追想五断章 (集英社文庫)

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  • 集英社
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本棚登録 : 3294
レビュー : 350
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468182

感想・レビュー・書評

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  • 斬新!

  • 米澤穂信さんらしい、あまり救われない感じの話だけども、真相はしっかりしてて読後はわりとスッキリした感想。面白かった。

    短編の結末が、入れ違ってるのは読めたけど、それがメッセージになってる事までは読めなかったな。

  •  私が面白いと思う小説はキャラクターが良いなと思うものや、世界観が良いなと思うものが多い。
     けれども、この小説はそういう部分ではなく、物語として良い小説だなと思えた。
     リドルストーリーという存在を初めて知った。この小説に出てくるそれらは、それぞれ面白かった。かつ、それが本編とつながっているのが、面白かった。

  • 遺された五つの断章を探すうちに過去のある事件にたどり着く。はたして事件の真相は…。
    米澤氏の文章の独特な暗さに途中何度もドキッとした。

    デジタルの時代になって書面に残す事がどんどん減ってきているけど、本や手紙を紙として残す事はすごく大切だと改めて感じた。
    紙の色や手触り、筆者の字やインクの色。それが現物として遺っていたからこそのミステリー。

  • 資金難により休学し伯父の古書店に居候する主人公に持ちかけられた依頼は、亡き父が人知れず残した五篇の小説を探しだせば一篇十万円の謝礼。
    結末を記さないリドル・ストーリーに、あらかじめ用意された一行の答え。次第に明かされる亡き父の過去と、リドル・ストーリーが孕む真意。
    淡々と誠実な主人公に、無愛想で無気力な伯父、物静かな依頼人と、個人所縁の識者達と、会話も思考も落ち着いたもので全体的に静かな雰囲気のお話。
    金銭的に環境的閉塞のなか時間だけが過ぎていく焦燥感からの逃避として分析した主人公の心情がつらい。誰も幸せにならない、でも過ぎて悲劇的にもみせない、淡々とよくできたはなし。

  • 五つのリドルストーリーに秘められた真実を探る話。作中のリドルストーリーが秀逸。構成が緻密。パズルのようでページをめくる手が止められなくなる。さすが米澤さん。

  • 著者の作品、青春ものを避けて縫うようにして選ぶと、悪意と暗黒がみっちり詰まっていたが、本書は色合いが異なった。
    悪はない。
    状況があり、結果があるだけで、むしろ作品を浸す感情は優しさのはず。
    なのに状況を設定した作者の悪意が小説をひたひたにしているせいで、爽やかさは皆無。
    パズル的な構成を作るとは、かくも冷酷なものか。
    「ビブリア」を覆す台詞、「なあ。この仕事、誰かに何かしてやれるなんて思うな。詰まるところは売った買っただけなんだ。売った買ったで、最後まで終わらせるんだ」にも著者の人生観が滲み出ていて。
    ……夢中になれる小説でした。

  • ある女性の父親が遺した、5つの小説を探していく話。
    かれが書いたのはリドル・ストーリー、結末のない物語。ところが女性の手元には5つの結末文だけがあり、1つずつ小説が見つかるにつれて過去の事件と謎が浮かび上がってくる・・・というミステリー。
    全体的に暗めで、静かで、こまやかな運び。見つかった「小説」が間に挿まれていて、本編の登場人物はごく少数ながらふしぎなひろがりを感じる。
    謎が本当に解明されるのは最後の最後、それまでの長い推測を無にするような短いやりとりだが、そのあっけないほどの鮮やかさが暗い世界から抜け出すことを手助けしているようにも思えた。

  • 古書店が舞台なので、最初、匂いが、ビブリアみたいなイメージだったのですが、読み進めてくうちに、やっぱり米澤作品なんだなあと思いました。真相に近づいたとき、明らかになるときのカメラが一度ホワイトアウトしてひっくり返るかんじと、主人公の心情。すべて読んでからプロローグを読むと、真相とは、いつから真相だったのかと感じますね。

  • 伯父の古書店で居候として身を寄せている芳光。ある日若い女が訪ねてくる。
    「父親の五篇の小話を探してほしい」
    彼女の父親は作家ではなかったため、寄稿した文章は掲載誌が皆目わからない。ただその五篇は結末のないリドルストーリーということだけがわかっている。

    全体的な印象は薄暗い、昼間の無人の和室のような湿った畳のようなカンジ。
    劇的に何かが起こる訳ではないが、五篇の小話をひとつずつ探してゆく過程と、進むにつれて明らかになる謎。
    ついつい夢中になって読み進めてしまいました。

    面白かったです。

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著者プロフィール

米澤 穂信(よねざわ ほのぶ)
1978年、岐阜県生まれの小説家、推理作家。金沢大学文学部卒業。
大学在学中から、ネット小説サイト「汎夢殿(はんむでん)」を運営し、作品を発表。大学卒業後に岐阜県高山市で書店員として勤めながら、2001年『氷菓』で第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を受賞し、デビューに到る。同作は「古典部」シリーズとして大人気に。2011年『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、2014年『満願』で第27回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。『満願』は2018年にドラマ化された。直木賞候補にも度々名が挙がる。
その他代表作として週刊文春ミステリーベスト10・このミステリーがすごい!・ミステリが読みたい!各1位となった『王とサーカス』がある。2018年12月14日、集英社から新刊『本と鍵の季節』を刊行。

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