- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087465976
感想・レビュー・書評
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岩波の若手社員向けの講義録。時代小説を題材に日本文化論や日本人論を語るという真面目で質の高い内容であり、題名に反して?結構読み応えがある。著者は他著でも文学作品を「史料」として扱い、近現代史を振り返るという試みを行っているが、今回は時代小説に限定して行っている。そこには時代小説を、それが書かれた時代背景の影響を受ける現代小説(同時代小説)として解釈するという、ある種のアクロバティックさがある。
少々気になるのは著者は「私」への懐疑があるのか、近代的自我に対して批判的な立場をとっている点である。結果、純文学には概ね否定的な印象を受ける。著者の思考がこの事を前提として展開している事には留意しておく必要があるように思える。 -
13/09/10。
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小説を読みこむとはこういうことなのか、恐れ入りました。。
書かれているのは氷山の一角であり、小説として表出されるまでの作者や時代の背景まで踏まえて読む、著者の視野の広さと深さに驚く。
歴史認識の重要性、無知なるものに個性など存在しない・・・なるほど。
自分の時代小説に対する関心の低さの理由がわかった気がした。
時代小説はテーマをより純粋な形で物語るために適した時代に舞台を設定しているだけで、かたちを変えた現代小説なんだ、納得。 -
藤沢さん大好きだし、時代劇も結構たくさん見てきたので、この本とても楽しかったです。特にあまり知らなかった長谷川伸の章を興味深く読みました。その後BSで放送された高倉健主演「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」を見て、あ、なるほど、と思いました。
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結構読んでるほうだと思ってたけど実はまだまだだな、私。
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再読。同じ小説を読むのでも、作者や書かれた背景について知っているのとそうでないのとでは、面白さがまったく違うということが分かる一冊。