- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087470482
感想・レビュー・書評
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江國香織の小説は、四季の中で言うと、夏にいちばん読みたくなる。夏のじっとりまとわりつく空気と、江國香織が紡ぎ出す文体と物語が、すごく似ているし、読んでいるとなんだか夏の暑さにやられたように、ぼんやりとしてくるからだ。
「なつのひかり」は、主人公である栞と、栞の兄、兄の愛人と兄の妻が二人(つまり重婚)が登場する。そして物語の奥に奥に連れていってくれる、指名手配のヤドカリだ。
物語からわたしたちが受け取るものはあまりない。ただ江國香織が連れて行ってくれる、強い引力の物語の世界を、わたしたちはふわふわと漂うだけだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
栞、途方に暮れすぎ。
内容は全くよくわからなかったけど、情景が目に浮かぶ不思議は江國香織ならではの表現技法に助けられているから。江國香織の小説に出てくる、主人公の周りの女の人たちって浮世離れしてる感じで素敵だよね。 -
タイトルに惹かれて、夏が終わる頃に読んだ。
江國香織さんの作品はいくつか読んできたけれど、珍しくファンタジーもの。
世界観が不思議すぎてもともと苦手とする部類だけれど、文章が心地よくて、素敵で、最後まで読めてしまった。
解説にもあったけど、この世界観を楽しめたらそれでいい作品だと思う。
一つの映画を観ているような気分で読めた。 -
すごいシュール。どちらかというとファンタジー?いままで読んだ江國香織の小説のなかで1番奇妙な感じ。ちょっと村上春樹っぽいシュールさかな。
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夏におすすめな作品ということで読了。
初めて読んだ江國香織作品が「なつのひかり」だったから、江國香織さんはなかなかクセのある物語を書くのかな?と思ったけど、他の人のレビューを読んだら、この作品が特にクセのある作品であることがわかった。
1ヶ月後追記。
ふとこの作品を思い出したときに、またあのヤドカリのいる世界に浸りたいなと思ったので自分はもしかしたらこのクセが好きになったのかもしれない。
来年の夏にまた読もうかな。 -
大人のファンタジ-とでも言ってみる??そんな感じです。江國さんの作品を色に例えようとすると、透けた色しか想像できないのはうちだけ??
新しい作品に比べて不安定な感じがしました。漠然と!
解説は必ず読むべき!キーがあります。今回はルールの話とパルレモアダムール。
何でお兄ちゃん、名前を逆さまにしちゃったの??そんな陳腐さまで、この世界の一部だ。
「それはまだ息をしていたので、お葬いというよりも生き埋めだった。かなしくはなかったけれど、少し苦しかった。」
何をお葬いしたかは読んで知ってね。
みんなが人をひどく愛している。 -
難しかったな~。
こんな感じの本を書く人でしたっけ? -
現実を、目に見えているこの世界を
逃さずに、感じて、受け取っている
夏の光を、暑いただ続く毎日を生きていく自分を
大切にすると
汚いものも、疑うことも、信じ難いことも
当たり前もないんだ、そこにあるすべてが愛おしい