怪奇小説という題名の怪奇小説 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 318
レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087466591

作品紹介・あらすじ

「第一章では、私はなにを書くか、迷いに迷って、題名もつけられない」-長篇怪奇小説の執筆依頼を受けた作家だったが、原稿は遅々として進まない。あれこれとプロットを案じながら街をさまようが、そこで見かけたのは30年前に死んだ従姉にそっくりの女だった。謎めいた女の正体を追ううちに、作家は悪夢のような迷宮世界へと入り込んでいく…。奇想にあふれた怪奇小説の傑作が現代に蘇る。

感想・レビュー・書評

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  • 初めましての作家さんだったらしい。
    読んだつもりになってました。

    知らないうちに怪しくて不気味な世界に迷い込み
    先が知りたくて、どんな結末が訪れるのか
    気になってしょうがない。
    そしてたどり着いた結末は・・・
    これは悪夢ですか?
    面白いじゃないですかぁ~
    たまにはこんな本もいいですね

  • 雰囲気、内容、設定と抜群な怪奇小説。
    もう少し長めでも耐えられる作品、いやもう少しデティール多めが良かったかなぁ。
    導入部から一気に作品に引き込まれた。
    以前から読みたいと思っていたので期待して読んだがその期待に見事に答えてくれた。

    大満足。

  • 【本の内容】
    「第一章では、私はなにを書くか、迷いに迷って、題名もつけられない」―長篇怪奇小説の執筆依頼を受けた作家だったが、原稿は遅々として進まない。

    あれこれとプロットを案じながら街をさまようが、そこで見かけたのは30年前に死んだ従姉にそっくりの女だった。

    謎めいた女の正体を追ううちに、作家は悪夢のような迷宮世界へと入り込んでいく…。

    奇想にあふれた怪奇小説の傑作が現代に蘇る。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    道尾秀介さんの直木賞決定直後に復刊した文庫である。

    帯には〈「この作品のおかげで、僕は作家になれました」道尾秀介〉。

    タイムリーだ。

    道尾さんが、都筑さんの名を知ったのはデビュー4年前。

    営業の仕事をさぼって寄った古本屋で、〈*第一章では、私はなにを書くか、迷いに迷って、題名もつけられない〉という珍奇な書き出しの本書を、思わず買ったという。

    道尾さんは文庫解説に記す。

    〈売値を見てみると一〇〇円。これくらいの金額ならまあ失敗してもいいだろう〉。

    早速、営業車の中で読み始めると〈“渾沌”がそこにいた〉。

    作品に衝撃を受けたその日のうちに都筑道夫の名前を拝借し、「道尾秀介」をペンネームに。

    小説をがんがん書くようになった。

    〈いまにして思えば、僕は十二年前、一〇〇円で人生を買ったようなものだ〉

    作品は、書くこと、読むことの面白さと怖さが混然一体となった虚々実々の怪奇譚。

    奇妙な味の傑作だが、これを読めば誰でも作家になれるかは「?」。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 初めての都築道夫作品、タイトルに惹かれ読了。
    作品そのものへの感想というか、思いは、ブクログ読者の大半が抱くものと同じであった。なんのなのだ?どうなったのだ?わからない…理解不能…

    解説の道夫秀介氏は「混沌」という言葉一つで作品を評している。氏のペンネームは「都築道夫」氏から拝借したようで自称大ファンであるとのこと。その心酔ぶりと愛は充分伝わった。にも関わらず一読者として全ての読者にも伝わるに容易い一言を記しているのに、感銘を受けた。

    「一つだけ言えるのは、この本は読み手によって様々に貌を変えるということだ。そして読み終えた人は、きっと一様にこんな疑問を抱くだろうー著者本人は、この本をいったいどう捉えていたんだ?」

    まさに自分がそう感じたことと全く同じ読後感だった。都築氏は一時代を築かれた大家であり、他の著作も読んでみようとは思う。道夫氏が初めて読んだのが今作だったように、ここから始めてみるのがよいだろうと思った。

  • なにがなんだかサッパリ分からない。
    自伝を書いているのかと思ったら、いつのまにか話になっていて、話の中の物語だと思ったら、話の中の出来事で、得体のしれない不気味な話かと思えば、B級映画のようなチープな話で、続くかと思ったら終わりで。
    「よくわからない」という感想しか浮かばなかった。
    しかし、解説を見るとそれで正解?のよう。

    よくわからないまま、読者をよくわからない結末に連れて行くのだから、その道の方に言わせれば「上手い」のだろうけれど、好き嫌いが分かれる作品だと思う。

    作者が何を書きたかったのか、特に何も考えずに書いたのか、それすら見当もつかない。

    解説に今の文芸はファミレスのようなもので、誰でも美味しく食べられて、感想も同じ。独特なこの料理(本)に対してどのような感想を持つのか。とあった。
    「通好みの味なのかもしれないけれど、食べづらい割にはチープな感じがしたわ。私はファミレスの味の方が好きだし、中には驚くような高級なファミレスもあるのよ」
    そう答えたい。

  • 解説で道尾秀介さんが言われている通り、まさに「渾沌」の書である。

    タイトルからして人を喰っており「怪しげ」であるが、その中身はもっともっと「怪奇」そのものである。
    どこへ連れていかれるのかわからない。
    どこへ向かっているのかもわからない。
    そして今、どこにいるかもわからない。

    いわゆる「先が見えない」とはまた違った、この不安定でぼんやりとした読み心地をなんと言おう。
    暗闇の中、手探りで進んで行くよりも、もっと曖昧としたこの気持ち。真っ暗ならば見えないのは当たり前。しかし、この小説は全くの暗闇を書いているのとも、また違うのだ。
    明るいのかわからない、暗いのかわからない。例えるならば、そんな感じだろうか。

    最後のオチには「そ、そうなるのか……」と、残念とも呆然ともつかない、やっぱりどこかよくわからないものだった。
    しかし、この「よくわからなさ」が、この本の魅力でありこの本そのものなのだと、私も思う。

    道尾秀介さんの解説がとてもよかったです。

  • 道尾さんおすすめ。

    ページの隅々までが生々しく息づいているというのに、全体を見たとき、いったい何モノなのかが判然としない。しかし、一つだけ確実に言えることがあった。それは、無理に目鼻をつけてしまったら、この本は命を奪われてしまうということだ。何故ならそれが渾沌だから。

  • 解説は道尾秀介氏。
    ペンネームはこの本の作者から音を拝借したという。
    作家を目指す途上のある時点で大きな衝撃を受けた作品らしい。

    五木寛之『風の王国』を連想する内容だった。
    奇書だと呼ばれているが、小説の小説らしさが(過剰に)発揮された、
    真摯な創作だという印象を受けた。

  • 著者(都筑さん)と、「怪奇小説」を執筆している「私(氏名不詳)」の区別が曖昧であり、また、
    「現実の話」といままさに書かれている最中の「怪奇小説」の区別も曖昧になっており、不思議な世界感が演出されている。

    作家である主人公は「怪奇小説」を書くことになっていたが、どうしても気分が乗らず、ある外国のミステリを盗作することを思いつく。
    舞台を日本に移してその小説を書きつつ、久しぶりに自分の生まれ育った場所に足を運ぶ。そこで、昔死んだ従姉妹を見かける。その従姉妹の姿を追いかけるうち、主人公は自分が書いている盗作の「怪奇小説」と同じ状況に巻き込まれていく。

  • 解説を読んでこの本は読んでいたのだ。でも本文の方はきれいさっぱり忘れていた。それだけこの本の解説は強烈だった。なんと行っても、道尾秀介がこの本で人生を変えたというのだから。人生を変える影響のある本など滅多にない。それだけ内容の濃い小説なのだろう。僕にはそこまで読み込めなかったが。

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著者プロフィール

1929年東京都生まれ。10代より様々な筆名で小説を発表。〈EQMM〉初代編集長。2001年、『推理作家の出来るまで』で第54回日本推理作家協会賞、02年、第6回日本ミステリー文学大賞受賞。03年没。

「2015年 『不思議の国のアリス ミステリー館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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