小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087466898

作品紹介・あらすじ

ご存知、国民的マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。縁あって日本推理作家協会とのコラボ企画が実現しました。ベストセラー作家たちによるトリビュート短編小説が誕生。我らが両さんと、あの『新宿鮫』の鮫島や『池袋ウエストゲートパーク』のマコトとの豪華共演も楽しめる。ギャグあり、人情あり、ハードボイルド風の展開ありの宝石箱のようなアンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 今ちょうど京極さんの作品を読んでるのでつい。思い出したけど私、『どすこい』と『南極人』、むかーし読んでるわ。何だあのメタメタな混ぜるな危険は(^◇^;)

    不覚にもメタ発言に笑ってしまった。

  • 警察関係者が主役を張っている漫画は多いが、さぁ、誰が最強の主人公ですか、と聞いたら、ほとんどの漫画読みが、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の両さん、両津勘吉、と答えるだろう。いや、だって、本編で、あんだけメチャクチャやっていても死なないし、漢らしい気質だし、頭の回転の速さは桁違い、腕っ節の強さも洒落にならんレベル。ゴルゴ13も敬意を払い、フリーザ様でら逃げの一手を打つ。これだけの事が出来る警察官が「最強」じゃなかったら、何なんだろうか。
    そんな警察漫画のトップである両さんの魅力を、多くの小説家たちが書いたのが、この一冊だ。感想はたった一言で済む、ハイレベル。全員が全員、高名な小説家ってのもそうだが、『こち亀』へのリスペクトがとてつもない。どのような選び方をしたのか、そこは定かじゃないんだけど、この本を作る際に、編集者から頼まれたんじゃなく、自分から書かせてくれ、と訴えたんじゃないかな、と思ってしまうくらい、『こち亀』愛がデカい。
    各作家の代表作に登場する主人公たちと、両津勘吉が絡む事で生じる面白さは、もう、とんでもない。原作を知っていると、更に楽しめるだろう。どの作品も最高の一言に尽きるが、あえて、一つの推しを選ぶのであれば、やっぱり、私は石田衣良先生の『池袋ウェストゲートパーク』の主人公・マコトが両さんと、トラブル解決に動く、『池袋⇆亀有エクスプレス』かなぁ。両さんの悪人に対する厳しさと、どうしたって抜けない甘さは、マコトにも通じるところがあるからかも。一番、秋本先生に漫画にして欲しい、と思ったのも大きい。

    この台詞を引用に選んだのは、これこそが、両さんの最大の強みかもしれない、と感じたので。
    差異はあれど、人間、歳を食っていけば、それなりに変わっていく部分もある。
    きっと、両さんも子供の頃と比べれば、変わった部分もあるだろう。
    けど、両さんには、何歳になっても、どんな事があっても、絶対に変わったりしない、人間としての強い芯がある。
    子供の頃から、そういう強い部分を見せて、誰かの為に体を張れる両さんだからこそ、メチャクチャな面に辟易し、敬遠しつつも、何だかんだで、彼を昔から知っている人たちは、両さんを心から嫌ったりしない。それどころか、敬意すら抱くんだろうな。
    変わるのも、変わらないのも、人間らしい。
    両津勘吉って漢が、多くの人から慕われ、なおかつ、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が今もなお、絶大な人気を誇っているのは、そんな人間らしさが眩しいからだろう。
    「勘ちゃんって、本当にぜんぜん、子供の頃からかわってないね」(by藪英次)

  • 豪華作家陣の描く「こち亀」ワールド!10年以上前に出版されていたようなんですが知らなかったー!石田衣良さんの書かれた「池袋⇔亀有エクスプレス」では池袋ウエストゲートパークのマコトと両さんが共演!二人の特徴が出ていて面白かったです♪

  • 7人の作家が書いた 「こち亀」とのコラボ作品です。「こち亀」の両さんは勿論のこと、秋本麗子、中川圭一、大原大次郎といった派出所の面々が作品に出てくるのですが、両さんのハチャメチャさが小説となっても読んでいるだけで、画が想像できるので思わず笑ってしまう作品が多かったです。

  • 1作目はあの大沢氏のもの。

    もちろんこち亀フリークとしては、これは最&高の作品。

    まさか鮫島と両さんのコラボレーションとか・・・夢かよと。

    こういうの面白いな。他のバージョンも読んでみたい。

  • ミステリー、なのか。まだまだ作者さん毎の特徴など解らないけど各種楽しかった☆

  • こち亀の両さんと著名作家がコラボしたミステリー小説!

    「新宿鮫」大沢在昌

    「池袋ウエストゲートパーク」石田衣良

    「ガリレオ」東野圭吾

    「京極堂シリーズ」京極夏彦

    「百舌の叫ぶ夜」逢坂剛

    柴田よしき、今野敏…

    知らない作家がいないのだが…という
    そうそうたる、顔ぶれの作家さんが両津勘吉をかいた本作!

    特にお気に入りのお話のあらすじを少しだけ

    京極夏彦「ぬらりひょんの褌」

    寺井と中野ブロードウェイに行った大原部長
    昔警官になりたてのころに
    アパートでみたぬらりひょんの正体はなんだったのか?という
    疑問を寺井と話していると謎のおやじが現れて…

    ユニークだけどしっかり謎解きをしている楽しい話。


    東野圭吾「目指せ乱歩賞!」

    両さんが賞金目当てにミステリーをかく!?

    金が絡んだら持ち前の力を発揮する
    両さんが描かれていて
    原作者、秋本治もこんな話かいてたんじゃないかな?と
    錯覚してしまった。


    他にも逢坂剛の描く麗子はセクシーだし

    石田衣良の両さんはハードボイルド。
    しかも、「池袋ウエストゲートパーク」のまことと
    一緒に共演までしている!

    とにかく、作家さんによって描くこち亀キャラクターが
    違うので、それぞれの個性があって面白い。

    ただ、面白いのはやはり
    どの作家さんも両さんを金にがめつく、人情深く描いているところ。
    やっぱりそこは、一致するんだなー。

    短編集になってるから一話、一話は短いけど
    読みごたえは抜群でした!

  • 夢のコラボと言ってよいのだけど…。多人数で両さんを描くとズレを感じてしまいますね。あと、中川より麗子の方が使いやすいのかしらん?

  • 鮫島と京極堂が出て来るだけで満足

  • 作家陣の顔ぶれで他作品とのコラボに終始するかと思いきや、オリジナルでこち亀らしさ満載の作品もあってニンマリ。「キング・タイガー」も「目指せ!乱歩賞」もこち亀すぎる。

  • マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が日本推理作家協会とコラボした短編集。
    書いているのは、東野圭吾、石田衣良、柴田よしきなどのそうそうたる面々。
    面白くないわけない!と読んでみました。

    愛されているなあ~両さん、というのが一番の感想。
    ストーリーの趣は違っても、どれもこれも両さん愛であふれています。

    普段小説なんて読まない、読むのはまんがだけという人も、この本ならきっと読めるんじゃないかな。

    私は中でもじんわりくる大沢在昌の作品がすきでした。
    あと、いかにもこち亀っぽいなと思った逢坂剛の作品と。

    図書館スタッフ(東生駒):ほっこり

    ----------
    帝塚山大学図書館OPAC
    https://lib.tezukayama-u.ac.jp/opac/volume/777608

  • 文庫版を再読。「こち亀」を人気作家が書くとどうなるか?各作家のキャラクターが両津勘吉と絡ませるとどうなるのか?といった実験的な作品だったが想像以上の面白さだった。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00236178

  • 【2016年23冊目】
    本屋で見つけて衝動買いしました!
    何たる豪華な執筆陣…

    それぞれの話がちゃんと「こち亀」になってるところがすごい!これはこち亀の世界観をここまで根付かせた秋本先生がすごいのか、執筆してる作家の先生がすごいのか…両方か^ ^

    「こち亀」連載終了というタイミングでこんな本を見つけられてラッキーでした☆

  • 漫画の小説版。面白い。

  • おもしろい、みんなこち亀が好きで、自分らしくこの世界を表現してる。いままで読んだことがない作家さんの文章もあったけれど、これで、他の本も読んでみたいと思っちゃうから、うまい商売だね。いや、商売うんぬん関係なくおもしろい。東野圭吾さんはもともと好きだけど、逢坂剛さんや大沢在昌さん、今野敏さんのミステリー読んでみたいなぁ。そして、やっぱり両さんは楽しい。マンガも楽しむぞ!

  • 豪華!この豪華さこそこち亀ならではなんでしょうね。石田衣良に今野敏、東野圭吾に京極夏彦ですよ。大沢在昌も柴田よしきも逢坂剛も代表作見て笑ったもの。本当に豪華なこち亀アンソロジー。

    もちろん、狙いは京極夏彦ですけども。
    殆どの作家さんは、自作のキャラクターと絡めてこち亀を描いてるのですが、いやまさか南極さんにあの古本屋が出て来るなんてもう嬉しくて嬉しくて!

    塗仏以来、京極さんの本が読みたくて読みたくて禁断症状出てたので、ただただ嬉しかった!
    言いたいことは色々あるけれど、もう、ただただ嬉しかったの!!

    あー好きだーーーー。

    ちなみに京極夏彦さん以外の作品も、メタあり、人情ありハチャメチャ、ブラックユーモアありと、面白かったです。特に東野圭吾さんの作品のオチがなんとも良かったです。

    すごいなぁ、こち亀!

  • 他の警察ものの話より、今野敏のフィギュアの話が一番原作っぽい気がした。原作そんなに読んだことないけど。
    京極さんのは、こち亀要素よりは例の古本屋とか小説家の何十年か後が描かれていることに食いつかざるを得ない。まあ、南極さんもいるしパロディ時空なのはわかってますが。

    • hs19501112さん
      【今野敏のフィギュアの話が一番原作っぽい】

      に、一票入れます♪

      7作品中、もっとも「こち亀」っぽくて、かつ、十二分に作家(今野...
      【今野敏のフィギュアの話が一番原作っぽい】

      に、一票入れます♪

      7作品中、もっとも「こち亀」っぽくて、かつ、十二分に作家(今野敏)の“色”も出ていて、とても良かったですよね。
      2015/08/31
  • 『こち亀』は主要人物が分かる程度しか知識はないが、それぞれの両さんとの絡み方が面白かったです。
    何気なく章の間の印が両さんなのが可愛かったです。

  • 何て贅沢な小説なんだろう…。
    色々な方が書いた両さんを読むことが出来るなんて。
    こち亀はあまり詳しくないけれど、楽しく読めた。
    特に京極夏彦の書く両さんはやっぱり独特で、1番面白かった。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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