関ヶ原連判状 上巻 (集英社文庫)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087466805

感想・レビュー・書評

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  • 戦乱の時代に天下統一を狙う勇将ではなく、本筋を外れているかもしれませんが自国の安全と存続を第一目的とする中小の大名たちの行動が興味深い。
    下巻はいよいよ、、

  • 足利の亡霊…本来であれば将軍職ことに着くこともできたはずなのかもしれない細川幽斎。ただ本当の説なのかは知るはずもない。武人と呼べずに文人の足掻きとはどうも男らしさを感じられない。武力を持っての交渉ではなく、この話の中での幽斎の交渉術というのは好きになれない。

    すべての身内であれ、中心であっても己の利のために捨てられる。本当にこの時代を代表する文化人であると言えるのだろうか?

    「関ヶ原連判状」

    安部龍太郎先生の作品は好きだが、やはり細川家は好きになれない。常に時代の覇者をを天秤にかけ生き抜く姿は立派なのかもしれないが、その行動に武を感じることがない。危なくなったら調停を利用して保身を図り、そして家康に保身を図る姿は哀れ以外の何物でもないような気がした。

  • 細川幽斎の密謀を主軸に据えた作品。

    古今伝授なるものがどうして重要な要素なのな、
    そしてその継承者のうちのひとりである、
    細川幽斎がどれだけ異色なのがよくわかる。

  • さぁ、下巻だ♪

  • 贅肉付き過ぎ 読みにくい

  • 初の阿部作品。連判状の中身が気になる。が予測はつくかな。

  • 感想は下巻で。

  • 戦国末期。色々な噂があり,本書もそのひとつの噂である,幽斎は足利十二代将軍義晴の実子という設定での話しだ。後の将軍である,義輝,義昭の兄にあたることになる。
    千利休に茶を学び,三条西実枝の子が成長し,返し伝授する約束で幽斎は古今伝授を受けたが,その子は夭折し,当時の唯一の古今伝授の伝承者となった。これを最大限利用し,幽斎は,徳川,豊臣に並び朝廷をバックにし前田家と連合して第3の勢力を築こうとした。
    関ヶ原の戦いの2日前に,後陽成天皇が勅命により三成方に囲まれ籠城戦を続けて落城寸前だった幽斎を助けたのは,古今伝授が途絶える事を恐れたためだといわれる。朝廷は文化芸術によりその存在意義を保って行くしかないと考えていた公家たちは,古今伝授は朝廷になくてはならない文化であると考えていたからである。
    本書はその古今伝授のことと,秀吉が生前にひょんなことから幽斎に見せて,それを一生悔やむ事になったある書状を手に入れ豊臣方を分裂させようと画策する徳川方の話をメインに進む。
    そのある書状とは,信長暗殺に秀吉も幽斎も加わっていたという連判状だ。秀吉があんなに早く中国路を引き返せたのも,実は信長暗殺が起こることを知っていたからだということである。光秀はまさか信長暗殺を企てた仲間に裏切られるとは思いもよらず,親友だった幽斎にも断られ,信長暗殺の首謀者として抹殺される。暗殺した光秀を討つという大義名分が秀吉にはあり,幽斎は親友といえども,光秀方にはつくことが出来なかった。そこで,当時は藤孝と言っていたが,剃髪して幽斎と号し子供の忠興に家督を譲ったのである。
    忠興の妻は光秀の娘玉子(ガラシャ)のため,忠興は光秀を裏切った幽斎が許せず,当然,親子の仲は良くない。結局は,第3の勢力を築こうとした幽斎の戦略が失敗したとき,関ヶ原の戦いでは前線で三成軍と戦った功で忠興は豊前小倉藩39万9千石を得た。
    関ヶ原の戦いは,徳川と豊臣の争いに当然焦点があたるが,その裏で,様々な駆け引きが行われていたということ。忠興でもガラシャでもない幽斎に焦点をあて,しかも,古今・連判状とを組み合わせた話の構図は面白い。
    全2巻。

  • 細川幽斎(藤孝)が主役の、関ヶ原の戦い(田辺城の戦い)作品。本能寺の変から続く謀略を朝廷の古今伝授とも絡めて描かれて、非常に面白く興味深いものです。田辺城の戦いにスポットを置いた作品はあまり見かけないので、貴重な作品だと思っております。

  • 関ヶ原の戦いにおいて、細川幽斎は古今伝授を盾に朝廷を動かし、和議に持ち込みました。この小説はその幽斎と朝廷との関係に着目し、独自の解釈で発展させた物語です。幽斎が足利義晴の落とし子という説を採用し、さらに本能寺の変の謎も絡んだ、読み応え十分の内容です。また石田三成の重臣といえば島左近が有名ですが、この小説では蒲生源兵衛郷舎が中心に展開されるというのも異色さを感じますね。

    読了日 2011年5月

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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