ハッピー・アイスクリーム (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.61
  • (32)
  • (74)
  • (55)
  • (18)
  • (4)
本棚登録 : 807
感想 : 75
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087467741

作品紹介・あらすじ

"そんなわけないけどあたし自分だけはずっと16だと思ってた"将来への不安、不意に訪れる孤独、どうしようもなく募る恋心-。女子高生の揺れる気持ちを鮮やかに切り取り、話題を呼んだ17歳のデビュー短歌集に、胸にせまる青春小説5編を加えたリミックスバージョン。思春期のとまどいがリアルに息づき、切ない共感と甘い郷愁をさそう。きらめく言葉がぎっしりつまった、宝石箱のような作品集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 幸せは過ぎ去ってから気が付くものだってやつ、違うと思います!ちゃんと幸せの中にいるときも、気づいてます。ふわーって、してますよ。あとね、大事な時に何も言えないなら、私は何のためにこんなにも多くの言葉を携えているんだろう、とよく思います。やるせなさも切なさも残る形で終わるところが、リアルな日常を描いているようで良い。

  • 高2です。ちょうど、この本の主人公と同じような年だからかな、
    こんなに共感できた本は初めてです。
    共感という二文字で表すと軽く聞こえてしまう気がするけれど
    短歌はもちろん短編小説もぐっとくるものが多かったです。
    読み終わった時にほんのり暖かい気持になる本は久しぶりです。
    友達に借りた本ですが、自分で買って本棚にいれたい本になりました。

  • おもしろかったです。

    辛さを含んだ綺麗な心情が伝わってきます。共感します。
    短編集と歌集ということもあり、少しずつ読み進めやすいなとも思いました。

    お気に入りの短編は『いつか離す手』です。

    以下に好きな短歌を少しだけ載せておきます。



    「ありふれた歌詞が時々痛いほど胸を刺すのはなんでだろうね」

    「カラオケに行ったしコーラも飲んだけどやっぱりさみしいもんはさみしい」

    「欲しいとか欲しくないとかくだらない理屈の前に奪ったらどう?」

    「「燃やすとき公害になる」補聴器の電池を抜いた入棺のとき」

    「正論は正論としてそれよりも君の意見を聞かせて欲しい」

    「どこからかカレーの匂いがしてるのでなんだか泣いてしまいそうになる」

    「舞ちゃんはパンダが好きで筆箱もシールもメモもパンダばっかり」

  • 加藤千恵の短歌集:ハッピーアイスクリームに物語がついた本。
    加藤千恵の短歌も小説も好きな私にとってはかなりおいしい本だった。
    ただ、最後の方に短歌集からの短歌が羅列されていたのは、なんとなく残念。
    短歌集の短歌は、あの装丁で読みたい。

    学級に短歌集を置いてあるので、それにからめて紹介してみよう。
    女子なら好きな子が絶対いるはずなんだよな。加藤千恵。

    あの短歌集は衝撃だった。

  • いつも加藤千恵さんの本はいたたまれないくらい後味が悪いんだけど、この本はそんなことなかった。短歌が多めなのも良かった。

  • 高校生のとき共感しながら何回も読んだ、、!とても好き

  • きっかけは覚えていないけどブクログに保存してた歌集、ブックオフでたまたま見かけて買っちゃった〜

    高校生眩しいなあ、と思ったけど高校生のころに読んでも気づけないんだろうな
    解説にも書かれていたけど、切り取られている感情は自然で普遍的で、私もこんな風にその時々を拾って掬って過ごしたい

  • 女子高生の時に読みたかったけど、今読んでもよかった。
    ああ、女子高生だったなぁ、てなれる。

    最後の歌集部分は、読み進めていくうちになぜかどんどん泣きそうになった。
    言葉にできない感情が積もっていく感じ。

    高校生に読んでもらいたい。

  • 理想と現実
    同じような思春期を経験してきた大人から見ると
    これは無理だろうなぁと思うことが、
    まだ叶う可能性があったりする時期、
    だんだんと自分のちっぽけさを知っていく。
    それは必ずしも悲しいことではなくて、
    置かれた環境、自分の持っているものなど、
    ちゃんと現実に根を張って生きていく準備であり、
    それにより、人間らしくなるように思う。
    現実がなによりも、儚くて美しいことを忘れてはいけない

    と思った。
    あとは、思春期に読んでみたかったなぁ、とも思った。

  • 小説は、恋愛で甘々とかそういう意味でなく、空気が、高校生たちが、何となく発酵しそうに甘かった。煮詰めたら甘酸っぱいジャムになりそう。後半の沢山の短歌は、わからないままどんどん胸が詰まるようだった。

全75件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1983年、北海道生まれ。歌人・小説家。立教大学文学部日本文学科卒業。2001年、短歌集『ハッピーアイスクリーム』で高校生歌人としてデビュー。2009年、『ハニー ビター ハニー』で小説家としてデビュー。その他、詩やエッセイなど様々な分野で活躍。著書に『あかねさす――新古今恋物語』『真夜中の果物』『こぼれ落ちて季節は』『この街でわたしたちは』『消えていく日に』『そして旅にいる』『マッチング!』などがある。

「2023年 『この場所であなたの名前を呼んだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加藤千恵の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
島本 理生
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×