つるかめ助産院 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 4628
感想 : 504
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468465

作品紹介・あらすじ

夫が姿を消して傷心のまりあは、一人訪れた南の島で助産院長の鶴田亀子と出会い、予想外の妊娠を告げられる。家族の愛を知らずに育った彼女は新しい命を身ごもったことに戸惑うが、助産院で働くベトナム人のパクチー嬢や産婆のエミリー、旅人のサミーや妊婦の艶子さんなど、島の個性豊かな仲間と美しい海に囲まれ、少しずつ孤独だった過去と向き合うようになり-。命の誕生と再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • ミトン、ライオンのおやつ で、すっかりハマってしまった小川 糸さん。
    で、今回は「つるかめ助産院」。

    捨て子で、里親に育てられ、家から逃げるように初めて好きになった男性と結婚。
    しかし夫は突然の失踪。
    傷心状態で思い出の離島に夫を探しに行くけれど、そこに夫がいるわけもなく。
    そんな中、助産師の鶴田亀子さんと出会う。
    自分が妊娠していることも助産師さんにはすぐにわかる。

    主人公のまりあさんが、妊娠・出産を通して、島の人たち、自然に恵まれながら人として成長していく物語。
    一番最後はメルヘンの要素も。

    巻末には宮沢りえさんとの対談が掲載。
    宮沢りえさん談。
    「まりあが南の島の人たちと出会って、人間不信という皮のようなものが一枚ずつはがれていって、気がついたら、人からのエネルギーや自然の息吹を吸収できるスポンジのように素直な人間になっていて、、、、
    日常の中の小さな積み重ねが素敵で、夢中で読みました。そしてあの海に行きたくなりました。」

    一気にサクサク読めました。
    読後感もすごくよく、次も糸さんの本を読みたいと思います。

  • 小川糸の作品は自分にとっては
    評価が分かれる。

    これはふーん。の方だ。
    生い立ち、死産、出産。
    みんなが身ごもるわけではないし
    みんなが親になれるわけではない
    身ごもることが偉いとか
    親になれないのが悪いわけでもない
    人生はいろいろだ。
    その事をすんなり受け入れている。
    しかし、妊娠、流産、死産と、悲しいことも多い。

    人間は忘れるから生きていける
    あれほど痛い出産もすぐ忘れる
    そして二人目を出産できる。

    小野寺まりあは
    急にいなくなった夫、小野寺くんを探しに来る
    あては上空から見たらハート型の島
    この辺はなんか小川糸らしい。
    悲惨な話かと思いきや〜
    小川糸の世界、満載。不思議!
    そこのつるかめ助産院をしている鶴田亀子に出会う
    鶴田亀子によってまりあは妊娠している事を告げられる。
    えーめちゃくちゃ悲惨じゃない?

    本文よりー
    「艶子さん、私ね捨て子なの、
    だから生まれてからずーっと自分の人生はなんて不幸だろうと思ってた」
    自分だけが苦しんでると思ってた。
    みんな苦しんで、苦しんでもがきながら生きている
    人生の傷は誰かにかわってもらえるものではないのだから。



    本文よりー
    ある意味、人は生まれ落ちた瞬間から誰もが捨て子なのかもしれない。
    どこまでも孤独で、だからこそ人と触れ合ったり助け合ったりすることに喜びを見出すのだー

    しかし最後はびっくり???
    なんだこりゃ。
    苦手かも。


  • 命の重さがわかる本。島の雰囲気も好み。
    突然の事故などにも落ち込まず、すぐに立ち直る主人公がかっこいい(?)。

  • この作品は、2010年に刊行されたので、著者の生年から計ると、著者が37歳位の時に書かれたものと思われます。

    南の島に来たまりあは、助産院長・鶴田亀子から妊娠を知らされて、から始まる物語。

    268頁に、ハイビスカスの天ぷらが出てくる。そういう料理を知らなかったが、調べてみると、沖縄では良く食べられているようだ。

    128頁に、主人公の生い立ちが書かれている。主人公は教会の入り口に捨てられていたのだが、こういう場合、児童相談所→乳児院→児童養護施設という順に移っている。

    その理由は、児童養護施設が原則として1歳以上の児童を養育するのに対し、1歳未満の乳児を主に養育する、と規定されているのが理由らしい。

    乳児院は、2014年頃には、全国で132の乳児院があり、3,105人が入所していたようだ。

    児童養護施設の入所対象者は、原則として、1歳以上18歳未満。
    2016年度の総施設数は615となっており、うち公立は37に対し、私立は578となっている、とのこと。

  • 先日読んだキラキラ共和国は会社の同僚からお借りした本だが、こちらも別の会社の方から頂いた一冊。

    偶然にも同じ時期に同じ作家さん。

    夫が蒸発し、意気消沈していたまりあ。
    夫との思い出の場所の南の島へ一人で向かう。
    その島で助産婦の鶴田亀子と出会う。
    悪天候で帰路の船が出港せず足止めされるまりあ。
    そんな時、亀子に想定外の妊娠を告げられる。

    まりあには重い過去があり、出産することに戸惑いを感じるが、島の仲間の温かさを受けて、少しずつ変わっていく。


    南の島でのゆっくりと時間が流れる感じの温かみのあるストーリー。

    人見知りの主人公。
    人付き合いも上手くないのに、亀子に出会うことで少しずつ前向きになっていく姿が清々しかった。

    またこの作家さんは、本当にお料理の描写が丁寧で、涎が出そうなくらいのご馳走を想像してしまう(*^▽^*)

    とても良書。
    自分のお産を思い出しながら、とてもいい気分で読了。

  • 毒を吐きたいけれど、この作品の前では吐き辛い...。キレイな世界が広がっている。出てくる食べ物はどれも美味しそうだ。ただ、ここまでいろいろ背負いこませなくても良いのでは。自身の過去の苦い思い出とともにそっと本書を閉じる...。
    「大きい木には大きな影ができるし、小さい木には小さな影しかできないの。」

  • 以前も一読、今回は第二子妊娠中 臨月に読み返してみた。

    長子の時も実感したが、本当に妊娠・出産は奇跡のような出来事の連続である。
    小さな小さな命が宿るまで。
    その小さな命を育むトツキトオカ。
    今まで自分ひとりの物だった身体が、赤ちゃんの入れ物として変化してゆく。

    未婚の頃と子育て中の今では、コウノドリ のようなドラマ(原作も)を見る目も変わる。

    長子の時と今回では悪阻や経過もまた違ったりする。

    こんな助産院があったら良いなと思う反面、もしもの事態を考えると病院以外での出産はリアルには考えられない我が身ではある。

    長子の時の陣痛の痛み…促進剤の影響もあり、本当にトラウマレベルだった。
    産後も会陰の裂傷に染みて地味に辛かったこと。
    ビビリな私は今回は無痛分娩という、つるかめ助産院の対極のような選択をしている。

    願わくは全ての育む人が幸せなお産をして我が子を愛せますように。。


  • 人にはそれぞれ悩みや辛い過去がある。それを背負って生きていかなければならない。また辛い過去があるからこそ、人に優しくできる。

  • ありがちな展開?とは思うけど、こういうのは心洗われて好き。

    歳を重ねれば、そこそこの社会性で何とか生きるんだけど、誰でも大なり小なりの訳ありは抱えていて、それが邪魔になってうまくいかない事も多くて。

    自分が変わらなければ何も変わらないのだけど、全く環境が変わって周りから変えられるっていうのもまたいいな。

    マリリンがんばれ!

  • 2012.07.03読了。

    二ヶ月ぶりの読書は好きな作家、小川糸さんのこれ。

    食堂カタツムリや喋々喃々で、食べること、料理をすることの大切さ、楽しさに共感してすっかり気に入ってしまったのだけど、今回は食に加えて命の話。

    食に関してはどの作品を読んでも美味しそうな料理がたくさんなので、今回もおなかすかせながら読んでました(笑)

    そして命の話。
    タイトルが助産院なだけあって、妊娠、出産のシーンが多いんだけど、主人公をはじめ登場人物それぞれの抱える心の闇を通して、私自身も再生していくような...読み終わった後とっても温かく、清々しい気持ちになれる本。
    女性として、妊婦を楽しみたくなる、早く体験してみたくなる本。

    登場人物もみんなそれぞれナチュラルで魅力的で...♡
    特に長老が大好き。

    それに加えて、料理、老人、自然、ツリーハウス、島、海、私の好きなものがたくさん詰まっててまさにドストライクな本でした。

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著者プロフィール

作家。デビュー作『食堂かたつむり』が、大ベストセラーとなる。その他に、『喋々喃々』『にじいろガーデン』『サーカスの夜に』『ツバキ文具店』『キラキラ共和国』『ミ・ト・ン』『ライオンのおやつ』『とわの庭』など著書多数。

「2021年 『グリーンピースの秘密』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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