楊令伝 14 星歳の章 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 488
感想 : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468526

作品紹介・あらすじ

梁山泊軍を出奔した李英の行方を追って、姉の李媛も姿を消した。侯真は致死軍を率いて、二人の捜索に向かう。だが、開封府で扈成と面会した李英は斉の将軍となり、岳家軍との戦に出陣した。一方、楊令らは、赫元の尋問によって、南宋皇太子出生の秘密を知る。やがて中原一帯には自由市場が立ち、梁山泊が支配する物流の勢いは、ついに南宋にまで広がろうとしていた。楊令伝、怒涛の第十四巻。

感想・レビュー・書評

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  • 本作品で戴宗という登場人物が嫌いでした。

    一般的な水滸伝としては神行太保と呼ばれ足の速さを活かして活躍する好漢の一人です。黒旋風の李逵と組で活動していたような気がします。

    本作、特に楊令伝になってからは候真に嫌な絡み方をしたり、酒に飲んだくれたりと嫌な先輩No. 1の代表格でした。

    しかし、本巻で彼は死んでしまいます。今まで抱いていた嫌悪感は勝手なイメージに過ぎずキッチリ仕事をして若者を育てる昭和の時代の職人のような死様でした。
    思わず涙が出てしまいました。


    楊令軍には色々な指揮官がいます。
    それこそ昔ながらのやり方に拘る頑固親父、新進気鋭の若手営業マン、2代目だけど親を超える才覚を見せるJr.、現場から嫌われる役員、面倒見の良いパワハラ上司、何を考えているか解りませんが何をやっても上手くいくひとなど、登場人物達にはサラリーマンとして見習うべき魅力があると私は思います。

    次巻が最終巻!楽しみです!

  • 金国の先代王の勅命にグッとくるものがあった。兄はいつも国のことを思い、幻王と同盟関係にあったことを語った上での、幻王を討て。王でありながら国のためにできることの少なさが悲しい。岳飛が盡忠報国と替天行道は重なる部分が多いといいながらも、楊令と岳飛は戦う運命にあるというのももどかしい。これが水滸伝なら魯達が岳飛に働きかけ引き込んじゃっていただろうと思うのになあ。なにせ、あと1冊。あとがきの“俺に国を作らせろ”はしびれた。

  • 残すところ、あと1冊。
    なのにどうやってまとめるんだろ?ここまでスケールの大きい話だともう、まとめに入っていなきゃ間に合わないのでは・・・
    と勝手に心配してしまうくらい。

    李媛・李英に関しては
    ああ、やっぱり。な結末なので言うことはないけれど
    堂猛・郭盛は悲しい。好きだっただけに。
    乱雲なんて、もう。
    史進の肩、抱いてやりたいくらいだ。頼まれたら胸も貸す。

    それにしても、どうして
    秦容が好きになれないのだろう・・・秦明将軍は大好きだったのに。

  • 「替天行道」の旗の下、宋という大国に立ち向かい、ついにはそれを滅ぼした梁山泊。新たな頭領となった楊令が目指したものは何だったのか...。作者はそれを「経済」が「国」を超える、というまさに現代の資本主義であり、グローバリズムであるものの原型だと設定した。その試みは成功したのだろうか?ともあれいよいよ梁山泊の最後の戦いが始まった。

  • また泣いてしまった。
    今回は常に戦場の真ん中にいた男の話です。
    いよいよ、楊令の狙いが理解されはじめます。クライマックスに向けて、いったいどうなるんだろう?

  • 「自由市場は国の否定である。あれを許せば、統治というものの意味がなくなる」【呉乞買】

    梁山泊は物流(自由市場)で中華を制そうという動きをとる。
    金と南宋は自由市場を敵視し、ここに梁山泊に対する二国の利害が一致した。

  • 4.0

    水滸シリーズ史上最大の戦。5人の将軍と遊撃隊史進、そして楊令。短かったけど梁山泊軍の凄まじさを見せつけられて満足感ある。
    岳雲の「なんなのですか、やつらは」という台詞を見て、敵として立ち合う怖さを知った。それぞれの軍がカッコ良すぎる。

  • 水滸伝に引き続き、一気読み。
    単なる国をかけた闘争を描くだけでなく、『志』という不確かなものに戸惑いつつも、前進する男たちの生きざまが面白い。壮大なストーリー展開の中で、たくさんの登場人物が出てくるが、それぞれが個性的で魅力的。よくもまー、これだけの人間それぞれにキャラを立たせられな。そして、そんな魅力的で思い入れもあるキャラが、次から次へと惜しげもなく死んでいくのが、なんとも切ない。最後の幕切れは、ウワーーっとなったし、物流による国の支配がどうなるのか気になってしょうがない。次の岳飛伝も読まないことには気が済まない。まんまと北方ワールドにどっぷりはまっちまいました。

  • やっと火ぶた切られたけどー

  • 李媛と李英の姉弟は報われないなあ。
    彼らに対する聚義庁(しゅうぎちょう・梁山泊の中枢)の態度は、絶対に間違いだと思う。
    厳しくするべきところを厳しくしないで、正論を黙らせた。

    彼らの父、李応を好きだったんだよね。私。
    いいところのお坊ちゃんだったけど、そんなことを鼻にかけずに、地味で目立たない重装備部隊の仕事をやっていたところが。
    実直で。

    だからそんな李応の子どもたちが、努力を認められることこともなく終わってしまったことが非常に無念だ。
    李英は、登場当時は本当に優しい青年だったんだよ。
    それが、同輩たちにどんどん先を越され、ついには部下にまで追い越され、焦ったあまりにやるべきことを間違えてしまった。
    間違えたことは厳しく断罪し、罰を与えてから元の場所に受け入れればよかったのに、なかったことにしてしまったことから歯車がくるってしまった。

    だけど李英は父ちゃんの名に恥じない生き方を貫いたよ。
    嬉しくて悔しくて悲しくて、涙が出た。

    いよいよ南宋と梁山泊の直接対決。
    ともに頭領の首を狙いに行くが、決め手に欠ける。
    次が最終巻。
    どんな結末が待っているのだろう。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章。『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2021年 『悪党の裔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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