ひゃくはち (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 861
感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467147

作品紹介・あらすじ

地方への転勤辞令が出た青野雅人は、恋人の佐知子から意外なことを打ち明けられた。付き合い出すずっと前、高校生のときに二人は出会っていたという。彼は、甲子園の常連・京浜高校の補欠野球部員だった。記憶を辿るうち-野球漬けの毎日、試合の数々、楽しかった日々、いくつかの合コン、ある事件、そして訣別。封印したはずの過去が甦る。青春スポーツ小説に新風を注いだ渾身のデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 痛々しいほど真っ直ぐな青春小説。学生時代に読めたら良かったなと思うほど、見事なまでにまとめられていて面白い。

  • 30数年前に甲子園を目指して、野球漬けの日々を送っていた頃を思い出しました。気がついたら、その頃に部員全員が監督に毎日提出していた野球日誌を探し出して読み返していました。3年間だけなのに家族以上に長い時間を共に過ごした球友たちとは30年以上経った今でも一生の仲間です。
    野球漬けの練習風景やミーティング、部員同志のからかう姿など、本当に私が過ごした時と同じようで思わず筆者の経歴を調べたらやはり高校球児!!!しかも時代は違えど対戦したことがある高校!!!びっくりです。物語としては男くさい面が強いですが私としては同感です。昔を思い出させてくれた、懐かしい余韻を感じさせてくれた作品でした。

  • 今だったらSNSで飲酒と喫煙をばらされて出場辞退、妊娠騒動は面白おかしくマスゴミの餌食でしょうね。自分で責任取れないガキがやるんじゃないと言ってやりたいけど。それでもお父さんには泣かされました。

  • 最初の父の手紙がめちゃ感動した。。
    野球部の仲間たちとの今昔の繋がりが素敵すぎる。
    青春すぎてまぶしーい!!
    読み終わった後心が浄化されたように爽やか。。
    高校野球観たくなる〜

  • とにかく泣けた。
    高校球児のファンには堪らない一冊。

    甲子園に向ける真っ直ぐな思いと、仲間と過ごす大切でキラキラした時間、ノブの純粋な恋愛と、大人になってからでは築くことのできない友情。

    意外な結末に向かっていくクライマックスはページをめくる手を止められない。
    とにかく最高の一冊でした。

  • 背ラベル:913.6-ハ

  • 甲子園を目指す高校球児たちを主役とした青春小説。設定だけを見れば過去に何千回と擦られたものだが、この小説が変わっているのは主人公がほとんど試合に出ないこと。作中で公式戦の打席に立つ場面すら数回で、それも全く活躍することはない。
    そうした珍しい描写だからか、小説自体も主観とメタの二重構造になっている。つまり、主人公たちは全国屈指の強豪校で野球をする「野球エリート」でありながら、タバコを吸い、酒を呷り、合コンをしまくるという裏の顔を持つ。ここには彼らの「高校球児である前に高校生」という哲学が介在している。
    これがメタ的で高校球児をアイドルのように消費する世間へのアンチテーゼになっていると感じた。
    しかし終盤で起こる事件を前にして彼らの哲学は崩れ、「結局、自分たちは一介の高校生ではいられなくて、野球の上になにもあってはいけなかった」という心境に主人公を追い込むことになる。この喪失感のある描写も面白かった。

    惹きつけられる文体と、やけにリアリティのある部活描写が魅力的。特に、「大きな目標を共有することでチームメイトとの絆は深まるが、部活を引退して共有目標がなくなった途端に疎遠になる」という描写が生々しい。
    それでも無意味というわけではなくて、あの時にあのメンバーで過ごした濃密な時間が今の自分を形成している、と個人的体験から思う。閉ざされたコミュニティにおいて幼い価値観を擦り合わせた経験は貴重だったのだと。

    一風変わった視点から、部活の懐かしさと良さを思い出させられた。

  • 甲子園を目指す名門高校、控え選手を描いた傑作。筆者のデビューだが完成度高し。

    「あの夏の正解」が素晴らしかったので筆者のデビュー作も読んでみました。

    筆者はあの桐蔭学園出身、あの高橋由伸の2年後輩という本物の高校球児上がり。その経験が本作のリアリティに大きく貢献。そして一般受験の控え選手という主人公のキャラ設定の素晴らしさ。

    野球部に限らずきっと誰もが持つ若かりし頃の過ちと恥じらい。誰より心を許したであろう友達との再会もためらわれる。そんな甘酢っばい思い出に対し直面せざるを得なくなる主人公。構成が感動をうまく引き出してくれる。

    映画化もされた作品。元高校球児でなくとも過去の甘酸っぱい思い出に浸ることのできる良作でした。

  • 「野球がうまくない子の気持ちを考えてあげましたか。試合に出れないこの側に立ってあげられましたか。今、君は人間として大きく成長させてもらえる環境にいることを絶対に忘れないでください」

    新聞記事か何かで読んだ「高校時代は野球を3年間続けました。ポジションはベンチです。と胸を張って言える子は強い」という記事が思い出される。

  • 青春
    ちょっと気恥ずかしい…でも、絶対に忘れられない様々な思いに共感しつつ、衝撃もありの冒頭からラストまで目が離せない一冊でした。

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著者プロフィール

1977年神奈川県生まれ。2016~2022年に愛媛県松山市で執筆活動に取り組む。現在は東京都在住。2008年に『ひゃくはち』でデビュー。2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞、2019年に『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA馬事文化賞を受賞。その他の著作に『95』『あの夏の正解』『店長がバカすぎて』『八月の母』などがある。

「2023年 『かなしきデブ猫ちゃん兵庫編  マルのはじまりの鐘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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