ゴヤ 2 マドリード・砂漠と緑 (集英社文庫)

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  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087466485

作品紹介・あらすじ

王侯貴族から肖像画の注文が次から次へと舞い込み、画家として最盛期を迎えたゴヤ。人物の両手の指を全部描く場合は、全身像よりも値段を高くするなど、したたかに上流社会へと駆け上がっていく。そんな彼を、瀕死の大病が襲う。18世紀末、祖国スペイン王政に危機が迫り、隣国フランスからは近代の足音が-。ゴヤが遺した数々の絵画・版画作品と共に、波乱の人生を追う傑作評伝、第2巻。

感想・レビュー・書評

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  • かなり分厚い本だ。それも4巻まである。
    ゴヤを通してスペイン、ないしヨーロッパの時代背景を描く。
    ゴヤはついに宮廷画家となるが、当時のスペイン王室や貴族が如何に頽廃していたか。フランス革命は歴史の必然かもしれない。
    ヨーロッパは革命から、さらにナポレオンの時代へと移っていく。当然ゴヤも時代の波に巻き込まれていく。

  • 20180131読了
    図書館から借りてきた1巻があまりにおもしろかったので残り3冊を購入した。2巻をちまちま読んでついに読了。ゴヤがついに宮廷へ入り込み、首席の画家になって聴力を失いアルバ侯爵夫人との仲と別離を経験する50代くらいまで。世界史って似たような名前の人がたくさん出てきて苦手なのだけど、ここでもマリア・テレーサとマリア・ルイーサが出てくる!どっちがどっちだったかしょっちゅう混乱。それにしても当時のスペイン王室の風紀の乱れにはびっくりだ。ゴヤの一生を追いながらその作品を細かに言葉にし(決して礼讃一辺倒ではないのが好感もてる)、さらに当時の社会情勢を見事に伝えてくる文章がすごいと思う。解説は鹿島茂氏、この解説がまた的確。
    20180102蔵書

  • ゴヤ40歳からの人生の頂点、
    そして大病を患うことによる絶望、
    その淵から這い上がるまでを描く。

    相変わらずゴヤを中心にそえつつも、
    周辺の人物、そして18世紀のスペイン史が語られる。
    それを通して時代が変わるということがものすごく伝わってくる。

    世紀が変わってしまうことで、
    人は地獄の様な苦しみを経ないといけないのだろうか。

  • ゴヤという人間を通して描かれる、ブルボン朝スペインの貴族の豪奢で乱れた暮らしぶりと階級社会。ゴヤという人間と絵画作品の評伝でもあり、その時代の政治経済のみならず世俗文化まで圧倒的な取材力をバックボーンに書かれた歴史小説でもある。いずれの部分も面白く、これを読んでから裸のマハを見に行かずしていつ行くか。(※まだ見てないが…)

  • もっと図版が多いといいな。

  • 作家は、ここでもけっしてゴヤに共感を寄せた筆法では書かない。 「見る人」ゴヤを突き放して、透徹した作家の眼で見るのである。 革命と服飾の18世紀が終わり、いよいよ近代も間近に迫る。

  • やっと2巻読み終えられた。激動のスペイン。ゴヤという画家の一生を通して、スペインの歴史を見事に描いている。スペインに対しての印象が4巻を読破したときには、読破する前とまるっきり変わってしまいそうな予感。

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著者プロフィール

1918年富山県生まれ。小説家。1944年国際文化振興会から派遣されて上海に渡るが、敗戦後は中国国民党宣伝部に徴用されて上海に留まる。中国での経験をもとに、小説を書き始め、47年に帰国。52年「広場の孤独」「漢奸」で芥川賞を受賞。海外との交流にも力を入れ、アジア・アフリカ作家会議などに出席。他の主な作品に、「歴史」「時間」「インドで考えたこと」「方丈記私記」「ゴヤ」など。1998年没。

「2018年 『中野重治・堀田善衞 往復書簡1953-1979』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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