しゃぼん (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 284
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087465044

感想・レビュー・書評

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  • 独特の世界観。

    どこか突き抜けてるけど、たんたんとしていて、嫌いじゃない。

    嫌いじゃないけど、なんか、おしい。


    三十歳になりたくない女。
    美を、女を失うことを悲しむくらいなら、さっさと全部捨ててしまう。
    そんな主人公の話。

  • 吉川トリコさんはこれで四作目になるのかな。


    吉川さんは気になる作家さんであり、この文庫の表紙もすごくかわいくて一目ぼれ。


    さて、内容なんですが、30歳を目前にした花という女性が主人公。


    表紙とはまるで正反対で、花は女であることを捨てた女性。

    仕事はせず寝てばっかりで、基本三日くらいはお風呂に入らない。


    そんな花もかつてはふわゆる系の女子だった。


    ある日ふとしたできごとから女でいることをやめるのだけど……


    そんな花にも同棲して七年目になる彼氏―ハルオがいる。


    どんなに花がブスでひきこもりになっても離れていかない。


    そんな彼もバイトで生活しているのだけど……


    女であることを武器にして生きてる人って、花予備軍だったりするのかも。

    かわいくいるために、きれいでいるために一生懸命な人ほど、ほんの些細なことで、極端にやめてしまうことがあるのかも。


    最後はすごく前向きな終わりかたでよかったです。


    他の三作もよかったです。

  • やっと読み終わった。
    たしか、10月から読んでる。

    最初読み始めた時、なんか主人公の花が、受け付けなくて、ほんと、すっごく受け付けなくて、一回やめたら読めなくなりそうで頑張ったけど、頑張って読むのも無理で、でも無理して読むのってなんか失礼な気がしたし、読むのやめて、もう読まないだろうと思ったけど、一昨日アメトークの、読書芸人見て、なんか触発されて、再読。読めました。ちょっと泣けました。

    花は最後まで好きにはなれなかったけど、うん、まぁ、気持ちは分かるかなって。受け入れれないけど。

  • 想像以上に良かった。
    良かったのは、表題作「しゃぼん」。
    主人公・花の年代が自分にかぶっているので、
    感情移入がしやすかったのもあるかも。
    男の人が読んでも、きっと楽しめるはず。
    自堕落な花と、
    やさしいけれどどっかぬけてるハルオやなっちゃん、
    周りのほんわかやわらかい雰囲気も好き。

    気になって一気に読んじゃいました(^-^)

  • _

  • 2019/06/11

    官能的小説が読みたくて取り寄せた
    性的かっていえば、そうでもなくて
    性 思春期 セックス そういう混沌とした感情が
    思考が、ブレながら安心と安定を求めて模索しているという感じだ。


    ストーリーは一応つながっていはいるが(「しゃぼん」の視点のみ)
    独立しているので短編としても読める。
    読みやすいわけではないし、生々しい、ぬるさ、空気がどんよりとそこにある気さえする。「生きている」小説なので好き嫌いはあるだろう。
    賞をとった「ねむりひめ」は「好き」という気持ちだけで立っている切実さが
    「もうすぐ春が」は現実と快楽のカオスでのたうち回る学生としての生き辛さが
    「いろとりどり」は大人に抑圧されきっている少女の、いやでも成長しなくてはならない嫌悪の感情が
    どれもがカオスで、でもそのどれもの気持ちは少なからず理解できる。

    「しゃぼん」は欠片は分かるけど、花の極端な心の迷走だけは分からずじまい。きっとその他人から理解されない、花という人間こそがテーマだし
    「いろとりどり」の少女の目線はきっとそういう私たちの目線だと思う。
    北海道から帰ってきて、ハルオにセックスをせがんで、少しだけ変化があったんだろう。
    大切なもの、ハルオとは何者か、という本質的なところだけ。だから花は風呂にも入りたがらないし、ヒモでい続けるけど
    支柱だけできた状態。
    今後のふたりのゆくえはわからない。けど、ある種の救いと終着点ではあると思う。

  • 『女による女のためのRー18文学賞』受賞作を含む、女性が主役の短編集です。
    女性が読んでもナチュラルに感じられ、かつ官能的。そんな小説が読みたい書いてみたい、
    緒姉緒嬢のための文学賞。受賞された方では窪美澄さんが有名ですね。面白い、共感できる、
    そう感じられる等身大の女子作品が多いです。同世代あるあるに嬉しくなったりもする。

    受賞作「ねむりひめ」より一話目の「しゃぼん」の方が良かった。
    少し前に読んだ作品で、仕事も家事もせず男の家に寄生するだけの女、という似たような状況のものがありましたが
    こちらの主人公には毒気がない分、圧倒的に読みやすかった。都合よすぎる面もあったけど
    「三十だろうがなんだろうが、心意気次第で余裕で女の子で通るのよなんか文句あるの」
    これで一気にこの子が好きになった。卑屈になるより開き直ろう、楽しんだもん勝ちだ!

  • まさしく女性にしか書けない作品だなと。

  • 表題作の『しゃぼん』のほか、『いろとりどり』、『もうすぐ春が』、『ねむりひめ』の4編を収録。うち、『ねむりひめ』は“女による女のためのR-18文学賞”で大賞と読者賞をダブル受賞した作品だそうですが、賞を過剰に意識して書かれた作品なのか、電車の中では読むのがはばかられるほどのエロ表現頻出。そのわりにちっともエロくない、半端なポルノ作品に感じます。『しゃぼん』は130頁ちょいの中編で、まもなく30歳になる女性が主役。何があったか無職で、宅配ピザ屋の店長を務める優しい彼に甘えまくり。お風呂に入るのが大嫌い、生理中はしょっちゅう血を垂れ流してソファを汚してしまう粗相ありという、女性としてどうなのよと言いたくなるタイプ。だからあまり好きにはなれませんでしたが、『いろとりどり』では『しゃぼん』にちらりと登場した小学生の女の子が主人公に。生意気このうえない彼女がなぜにそんなに生意気なのかがこの編を読めばわかります。『もうすぐ春が』では『しゃぼん』のピザ屋店長が見かけた中学生カップルの女子が主役。これも生々しすぎてキツイものが。ただのエロにならないためには重みが必要。そこが欠けています。

  • 想像力が足りないのか、まったく共感できなかった。

  • 愛情は、一度芽生えたら、ずっとあるものなのだろうか

  • 受賞作品の「ねむりひめ」はよくわからなかったけど、「しゃぼん」は自分の中のモヤモヤとマッチして読んでいて「切ないね、辛いね」って思いました。

  • しゃぼん…評価はこの作品。女の子からおばさんへと変貌する時期の悩み。個性豊かな人たちが生き生きしていて楽しい。欲しい物が全て手に入らなければ、何もいらない。この考えを改めた時から新しい生活が始まる。
    いろとりどり…しゃぼんに登場する万引き女子小学生が主人公。母娘で家出するも母は逃げる事を止め、家へと帰る。こんなお母さん、いっぱいいそう。
    もうすぐ春が…しゃぼんに登場する階段でセックスしていた中学生の女の子が主人公。手に負えない性をどう扱ったらいいのかわからないけど、手探りで愛と性を見つめながら成長していく女の子。女の強さと男の弱さが見え隠れする。
    ねむりひめ…R18受賞作品。多分これは独立した話。もっと過激なのを想像していたが割と普通な性描写。女はいかにして淫乱になるのか、そんな事が書かれているみたい。女なら誰もが淫乱ではないと僕は思う。むしろ淫乱なんてほとんどいないと思う。

  • 再読

  • 可愛いイラストに惹かれて購入。こんなに可愛い表紙なのに表題作の主人公は似ても似つかないズボラな女の子。この二人はこんな感じでお互いを少しずつスポイルしながら続いていくのだろうか。個人的には「いろとりどり」の方が好み。少女と大人の間を描いたような短編集。2013/248

  • 仕事もせず、恋人に養ってもらいながら家でごろごろする毎日。
    美容院にも行かない、化粧もしない、お風呂も3日に一度だけ。
    女を捨てているとしか思えない29歳の花。
    なぜ彼女はこんな風になってしまったのか。
    なぜ彼氏はそんな彼女を甘やかすのか。


    年が近い割に、全く共感できず。。
    ただただ、理解に苦しむだけでした。

    表題作の他に3編ありますが、なんとなく、物哀しい話ばかりに思えました。

  • 今まで一冊の本の中でこんなにも
    「生理」という言葉を見ることはありませんでした(笑)

    内容とはあまり関係ないのですが
    読み進めていくうちに
    「あれ?この作家さん名古屋の人かな?」と思ったのですが
    解説で名古屋の方だと書かれていて
    「やっぱりねー」と納得しました。

    方言とまではいかないんだけど
    名古屋独特の言い回しや形容詞というか。


    個人的に「もうすぐ春が」には
    いろいろと思うことがあったのですが
    長くなるのでいずれ日記にでも書くとして。

    「ねむりひめ」はどの作品よりも
    一番共感しました。

    ものすごく大好きで
    もう別の次元で愛しちゃってるような彼ほど
    セックスに意味を持ちたくないという気持ち。

    えらく下世話な言葉になりますが
    彼のイクときの顔は見たいのに
    自分のイクときの顔は見せたくない、みたいな。

    彼に知っていてほしいのは
    「かわいい女の子」な私であって
    決して「女」ではないんだ、というか。


    多分、男性が読んだら「………」となりそうな作品ですが
    自分の中には可愛い女の子がいるという
    ひそかにそんな神話を抱いてる女性なら(私も含め)
    多分、きっと、面白いと思う。


    でもあんまり男性には読んでほしくない(笑)

  • 花のだらしなさにひかないハルオが素晴らしい。てか愛なのかな?愛なんだろな。

    中学生カップルの話は痛々しすぎてこたえた…

  • およそ10代の少女の話を、大人が書いたと分かる描写で綴られている。浅そうで深く、脆そうで強い。
    短編として載っている、R-18文学賞受賞作が一番面白かった。

  • 吉川トリコのR-18受賞作が収録されている本が図書館にあったので、借りてきてみた。巻頭の表題作「しゃぼん」と、連作というべきか、登場人物が重なる短編がふたつ、それと巻末の「ねむりひめ」の4篇。

    「しゃぼん」と「いろとりどり」がよかった。女らしくとか、女の子らしくとか、子どもらしくとか、そんなんからはみだした自覚のある女と、はみださないように目立たないようにふるまう子どもが出てくる。その二人が交差する場面がよかった。

    「しゃぼん」に出てくる花(もうすぐ30歳)は、こんなことをつぶやく。
    ▼…女をやるのは、エネルギーが大量にいる。私のようなずぼらにはとうてい無理だ。女をやるのは疲れる。
     女でないのならいったいなんなのだと訊かれたら、そんなのこっちが訊きたいよ、と思ってしまう。ニュアンスでわかってくれ、と思う。とにかく女ではないなにか。私はそれだ。これまでずっとそうやってきた。そして、ここ一年ほど、一瞬たりとも女をやってない。(pp.21-22)

    「いろとりどり」に出てくるまりあ(12歳)は、こんなことを思う。
    ▼いったい、ほんとうの自分ってなんなんでしょう。
     あたえられたお洋服を着て(そりゃあ女の子ですから、多少の好みはありますけど、ああでもその「女の子ですから」ってのがくせもので、それだってあたえられた役割をこなしているのにすぎない気もします)、あたえられたものを食べて、あたえられた屋根の下、あたえられたベッドで眠り、あたえられた時間に学校へ行き、あたえられた課題をこなし…。
     だれかに(いったいだれに?)あたえられるものだけで、私たちの生活は埋め尽くされています。どうしたい、こうしたい、などと考える前に、ハイ次! 次! 次はこれ! どこからともなくスケジュールが押し寄せてきます。(pp.141-142)

    連作3篇は、生理や初潮の場面があって、ちょっと血のにおいがする。

    (11/3了)

  • じたばたしたって、わたしもわたしの中に女の子を抱えてるんだなー。
    と、気づかされました。

    初めて読む作家さんで、けっこう破壊度あったりしましたけど。
    (表紙絵とのギャップがぁ……。とか。
    帯の小泉今日子さんの推薦文から、こうくるとは思わなかったよぉ……。とか。)

    「いろとりどり」で描かれた小学生の女の子が、よかったです。
    オトナ向け(?)の小説家さんが書かれる子どもと、
    児童文学作家さんが書かれる子どもって、
    なんか、ちがうんですよね。なんか……。
    でも、この女の子は、すーって入ってきました。

  • 表紙のイラストがあまりにも私好みで、思わず購入。
    表題作とリンクしている作品があったりと、小さな発見を楽しめる。

  • 表題作の「しゃぼん」。三十路前のヒロイン・花の、若さを失うことを恐れて敢えて「女」であることを捨ててしまっている、自堕落で引きこもりな日々。微妙なお年頃独特の焦りを、こんなふうに描くか〜と、ある意味新鮮であった。花の、甘ったれでみっともないなげやりさ…共感はしきれないものの、わからなくはない、と思ったり。
    この「しゃぼん」とゆるくつながっている「いろとりどり」「もうすぐ春が」。これらも同様に、女の子の行き場のない想いが空回りして、痛々しい。
    一番気に入ったのは、デビュー作の「ねむりひめ」かな。ちぐはぐな心と体が、若さゆえに哀しいなとひりひり感じた。
    今まで私が読んだ吉川作品は、めまぐるしい展開に小ネタのオンパレード、マシンガントークの面白さが魅力であった。でもそれはあくまで彼女の一面か。本作でも、会話の端々に挟み込まれる小ネタがいい味出してるけど、印象に残るのは「女の子の切なさ」だ。解説で、南綾子が「何でもない日常は往々にしてバカバカしくて間抜け。悲しいできごとは悲しさの積み重ねで起こるのではなく、本当はそういったバカバカしさの積み重ねが突如悲しみに変貌してしまうのだ。」と述べているけど、本当に心からそう思う。それを吉川さんは見事に表現している。
    「女による女のためのR−18文学賞」、最近、この受賞作家の作品を意識せずとも選んじゃっているんだよね、ハズレないです。この文学賞、侮れない。

  • いつまでも、乙女でいたいと願う30歳目前で足掻いちゃうニートの花ちゃんのお話。
    他3話。
    表題のしゃぼんの、花ちゃんの気持ちに引っ張られすぎちゃった。
    途中からへこんじゃった。
    なんかね、訳の分からないモヤモヤで苦しい感じ。(アタシと似てる部分があったからかな?)
    で、最後の方に花ちゃんが北海道に住むお姉ちゃんに会いに行くんやけど、、、。
    会いに行ってくれて良かったぁ。
    夜中に姉妹で色んな話をするんやけど花ちゃんだけじゃなくアタシもスッキリしたもん。
    ゆで卵の殻がツルツルって剥けた様な感じ♪

    ☆しゃぼん
    ☆いろとりどり
    ☆もうすぐ春が
    ☆ねむりひめ

  • 前読んだ同著者の本が良かったのでまた違うのを読んでみました。

    今回のもやっぱりよかったなあ。
    この人の作品の雰囲気は大好き。
    でもあえて一番を決めるとしたらやっぱり最初の話かな…。
    たぶん一番泣いたので。

  • インフル療養中に読了。ちょっとしたことにすごい共感。表題作の花の気持ちは、みんな持ってるものなのかもしれないなぁ。

  • 女の子、という表記は、何歳代から何歳代まで、って括られるものじゃない。
    だってきっと、花のようなことでみんな悩むもの。
    そんな当たり前のことを感じる本でした。
    普段は表に出ない部分を言葉にしたような、そんな部分が多かった。

  • 読んで数頁で気が付いた。この本、前も買って読んだと。でも、最後まで読んだし、普通に面白い。表題作の「しゃぼん」の花の気持ちもハルオの気持ちも両方なんとなくわかっと、なんとなく悲しい。でも、このカップルが不幸せなわけでもない。それが、多分胸をつくのかな…

  • ******引用******

    「こんなこと、あたしが言うことじゃないかもしんないけど、いや、べつにいいんだけど、花ちゃんの好きなようにしていいんだよ。この部屋で眠りたいだけ眠って、あのパンをつぶして食べようがつぶさず食べようが、そんなことはどうでもいい。好きにすりゃいいよ。なんにも文句言わない。でも、」
     そこでなっちゃんは一旦、言葉を区切った。鏡の中、目だけはそらさないで。
    「誕生日までにいっこだけ、なんでもいいから欲しいものを見つけなさいよ。そうしなきゃもう遊んであげないよ」
     厳しい口調ではなかった。子どもをなだめるような優しい声だった。でもそれは命令だった。


    ―― 『しゃぼん』 p.82

  • すごく素敵ですごく好き

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著者プロフィール

吉川トリコ(よしかわ とりこ)
1977年静岡県浜松市生まれの小説家。現在は名古屋市在住。
2004年「ねむりひめ」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞・読者賞を受賞。受賞作を含む『しゃぼん』でデビュー。2007年、『グッモーエビアン!』を原作に東海テレビで『なごや寿ロックンロール〜「グッモーエビアン!」より〜』としてドラマ化、2012年映画化。2007年、『戦場のガールズライフ』がドラマ化された。
その他代表作として、『ミドリのミ』『少女病』『マリー・アントワネットの日記』がある。

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