しめる。

  • 表題作の「しゃぼん」。三十路前のヒロイン・花の、若さを失うことを恐れて敢えて「女」であることを捨ててしまっている、自堕落で引きこもりな日々。微妙なお年頃独特の焦りを、こんなふうに描くか〜と、ある意味新鮮であった。花の、甘ったれでみっともないなげやりさ…共感はしきれないものの、わからなくはない、と思ったり。
    この「しゃぼん」とゆるくつながっている「いろとりどり」「もうすぐ春が」。これらも同様に、女の子の行き場のない想いが空回りして、痛々しい。
    一番気に入ったのは、デビュー作の「ねむりひめ」かな。ちぐはぐな心と体が、若さゆえに哀しいなとひりひり感じた。
    今まで私が読んだ吉川作品は、めまぐるしい展開に小ネタのオンパレード、マシンガントークの面白さが魅力であった。でもそれはあくまで彼女の一面か。本作でも、会話の端々に挟み込まれる小ネタがいい味出してるけど、印象に残るのは「女の子の切なさ」だ。解説で、南綾子が「何でもない日常は往々にしてバカバカしくて間抜け。悲しいできごとは悲しさの積み重ねで起こるのではなく、本当はそういったバカバカしさの積み重ねが突如悲しみに変貌してしまうのだ。」と述べているけど、本当に心からそう思う。それを吉川さんは見事に表現している。
    「女による女のためのR−18文学賞」、最近、この受賞作家の作品を意識せずとも選んじゃっているんだよね、ハズレないです。この文学賞、侮れない。

  • いつまでも、乙女でいたいと願う30歳目前で足掻いちゃうニートの花ちゃんのお話。
    他3話。
    表題のしゃぼんの、花ちゃんの気持ちに引っ張られすぎちゃった。
    途中からへこんじゃった。
    なんかね、訳の分からないモヤモヤで苦しい感じ。(アタシと似てる部分があったからかな?)
    で、最後の方に花ちゃんが北海道に住むお姉ちゃんに会いに行くんやけど、、、。
    会いに行ってくれて良かったぁ。
    夜中に姉妹で色んな話をするんやけど花ちゃんだけじゃなくアタシもスッキリしたもん。
    ゆで卵の殻がツルツルって剥けた様な感じ♪

    ☆しゃぼん
    ☆いろとりどり
    ☆もうすぐ春が
    ☆ねむりひめ

  • 前読んだ同著者の本が良かったのでまた違うのを読んでみました。

    今回のもやっぱりよかったなあ。
    この人の作品の雰囲気は大好き。
    でもあえて一番を決めるとしたらやっぱり最初の話かな…。
    たぶん一番泣いたので。

  • インフル療養中に読了。ちょっとしたことにすごい共感。表題作の花の気持ちは、みんな持ってるものなのかもしれないなぁ。

  • 女の子、という表記は、何歳代から何歳代まで、って括られるものじゃない。
    だってきっと、花のようなことでみんな悩むもの。
    そんな当たり前のことを感じる本でした。
    普段は表に出ない部分を言葉にしたような、そんな部分が多かった。

  • 読んで数頁で気が付いた。この本、前も買って読んだと。でも、最後まで読んだし、普通に面白い。表題作の「しゃぼん」の花の気持ちもハルオの気持ちも両方なんとなくわかっと、なんとなく悲しい。でも、このカップルが不幸せなわけでもない。それが、多分胸をつくのかな…

  • ******引用******

    「こんなこと、あたしが言うことじゃないかもしんないけど、いや、べつにいいんだけど、花ちゃんの好きなようにしていいんだよ。この部屋で眠りたいだけ眠って、あのパンをつぶして食べようがつぶさず食べようが、そんなことはどうでもいい。好きにすりゃいいよ。なんにも文句言わない。でも、」
     そこでなっちゃんは一旦、言葉を区切った。鏡の中、目だけはそらさないで。
    「誕生日までにいっこだけ、なんでもいいから欲しいものを見つけなさいよ。そうしなきゃもう遊んであげないよ」
     厳しい口調ではなかった。子どもをなだめるような優しい声だった。でもそれは命令だった。


    ―― 『しゃぼん』 p.82

  • すごく素敵ですごく好き

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著者プロフィール

吉川トリコ(よしかわ とりこ)
1977年静岡県浜松市生まれの小説家。現在は名古屋市在住。
2004年「ねむりひめ」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞・読者賞を受賞。受賞作を含む『しゃぼん』でデビュー。2007年、『グッモーエビアン!』を原作に東海テレビで『なごや寿ロックンロール〜「グッモーエビアン!」より〜』としてドラマ化、2012年映画化。2007年、『戦場のガールズライフ』がドラマ化された。
その他代表作として、『ミドリのミ』『少女病』『マリー・アントワネットの日記』がある。

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