光媒の花 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2431
レビュー : 293
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087468915

作品紹介・あらすじ

一匹の白い蝶がそっと見守るのは、光と影に満ちた人間の世界-。認知症の母とひっそり暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した闇夜の罪。心通わせた少女のため、少年が口にした淡い約束…。心の奥に押し込めた、冷たい哀しみの風景を、やがて暖かな光が包み込んでいく。すべてが繋がり合うような、儚くも美しい世界を描いた全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 情景描写が綺麗って言うのか分からないけれども、この本を読みながら6箇所を旅した気分になれました。

    私は「遠い光」が好きです。
    血の繋がらない家族は本当の家族じゃないのか…
    なることが出来ないのか…
    私も1人だけ血の繋がってない子供なので育ててくれた親には感謝しているけれども、そんな風に思ってしまうこの子の気持ちが痛いぐらいにわかります。

    〝家族〟って一体 何なのでしょうか?





































    私にも彼女のような素直さと強さがあればよかったのかなぁ…

  • H29.6.24 読了。

    ・短編連作、とても読みやすくそれぞれに登場する主人公の心模様の変化がわかりやすい表現で書かれていて、良かった。

  • 道尾秀介が描く人間模様って、重松清のような儚さと温かさと冷たさがあると感じた。すごく独りよがりだったかと思えば、人恋しくなって甘えた考えに至ったり、それでもやっぱり突き放してみたり。不器用なんだけど、自分勝手なだけ人間くさい。その人間模様が短編ごとに繋がっていくって、なんだか毎回前作のスピンオフを見ているようで、ちょっと得した感じがするよね。しないか。

  • 吃驚した。道尾さんと言えば、私の中では伏線職人さんだったのだが…。なんと哀しく儚く、それでいて輝く文章を連ねるのか。技巧云々を越えて昇華された感があります。満足しました

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベース)
    一匹の白い蝶がそっと見守るのは、光と影に満ちた人間の世界―。認知症の母とひっそり暮らす男の、遠い夏の秘密。幼い兄妹が、小さな手で犯した闇夜の罪。心通わせた少女のため、少年が口にした淡い約束…。心の奥に押し込めた、冷たい哀しみの風景を、やがて暖かな光が包み込んでいく。すべてが繋がり合うような、儚くも美しい世界を描いた全6章の連作群像劇。第23回山本周五郎賞受賞作。

    短編がそれぞれどこかでつながっている。そんな1冊だった。不幸だった主人公が、次の短編では幸せなその後を歩んでおり、ほっとした気持ちで読了できた。

  • わたしの大好きな連作短編集!

    全作品が、道尾さんらしいもので溢れてる。

    みんな精一杯、大きなものを抱えて、大切な人を守るために、生きている。

    2章の虫送りが、一番好き。ちょっとしたやるせなさが残るけれど、そのやるせなさを3章が解決してくれ、でも、3章の主人公もまた、やるせなさを抱えてる。

    そんなふうに、いろいろある誰かの人生にひょっこり顔を出す誰かも、自分の人生では主人公で、いろいろあって。

    連作短編集を読んで、いつも思う。
    ちょっとその人を見ただけで、その人を嫌いになっては、いけないんだと。
    その人にだって、過去にいろんなことがあって、今のその人になってしまったのだから。
    きちんと、その人の過去を知れば、わたしたちはきっともっと、分かり合える。
    過去に縛られている人は、今からでも、過去と向き合える。

    そうやって、わたしたちは、生きている。

  • 名前は存じてたが初作家。連作短編集。前半は結構エグイ話なのだけれど、モヤ~っとソフトフォーカスのかかったような雰囲気の文体で、幻想的な世界観で話を展開していく。草花や蝶、童謡などが本全体に彩りを添えている。正直、ドンピシャ好みの話ではないが、各章の人々の罪や悲しみを、それだけで終わらせないような余韻はよかった。同作者、他の本も読んでみようかどうか.....思案中。

  • 連作短編集。
    全ての話は白い蝶が見ていた。
    黒い話もあるけれど、希望の話もあり。
    何しろタイトルが秀逸ではありませんか。
    光を媒体として咲く花だなんて、想像しただけで美しい。
    この作者さんは長編の人だと思っていたけれど、
    短編も読みごたえありますね。

  • 短編の連作の作品でした

    ひとつひとつのお話が 秘密を抱えて 侵した罪を抱えて それでいて 切ないお話でした

  • 読み応えのある連作短編集。認知症の母を介護する独身の中年男性の秘めた過去が悲しい「隠れ鬼」、好意を持った女の子が生きてくための行為が悲惨な「冬の蝶」など重たい短編もあるけど、母を嫌っていた息子が自分の未熟さに気づき歩み寄る明るい短編もある。家族が軸になっている話が多い。初読みの作家さんだけど、他の作品も読んでみたい。

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著者プロフィール

道尾 秀介(みちお しゅうすけ)
1975年、兵庫県生まれの小説家。玉川大学農学部卒業。会社員生活を続けながら小説を執筆しており、2004年『背の眼』で第5回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞しデビュー。
2007年『シャドウ』で第7回本格ミステリ大賞(小説部門)受賞。2009年『カラスの親指』で第62回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。2010年、『龍神の雨』で第12回大藪春彦賞受賞。『光媒の花』で第23回山本周五郎賞受賞。2011年、『月と蟹』で第144回直木賞受賞。直木賞にはこの作品で5回連続のノミネートだった。
その他代表作として『向日葵の咲かない夏』があり、文庫版は100万部を超えるベストセラーになった。『カラスの親指』は映画化された。
ほか、横溝正史ミステリ大賞、新潮ミステリー大賞の選考委員を務める。

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