小説フランス革命 3 バスティーユの陥落 (集英社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467604

作品紹介・あらすじ

弁護士デムーランの煽動で起ち上がったパリ市民。暴動は一気に燃え広がり、圧政の象徴、バスティーユ要塞を陥落させた。さらに、ミラボーの立ち回りによって、国王に革命と和解させることにも成功する。勝利に沸き立つ民衆だったが、食糧難と物価高は改善されず、暮らしは一向に楽にならない。再び不満を募らせた彼らがとった、大胆な手段とは-。歴史巨編、急展開の第3巻。

感想・レビュー・書評

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  • バスティーユ要塞の陥落といえば、フランス大革命の最初の山場である。というより、さらっとした理解では、この陥落こそがフランス革命であると勘違いしかねない。そのくらい印象的な大事件である。確か、オスカルが戦死したのも、このあたりの設定だったと思う。

    実際のところどうだったのかはもちろんわからないけれど、この小説では、ごく普通の人たちが集まって盛り上がっている中でひょいと生まれた、一種の弾みのように感じる。物足りないという漢字もしたけれど、実際のところ当事者にとってはそういうモノなんだろうと思う。そういえば、あくまで小説であって歴史の本ではないから、登場人物は常に当事者である。当たり前のことなんだけど、それが新鮮なのだろう。

    有名なヴェルサイユ行進も同じだ。女たちが集まって国王一家をヴェルサイユからパリに拉致してしまう事件も、実に台所っぽい話になっていて、なんだか、そのあたりで普通に起きる事件のような漢字である。

    ミラボーが戦う姿が痛ましい。革命の最初の頃こそ圧倒的な迫力で革命を前へ進めていたけれど、実はきっちりとバランスを取りながら理知的に物事を運んでいく彼は、そろそろ革命から取り残されつつあり、そうなってしまえば、反動勢力になってしまうのが納得できる。このあとのことを考えると、なんだか切ない。

  • ・パスティーユ陥落が最大の見せ場なのだけど、物語はその前後が読みどころ。(巻末の解説が篠沢教授なのも感慨深い)
    ・ミラボー、ロベスピエール、デムーラン、目的は有るところまでは一致しているが、思惑は異なっていて、そして、誰の思惑通りにも革命は進んでいないところが面白い。
    ・自分の思惑を超えて流されながら自身の虚像が肥大化していくデムーラン、終盤ではミラボーにも転機が訪れそう。先が楽しみ。

  • ぐちゃぐちゃすぎてフランス大丈夫?なお話し

  • 解説:篠沢秀夫
    グレーヴ広場◆略奪騒ぎ◆市政庁◆直談判◆武器をさがせ◆バスティーユ◆苛立ち◆走れ◆突入◆バリケード◆総決起◆援軍◆白旗◆革命か、暴動か◆誰の勝利か◆敗者◆革命なったというならば◆さらば、貴族よ◆人権宣言◆王の拒否権◆新たな危機◆パレ・ロワイヤル再び◆なにかしないと◆女たちの理屈◆ヴェルサイユ行進◆珍客◆親切◆女たちの勝利◆絶望◆密使

    著者:佐藤賢一(1968-、鶴岡市、小説家)

  • 一巻二巻と心地よく読めたので、三巻が待ち遠しかった。ミラボーからデムーランに主人公が映るのかと思いきや、デムーランは主人公たりえない。むしろ彼女に気圧されてるしwロベスピエールもおどおど塩飽なったけど、主導権握るような感じはまだない…

  • いよいよ革命は民衆をも巻き込んだ壮大で、後戻りのできないものへと変化していく。ヴェルサイユ行進の成功は、国王一家、そして議会をパリに引きずりだす。これらから先この革命はいかにとめるのかミラボー、しかし歴史の結果からわかることはそれはかなわなかったこと。そしてロベスピエールが向かう先も…
    革命が複雑化し、さまざまな想いが交錯していくようになり、これからが目が離せなくなる。

  • とうとうバスティーユが。

  • 7/12晚上進軍到市政廳廣場,巴黎開始出現食糧掠奪、和對物價高騰(徵稅請負人)的發洩。巴黎市常設委員會還在大布爾喬雅手上。
    7/13四處尋找武器,在傷兵院沒收槍枝三萬枝(附近的練兵場有國王軍隊…),但是以常設委員會的名義,一般民眾無法取之。
    7/14為尋找武器,前進巴士底堡壘(舊時代堡壘,原本是市區邊界,擴張後就變成格格不入的建築,裡面才關七個人,還有薩德侯爵但據說被移走了),有廢兵80人,及30個瑞士傭兵,有數尊大砲。有建築職人放下第一道吊橋,群眾衝入,發生槍戰,開始架堡壘,燒草堆避免被瞄準。後來(轉成巴黎市民兵隊)近衛兵來加入,巴黎市常設委員會勸降不成,反而終於讓分化的群眾奇蹟似地結為一體,近衛兵決定用大砲轟第二道城門的吊橋,有廢兵從裡面開門,巴士底監獄陷落。
    地方都市開始造反。

    7/15國王至議會宣布撤回凡爾賽和巴黎軍隊。拉法葉就任巴黎民兵司令官。米拉波獻策,這是人民和貴族的戰爭,不是國王和人民的戰爭,希望國王支持革命。
    見好就收的高度政治判斷力最重要。

    7/17國王前往巴黎,與革命和解。

    8/4普魯東俱樂部的策劃下,議會做出封建制度的廢止決議。貴族陸續亡命。藉由奪取貴族的特權,意圖讓各地的暴動緩和下來

    議會決定在制訂憲法之前,來一段人權宣言

    8/26人權宣言

    8/31提母蘭另一次點火失敗。布爾橋雅在革命之後急速保守化。

    9月 議會是否賦予國王否決權而論戰,米拉波認為,議會是很多人的所在,責任上可能會有曖昧模糊的地帶,也可能會付和雷同,或者成長為另外一種妖怪性的存在,新一代的貴族。還是要有平衡的力量。而羅伯斯比爾懷疑伯爵處處偏袒國王,是否被國王買通很可疑。但伯爵認為,要使國王抱持同理心而不是逼迫他,國王不同意可能也會被外國干涉。

    9/11通過給國王附條件拒否權、兩院制(引起群眾不滿)。

    9/14國王再度動員軍隊

    9/16馬拉人民之友發刊。但因為過激被巴黎市政府盯上。

    許多人也因為貴族亡命失業(幫傭、古董店…等等),經濟也大跌,貴族帶了很多錢出國,導致法國貨幣不足,今年就算豐收,但農民擔憂貨幣不足不敢把小麥送到市場上。

    10/5巴黎婦女為了麵包,為了革命之後仍然沒飯吃走上街頭,提姆蘭的勸說下,後來五千名婦女從市政廳出發前往凡爾賽,路易十六答應婦女的訴求。

    10/5路易十六出人意表地准許封建制廢止法案。但國王內心似仍然與革命對立。

    10/6女性再闖入凡爾賽宮要求國王拿出麵包,簇擁之下路易十六一家都被帶到巴黎去了。

  • ミラボーという人物がよくわかる3
    革命が迷走してるので、少しだらけてしまうけど、バスティーユの場面は迫力満点

  • 20131218読了。
    知識不足により、どこまでが史実なのか判断できないのだが、大まかな流れは変わらないだろう。
    ミラボーのずば抜けた洞察力と雄弁さに驚く。

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著者プロフィール

佐藤賢一
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年「ジャガーになった男」で第6回小説すばる新人賞を受賞。98年東北大学大学院文学研究科を満期単位取得し、作家業に専念。99年『王妃の離婚』(集英社)で第121回直木賞を、14年『小説フランス革命』(集英社/全12巻)で第68回毎日出版文化賞特別賞を、2020年『ナポレオン』(集英社/全3巻)で第24回司馬遼太郎賞を受賞。他の著書に『カエサルを撃て』『剣闘士スパルタクス』『ハンニバル戦争』のローマ三部作、モハメド・アリの生涯を描いた『ファイト』(以上、中央公論新社)、『傭兵ピエール』『カルチェ・ラタン』(集英社)、『二人のガスコン』『ジャンヌ・ダルクまたはロメ』『黒王妃』(講談社)、『黒い悪魔』『褐色の文豪』『象牙色の賢者』『ラ・ミッション』(文藝春秋)、『カポネ』『ペリー』(角川書店)、『女信長』(新潮社)、『かの名はポンパドール』(世界文化社)などがある。

「2023年 『チャンバラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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