家日和 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 4961
レビュー : 666
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087465525

作品紹介・あらすじ

会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは…。今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • どこにでもあるかのような夫婦あるいは家族の姿を、水彩画の様に点描した6短編。
    『サニーデイ』ネットオークションにのめりこんだ主婦の顛末をユーモラスに。
    『ここが青山』主夫業に生き甲斐を見出した失業男。
    『家においでよ』やはり、男の憧れ!
    『グレープフルーツ・モンスター』不倫小説に行ってしまうかと思いきや・・・
    『夫とカーテン』夫の事業と妻の才能発揮が、シーソーのような夫婦。
    『妻と玄米御飯』家族の健康を考える妻の深謀遠慮。
    いずれも、心がホッとし、読後に暖かな余韻に浸れる。

  • 6つの短編集。夫婦の日常にまつわる現実を、苦さと温もりとの丁度良い匙加減で教えてくれます。以下印象的な作品を簡単に。

    『サニーデイ』
    ネットオークション出品を通して自己肯定感を得る妻。あれもこれもと歯止めがきかなくなる気持ちに共感する人は多いはず。

    『ここが青山』
    突然の解雇で夫は主夫に。家族という味方。

    『家においでよ』
    別居した夫と妻のインテリアに対する価値観。妻側の気持ちが痛いほど伝わって切ない…。

    『妻と玄米御飯』
    ロハスな生活に傾倒し始めた妻と、それを内心うんざり感じる作家の夫。奥様の一人勝ちかな?笑

  • 短編は相変わらずあんまり得意ではないが、会社の方からお借りしたので読んでみた。

    この作家さんの作風、好きだなぁ(*^^*)

    読んでると凄くドキドキするのに、落ちが全部痛くなくて、ホッコリ温かくなるような、優しい小説。

    落ち込んでいる時はこの作家さんの本がいいな。じんわりと胸にしみて、幸せになるような、そんな感じ(*^^*)

  • ずっと好きでいられるわけではないかもしれない。
    独身のように自由気ままではいられないのかもしれない。

    それでもやっぱり、誰かと一緒に、なんてことない日常を過ごせるのは幸せなんじゃないかなぁ。特別なことをしなくたって、隣にその人がいるだけで落ち着くと感じる瞬間があるのなら。

    鑑賞を益田ミリさんが担当されていることも意外で、良い意味で脱力できそう。

  • 家族に纏わる短編集。『サニーデイ』オークションに嵌る主婦の話。承認欲求ってやつですかね、暴走っぷりに可笑しさと一抹の切なさ。『ここが青山』似たようなドラマがあったのを思い出しました。適材適所、性別に拘らなくていいんだよね。『家においでよ』これをやられたら、女性としては仁美さんと同じようにそそくさと退散するしかないですね。『妻と玄米御飯』これ、奥田さんの実体験?といったリアルさが(たぶん、違うだろうけど)面白かった。巻末の益田ミリさんの漫画も含めて、くすりと笑えてじんわり楽しかった。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは…。今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。

    入り込みにくくて苦手な短編集。でも、この本の中の物語は家庭内の出来事ばかりでどれもすんなり入り込めた。特に主夫になった・・・はほっこりしたわ。奥さんがめげること無く働きに出て旦那は主夫に・・・自然体で良かった。

  • ささやかな、でも家族にとっては大きな変化。それを巡る家族の様子。温かな気持ちになれる。
    でもほんのちょっと、「男の隠れ家」「考えなしの転職」みたいな男には作り物めいて終わりが優しいのに「フリマサイト」「在宅ワークの仲介」とかの女性にはちょっと居心地が悪くなる過程を用意していませんか。

  • 「家」を舞台に中年夫婦を描く短編集。

    新婚の甘いカップルではなく、いつか離婚届を突きつけてやろうと思いながら日々をすごす夫婦でもなく、いろんなズレやらなんやらを感じながらの二人の生活を描いている作品。意外とこういうのないのよね、なかなかいいなぁと思いながら読破しました。

    お気に入りは「夫とカーテン」。見通しが甘く、猪突猛進であきっぽく、何かとしでかす旦那に対し、げんなりしたりいらいらしたりしながら、アイディアを出して手伝ったり、根っこの部分でこの人と暮らしていきたいと感じてる彼女。これからも、いろいろしでかしながら、ちょっと規格外だけど、この二人、意外に幸せに暮らしていくのでは・・・と感じさせる心地いい作品。

  • どこにでもありそうな家族の出来事が描かれている。分かるなぁとうなずいてしまう短編集です。

    特にそうそう!と思ったのは「妻と玄米御飯」。猫も杓子もロハスの時代。大人にはいいかもしれないけど小学生の子供にはちょっとね。でもいきなり経済的に余裕が出て、お洒落な人たちと交流が始まって、影響されてロハスに走るって奥さんの気持ちもわかる。何事もほどほどが一番ですね。

    あと妻に出て行かれたあと家を自分好みに模様替えしていく男性の気持ちもよくわかる。今まで諦めていたものを取り戻し、自分の城にしたいよね。

    全体を通して、心が暖かくなる雰囲気の本です。読後、自分の夫に優しくしようと思った。

    • だいさん
      >自分の夫に優しくしようと思った。

      世の旦那さんはすべて、そう願っていると思いますよ。
      >自分の夫に優しくしようと思った。

      世の旦那さんはすべて、そう願っていると思いますよ。
      2017/11/03
    • reader93さん
      だいさん、ありがとうございます
      だいさん、ありがとうございます
      2017/11/03
  • 読み終えた時に思わず微笑んでしまう話ばかりだった。

    まさか最後に真珠のイヤリングを?!と余計な心配。これはもう夫のレコード・プレーヤーを何としてでも落札するしかないな。の「サニーディ」

    初っ端から夫の会社が倒産、これはちょっと重くなるのかと思ったら、妻が仕事に復帰し夫婦共に適材適所、そこが青山だったの?な「ここが青山」

    妻との別居をきっかけに妻の好みの家をすっかり自分好みの男の溜まり場に変えてしまい、あらあらと心配したが、それが逆に妻の気持ちの刺激になりお互いを必要としているのかな?の「家においでよ」

    「グレープフルーツ・モンスター」妄想の自由。(笑)

    転職を繰り返す夫にあきれていたが実は天性の営業マンなのだと気付き、夫に対する頼りがいや幸せを初めて感じる。せっかくだから生活の心配がない時もいいイラストが描けて、自分の才能も伸ばしたらいいのに。な「夫とカーテン」

    作者自身の実話ですね。な「妻と玄米御飯」作者のロハスに対する考え方が一般的なのかわからないが、あまり知らない自分も同じように考えていた。誤解もあるのかも。玄米御飯がどうだとかじゃなくて、結局作者が奥さんを愛しているところが微笑ましくて好き。

    軽い訳ではなく温かい愛を感じ、心がホッとする短編集。面白かった。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2019年 『ヴァラエティ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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