サンタクロースのせいにしよう (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社
3.41
  • (18)
  • (52)
  • (116)
  • (8)
  • (0)
本棚登録 : 393
レビュー : 63
  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087471250

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • これはちょっとコージーじゃない方の若竹さん作品ですね。でもその割には毒が少なめ(笑)

    恋愛の痛手から立ち直るには引越しという手もあるらしい。決意した岡村柊子のところにタイミングよく友人・彦坂夏見から電話が入った。ちょうど同居人を探している女性がいるらしい。ついふたつ返事で申し込み、家事全般を引き受ければ家賃タダという好条件に満足していた柊子だったが、その同居人・銀子は有名俳優の4番目のお嬢様。しかも家の玄関にはおばあさんの幽霊が…!
    柊子が引越してきた晩、銀子さんが幼い頃にみた”死の影”を語る「あなただけを見つめる」
    近所に住むゴミ出しチェックに厳しい夫人の、ある夜の大騒ぎを書いた「サンタクロースのせいにしよう」
    遊びに来た銀子の腹違いの兄・竜郎と柊子で、近所の庭でチューリップが周りの土や雑草ごと取られた謎を推論する「死を言うなかれ」
    修繕中の近所のガレージと同じく、床のコンクリの犬の足跡に気付いてから幽霊のことが気になり、元の持ち主を調べ始める「犬の足跡」
    夏見の友人・しのぶから電話がかかってきた。柊子は会ったこともないのだが、自殺した銀子の妹・卯子に殺されかけたと話し出す「虚構通信」
    銀子と台湾旅行へ出かけた柊子。行きの飛行機の中で非常にはた迷惑な男女カップルに興味を引かれる「空飛ぶマコト」
    銀子が家を引き払うことになり、同居生活も終わりを告げようとしていたある日。柊子・夏見・竜郎で花見に出掛けるが、少し険悪なムードになり、それぞれが席を立った。その少しの間に竜郎のビデオカメラが壊された「子どものけんか」
    以上7作の連作短編ミステリーです。

    いわゆる「日常の謎」系の本作品ですが、主人公の柊子が必ず探偵役というわけではありませんで…。謎解きにもそれほど重視はされていません(そもそも『謎』として提示すらされてない時もあるし)。 だから物足りない人は物足りないかもしれませんね。でも、その視点はなかなか珍しいと思うのです。特に4作目「犬の足跡」の発端がアレですからね(笑) 確かにみかけることってありますよねー(笑) それと、5話目「虚構通信」は若竹さん色が非常に強いと思いました。どれもこれも微妙な心理的もやもや感がありますが、この作品が一番強い。うん、若竹さんはこうでなくっちゃな!(笑)
    全体的にみて、この作品の魅力は柊子の内面や銀子の家族の変化にあるように思います。お嬢さんで破天荒な性格の銀子さんですが、彼女の中でも葛藤があったんだろうなぁ…とラストまで読んでなんとなく感じました。
    ところでラストにて、「終わり」から進もうとしている柊子さんなんですが…えーっと、この人物の名前が出るってことは、そーいうことと受け取っていいんでしょうか?? あれ?そーなの?と少し唐突な感があるのですが…。

  • 友人・夏美の紹介で「わたし(柊子)」は彼女の知り合いである銀子さんと同居することに。料理さえすれば家賃はタダ、なんておいしい条件に裏がないわけがなかった。天然のトラブルメイカーである銀子さんにふりまわされながらも、次々と起こる困難に「わたし」はたちむかうことに。
    銀子さんがかかわる事件はどれもこれも根が深く、こじれると人間関係がやっかいになりそうな、悲しくて複雑なものばかり。でも話は一貫して明るくたのしい味わい。作者のセンスを感じます。
    銀子さんの家族にかかわる話、とくにお姉さんのストーリーが印象に残りました。(あれほどまでに繊細な感覚をもつ銀子さんが、見た目のような、鈍くおっとりしていて天然なはずがないと思うな。)

  • ひょんなきっかけで超お嬢様の銀子さんと同居を始めた柊子。そんな彼女の普通な(?)日常に起こる、奇妙な事件のミステリ短編。

    タイトルに惹かれて買ったから、若竹さんの本は始めて読んだ。ミステリといっても、人が死んで探偵が・・なんてのはまったくなく。ごくごく普通の平凡な毎日のはずなのに、ちょっと変わり者の隣人達が起こす事件の真相を感じとていくような・・。
    個人的に、若干文章が読みにくいな〜と我に返ってしまう瞬間もあったのだが、どこかファンタジックな雰囲気もあるからか、1話1話とても魅力的。
    どれも良かったけど、「虚構通信」の軽くブラックなストーリーが印象的。

  • 一戸建てを2人でシェア、料理さえ作れば家賃はタダ。そんな美味しい話を見逃す手はない。というわけで、気はいいけれど変わり者のお嬢様・銀子さんの家に居候することになった私。しかし、引っ越しそうそう、幽霊は出るわ、ゴミ捨て場の死体騒動に巻き込まれるわ…なぜかトラブルが続発。郊外の平凡な住宅地を舞台に、愛すべき、ちょっと奇妙な隣人たちが起こす事件を描くミステリ短編集。

    ぼんやりしながら読んだせいか、ちょっと粗っぽい感じ。ミステリーとしても決着しているようないないような、なんか座りが悪い。とにかく銀子さんが奇天烈で、私は銀子さんとは住めないわ……。

  • 連作短編集
    『あなただけを見つめる』
    『サンタクロースのせいにしよう』
    『死を言うなかれ』
    『犬の足跡』
    『虚構通信』
    『空飛ぶマコト』
    『子どものけんか』

  • 何だろう、ミステリ、とも一言で表現しにくい、「人間のちょっと汚い部分をテーマにしたミステリっぽい話」。

    この人の作品はポップなタイトル+可愛らしさもある表紙絵で色々、騙されがち。

  • 引っ越し早々に幽霊がお出迎え!?愛すべき隣人達と、事件の数々を描いたミステリ連作集です。
    うん、まさに愛すべき隣人達。家主の銀子さんを筆頭に、ご近所さん達もなかなかいい。
    理屈っぽく毒気もある主人公は好みが分かれそうですが、わたしは結構好きでした。

  • 失恋して新しい住まいを探す柊子は、友人の紹介で銀子が住む一軒家に同居することに。やや浮世離れした銀子と、その家に出る幽霊とに驚きつつも、その暮らしに慣れてくる。
    周囲で起きる小さな事件の謎解き物で、作者らしく読みやすい。銀子さんや夏美の人物像が面白い。

  • 2017/12/4

  • 日常ミステリなので特に。
    幽霊とかでてくるし。

全63件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

サンタクロースのせいにしよう (集英社文庫)のその他の作品

若竹七海の作品

サンタクロースのせいにしよう (集英社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする