WILL (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 304
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468045

作品紹介・あらすじ

29歳の森野は、11年前に亡くなった両親の跡を継ぎ、寂れた商店街の片隅で葬儀屋を営んでいる。
そんな彼女のもとに、仕事で関わった「死者」を媒介にした、数々の不思議な話が持ち込まれてくる…。
30万人の心に沁みた『MOMENT』から7年。待望の書き下ろし小説。

感想・レビュー・書評

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  • 葬儀ものミステリーというジャンルかな。とても面白かった。

    両親を事故で亡くし、実家の葬儀店を継いだ女性森野。商店街の一角でひっそりて営業を行っている森野葬儀店には葬儀のほかにいろいろな相談事が持ち込まれる。
    葬儀終わったばかりの父の姿が見えると甥っ子が言っているとか、愛人から正妻が行った葬儀を取り消してやり直してほしいやら、主人の生まれ変わりの高校生が訪ねてくるなどなど。ちょっと変わった話にも細かく調べていけば、隠された真相にたどり着く。
    ひとつひとつのエピソードがきっちりまとまっていて、読後感も爽やか。

    短編の話の中にも主人公森野の話が中軸として通っていて、それを支える脇役陣も個性があっていい。最後はそれもすっきりして終わるし、うっすら感動もできる。
    ドラマにもしやすいだろうなあと思う。主役は石原さとみあたりにお願いして。
    「 MOMENT」のアンサー作品らしいがそちらは未読。このあと読んでみようと思う。良書。

  • 11年前に両親を事故で亡くし、家業の葬儀店を継いだ森野。29歳になった現在も、寂れた商店街の片隅で店を続けている。葬儀の直後に届けられた死者からのメッセージ。自分を喪主に葬儀のやり直しを要求する女。老女のもとに通う、夫の生まれ変わりだという少年…。死者たちは何を語ろうとし、残された者は何を思うのか。ベストセラー『MOMENT』から7年、やわらかな感動に包まれる連作集。

  • 「死者を眠らせるのが私の仕事だよ」

    18歳の時に両親を事故で亡くし、家業の葬儀店を継いだ森野。それから11年、彼女は商店街の片隅で店を続けている。葬儀の後に届いた死者からのメッセージ。夫の生まれ変わりだという少年。死者が絡む謎を解く連作短編集。

    森野と同じく『MOMENT』で登場した神田も重要な役回りで登場しているので、前作を読んだ方は必見!エピローグはタイトルや伏線の回収が見事で鳥肌が立った。この一冊すべてがあのシーンを作るためにあったと言ってもいいほどよかった。

    「引いてくれる手を失ったあの日、私は身を包み込む暗闇に脅え、ただ目を閉じ、立ちすくんだ。けれど、目を開けて闇を透かせば、星灯りの中、差し伸べられているいくつもの手があったはずだ。私はそんなことにすら気づかなかった。いや、気づいていたのに、気づかぬ振りを続けた。その手を握り返してしまえば、再びそこから歩き出さなくてはならないから。」

    この言葉がとても印象深かった。やさしさを求めているのに、素直に受け取れなかったり気付けなかったり。それってこういうことなのかなって。

    各短編の満足度で言えば『MOMENT』の方が好き。『WILL』は葬儀屋というテーマもあって死者を動かさないといけないので、作りが複雑で回りくどくなっているというか。ただ、全体を通して人情味がある感じがよかった。『WILL』は死が人のあたたかさを掘り起こし、『MOMENT』は死が人間の本質を暴くって雰囲気だった。
    ラストは☆5、それまでは☆3という感覚でした。

  • 泣けた!
    エピローグでやられた。

    本作はMOMENTの続編の位置づけ。MOMENTが死にいく人の願いをかなえていく物語にたいして、本作では、死んでしまった人の思いと残された人の思いがテーマの作品です。

    前作同様、複数のショートエピソードから一本の大きなストーリを展開しています。一つのエピソードでも謎解きを解決しつつ、伏線が張られていて、最後、それがエピローグへとつながってといった感じ。
    もっと言えば、このエピローグにつなげるため、すべてが伏線のように思えます。それだけ、エピローグがじーんと来てしまいました。
    特に最後の2行。ここにすべて集約されています。

    ストーリとしては、葬儀屋を継いだ森野が3つの事件?を解決していきます。
    葬儀が終わった死者からのメッセージが届くという話。
    自分を喪主に葬儀をやり直せという女の話。
    生まれ変わりという少年の話。
    それぞれの話は淡々とすすみ、その解決もなるほどと思います。
    そして、エピローグにつながっていくわけです。
    エピローグを読む前までは、ふんふんっと普通にこれらの謎解きとその思い、テーマを楽しみながら読み進めていたのですが、エピローグで急にやられちゃいました。
    読み終わった後の余韻もよく、再度、頭から読み直してしまいました。
    「WILL」の題名もGOOD!

    「柔らかな感動に包まれる連作集」と謳っていますが、まさにその通りでした。
    お勧め!
    MOMENTを読んでからWILLを読みましょう。

  • 最後の種明かしの部分だけは、おお~っとなった。

    Momentの方が、意志を持って依頼される内容な分重みがある気がする。こちらは、良い話だけど動機が弱い、というか。

  • 登場人物みんな不器用でいて優しい。色々な愛の形があって人情がある。未来を信じられる作品。

  • Momentより良かった。
    森野の両親への想いが心にしみる。
    一つひとつのエピソードも、復讐めいた感じではなく、感謝や愛に溢れた感じがいい。
    神田と森野の2年間を知りたくなる。

  • ・「悲しみって名前をつけたところで、そんなものは所詮、形のないものの名前です。人の胸の中には名前でくくれないものが色々あって、だからその表れ方にも色々あって、泣き叫びたいならそうすればいいですし、そうできないのなら無理にそうすることもないです」


    ・「喜びも悲しみも存分に味わってこその俗。その裏返しの辛さも悲しみも受け止めてこその俗。ならば迷える魂もさ迷える幽霊もあるがままに引き受ければいい。それが俗世というものです。無理に眠らせるものでもないですよ」

  • 2019.6.1

  • will って
    そういう事かぁー。

    やられたー(^ ^)

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1994年「眠りの海」で小説推理新人賞を受賞。‘99年、『MISSING』で単行本デビュー、「このミステリーがすごい! 2000年版」でトップ10入りするなど高く評価され、脚光を浴びる。以後、恋愛、青春小説を超えた新しい静謐なエンターテインメント作品を上梓、常に読者の圧倒的支持を得ている。その他の作品に『正義のミカタ』『MOMENT』『WILL』『魔術師の視線』『君の隣に』など。『dele』では原案と脚本を担当し、山田孝之と菅田将暉主演でドラマ化された。

「2021年 『チェーン・ポイズン <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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