- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087465396
作品紹介・あらすじ
郊外のさびれた遊園地「コキリコ・ピクニックランド」には、なぜかわけありの人々が集まってくる。勤め先の金を持ち逃げし、遊園地の物置に住みついた女性銀行員。愛人に会社をクビにされた美人の受付嬢。記憶喪失で行き倒れていた正体不明の女性…。さまよう彼らに、居場所は見つかるのか?ユーモラスでどこかせつない、気鋭の歌人のデビュー小説集。
感想・レビュー・書評
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東 直子 著
今、とても興味を持っている作家さん(*'▽'*)
以前読んだ小説「とりつくしま」が良かったので、本作品も短編集の小説を選んで読んだ(まだ2冊目だったのか〜(*´-`) 短いのが残念すぎるほどの満足感です⁎ˇ◡ˇ⁎✩*)
奇特な人だと思います!
ズバリそれが私の東直子さんに対する印象。
この短編集は7編の短編で構成されている
・長崎くんの指
・バタフライガーデン
・アマレット
・道ばたさん
・横穴式
・長崎くんの今
上の6編の短編はキーワードの場所として
コキリコ.ピクニックランドが登場する。
7編目は番外編のように
・夕暮れのひなたの国—あとがきにかえて
どの作品も不可思議な怖いような感覚になる作品なのだけど…
一編目の”長崎くんの指”
最初の3行目から思わず吹き出してしまった
エッ!何、何⁈引き寄せられて読み進めてしまいましたよ(°▽°)東直子さん、面白い!
このセンスたまらない!
コメディかと思いきや…真剣!笑い泣けるか
ちょっとしんみりなっちゃう(*´ω`*)
この作品に宛てた、ど素人の私の感想一句…
“読みだして3行目で吹き出した
笑いのなかの戸惑う涙寂しさのわけ”
謎解きレビューか…(。-_-。)
7編の短編集はどれも違った作風で、主役の登場人物も違う(長崎くん以外は…)
そして、どの作品も謎を残したまま終わる
ひとつの物語が終わりそうな予感するたびに頁を開くのが惜しい気がする。
どうするのよ、どうなっちゃうんだろ?
その続きを教えてほしいような…知りたくないような、、気になるけど余韻を残して終わるって感じでもなく何とも不思議なコトりと終わってしまう話。これが東直子さんの世界なんだなぁと妙に納得してしまう。
物語りの内容を追ってラストでネタバラシすることに重点を置いてるわけじゃなくて、
この心理、感覚が伝わればいいという感じが潔くて好きだなぁと思います。
どの作品も情景とその時に感じた思いや感覚が上手く表現されている。
すべての作品のレビューをしたいところだけど、何しろ短いお話なので…まずは読んで感じてほしい。
登場人物のキャラはどの人も気になり覗いてみたくなるのだけど…。
やはり長崎くん(*ꆤ.̫ꆤ*)
ここで私の感想短歌二句め(≧∇≦)
“美しい指を持つ人長崎くん目が離せない
会いたい見たい恋におちたの”
いい加減にしろよ!と思われたでしょ^^;ww
スミマセン(>人<;)
短歌のことは全然知らない私、思いついたことを雰囲気で詠んでしまって…(・・;)
難し過ぎ。本当は今回は歌人、東直子さんの短歌の本を読むつもりだったのだけど探せず、好きな小説に傾倒してしまいました。
短歌は勉強して出直し〼
作中で長崎くんの口からこぼれた歌
いつかとは、いつのことですか
いつかとは、いつのことですか
風がふいているのは
きまぐれなだけですか
いつかとは、いつのことですか
いつかとは、いつのことですか
いつかまた、会えるのでしょうか
この歌…私が描いたのか(*⁰▿⁰*)って思うくらい(な、訳ないでしょう〜(〃ω〃)またかいな)その時の気持ちにピッタリだった♪
解説は同じく、歌人である穂村弘さんが
東直子さんの印象について描かれていた。
初めて会った時、なんだか、ぽや〜んとしたひとだなと思ったーでも、彼女の短歌は凄かった。歌つくりの場になると急にエンジンがかかる、というわけではない。
(違うのかいな(^^;;心の声)
ぽやーんとしたまんま、するすると凄い歌を詠んでしまうのだ。
穂村さんの感じた東直子さんのイメージ、
すごっく、分かる〜って思った( ´∀`)
私は勿論、実際のご本人を知らないし、見たこともないわけだけど…東さんの描く世界というか、イメージが私の中でもブレずに生きてる感覚です。ぽやーんとしたままでも…
穂村さんのおっしゃる『東さんにとっての詩の原液たる〈想い〉は、彼女がいつも感じているらしい行き場のなさとかさみしさに関わっていることがわかってきた。』
流石によく知り、よく見てらっしゃるわ〜と唸りました。
東直子さんの描くものの中に、いつもその片鱗を見て、心の奥にあるものを窺い知る気持ちになります。
“とりもどすことのできない風船を
ああ遠いねえと最後まて見た。”
“怒りつつ洗うお茶わんことごとく
割れてさびしい、ごめんさびしい”
(解説より引用)
やっぱり、胸に沁みる東さんの短歌。
これは、小説のレビューなんだけど…(⌒-⌒;
どちらでも、どちらもいい!
とにかく、気になる、惹かれる作家さんです♪
『水銀灯が消えるまで』この本のタイトルにも魅せられた。 -
夜の遊園地。遠くに光る観覧車。ひとり佇む少女の髪にはメリーゴーランドのユニコーンと白い花が挿されていて。
酒井駒子さんのこの表紙、本当に素敵。
寂れた遊園地「コキリコ・ピクニックランド」を舞台にした、不思議でどこかひやりとするお話。
勤め先の金を持ち逃げし、遊園地の物置に住みついた女性。
蝶を愛するおじさんに惹かれてしまう女性。
愛人に会社をクビにされた美人受付嬢。
記憶喪失で行き倒れていた正体不明の女性。
心霊スポットの取材に訪れた女性。
指の綺麗な長崎君の既成事実。
遊園地は本来楽しい場所で思い出にも深く影響するけど、だからこそ寂れたり廃園になると足を踏み入れるのが怖い場所になります。あぁエキスポ、奈良ドリームランド・・・。ひらパー頑張れ。
観覧車って外から見ている分には動きもゆっくりで怖くない気がするけど、あれ結構怖いんだよね。揺れるし高いし降りられない。
昔、男の子と二人で乗ったら相手がにじり寄ってきて、逃げて、にじり寄ってきて、逃げて・・・(しかも急に立ち上がると揺れる!)
という経験を踏まえ、何とも思わない異性と乗ってはいけないことを学んだのでありました。 -
再読なのに何この初読感、な一冊。郊外のさびれた遊園地「コキリコ・ピクニックランド」に絡めた5つの短篇集。指、蝶、酒、記憶、洞窟、そして既成事実。どれも白昼夢のような着地点のないフワフワした印象。歌人・東直子さんの初の小説ということですが、短歌・小説全ての中でやはり1番好きな作品でした。次点で『さよなら窓』かな。穂村さんとは魂レベルで恋人なのだと再確認(笑)。
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寂れた遊園地、登場する人物、それらが放つ言葉の暖かみや面白さ、なんでこんなに素晴らしい小説が映像化されていないのだろう。「長崎くんの指」「道ばたさん」など不思議でどこか抜けてるようでいるのに、隙間に見えるセクシーさがなんともいい。
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長崎くん大丈夫か?
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何かしらの事情を抱えた人が寂れた遊園地「コキリコ・ピクニックランド」へやってくる短編集。「長崎くんの指」を改題。
不思議で少し物悲しい雰囲気の話。
酒井駒子さんの装丁も雰囲気に合っていて良い。 -
透明感がある。
しんみり。 -
【本の内容】
郊外のさびれた遊園地「コキリコ・ピクニックランド」には、なぜかわけありの人々が集まってくる。
勤め先の金を持ち逃げし、遊園地の物置に住みついた女性銀行員。
愛人に会社をクビにされた美人の受付嬢。
記憶喪失で行き倒れていた正体不明の女性…。
さまよう彼らに、居場所は見つかるのか?
ユーモラスでどこかせつない、気鋭の歌人のデビュー小説集。
[ 目次 ]
[ POP ]
職場の金を盗んで逃げた銀行員の女が、出会った男の指に惚れる、そんな話が著者の手にかかると惚けた哀しみを醸し出す。
山奥の遊園地で息を引き取った老職員を透明な観覧車に乗せて労をねぎらう「アマレット」、大切な物事を忘れてしまう「長崎くんの今」など、コミカルなのに知らずに胸をつかまれている。
『長崎くんの指』を改題。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
『水銀灯が消えるまで』…見慣れないタイトルに書き下ろし?と思ったら『長崎くんの指』を改題したのですね。綺麗なタイトルに酒井駒子さんの素敵なイラスト、そして名久井さんのデザインに惹かれて再読。さびれた遊園地「コキリコ・ピクニックランド」に集うわけありの人々、それぞれのひとつひとつの物語が今でも鮮やかに思い出されることに驚く。ふわふわ心許ないけれどそれが当時は心地良かった作品が、実は自分の中ではしっかり根付いて忘れられないものに育っていたんだなぁ。さらに愛おしい作品になりました。あとがきの短篇はやっぱり秀逸。
素敵なレビューありがとうございます。
長崎くんの口からこぼれた歌、いいですね!
私もいいなあと思いま...
素敵なレビューありがとうございます。
長崎くんの口からこぼれた歌、いいですね!
私もいいなあと思いました。
いつかとは、いつのことですか
~
いつかまた、会えるのでしょうか
書き写してくださってありがとうございます。
今日は、私がお礼を言います。
コメントありがとうございます(*'▽'*)
とても嬉しいです♪
まことさんも長崎くんの歌いいなあ〜と
思って頂き書...
コメントありがとうございます(*'▽'*)
とても嬉しいです♪
まことさんも長崎くんの歌いいなあ〜と
思って頂き書き写した甲斐がありました。
いつも、まことさんから素敵な詩を紹介して
頂いて、感激してるのに…
今回は私がお礼を言ってもらえるなんて‼︎
嬉しい(*゚▽゚)♪ テヘッ(´∀`*)