- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087471717
感想・レビュー・書評
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短編集
素朴な人々の人生の話が泣ける
読む人の年齢や人生経験によって心に沁みる作品が異なると後書きにあるが、その通りだと思う
13歳に読んだ時と29歳に読んだ時ではどちらも泣けたが感じるポイントや読後感は違うように思う
今後の人生でも何度も読み返したい作品詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画の印象からすると信じがたいのですが、実は短編集。
解説(文庫版)にあるように、人によってどの作品が一押しかはっきりと分かれそうです。「リトマス試験紙」という例えは上手いなあ。
僕の場合、初読の時に心打たれたのは「うらぼんえ」ですね。この手の「世にも奇妙な物語」的な展開には実に弱いです。だけど久々に再読したら「角筈にて」の表札のくだりでほろりとさせられましたし、「オリヲン座からの招待状」は展開をすっかり忘れていたゆえ胸を衝かれました。
要するにどれも名作なんだよ、という極めて優柔不断な感想なのですが、しかし僕とて一押しは譲れないのです。なんといっても表題作、「鉄道員」。小田急線の車内でクライマックスを読み、思わず落涙しかけました。乙松さんもさることながら、仙次が…セリフの1つ1つに泣けてきます。 -
鉄道屋も良かったですが、ラブレターと角筈にて、は泣けました。特に角筈にては、何が泣けるポイントなのか自分でもわからなかったです。不思議な感覚でした。
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万感胸に迫る良作短編集。浅田次郎の旬は1990年代なのかも。
「鉄道員」★★★★
「ラブ・レター」★★★★
「悪魔」★★
「角筈にて」★★★★
「伽羅」★★★★
「うらぼんえ」★★★★
「ろくでなしのサンタ」★★★★
「「オリヲン座」からの招待状」★★★★ -
短編集で読みやすかった。
家族関係が良くない物語が多く、良くないながらにも何とか引き繋いで辛抱している微妙な心中が感じ取られた。
感動するような作品は多くないが、何かが心に滲み入るような後味が残る短編集であった。 -
いろんな大人のいろんな切ないストーリー。主人公達と同じく中年の私は、なんだか取り戻せないもどかさ、心の底にある苦い想いを、自分と重ねながら読んでしまう。心が温まるわけでもなく、ただ切ないけれど、死んだ人とか霊とか、そういうファンタジーの力を借りなければ消化できない取り返しのつかない中年世代の切ない短編集だと思った。ストーリーの展開は意外性があって面白い。
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初読は大学生の頃だから平成10年頃か?あれから四半世紀。自分もこの本の主人公たちと同年代となり、親となり。あの頃とは違った感慨に耽った。と思う。20年前に何を思ったかなんて忘れたよ。
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時代を感じさせるところがたくさんあって、話の設定が把握しづらかった。思いっきり号泣ということはなかったけど、全体的にジーンとさせられる場面が多かった。個人的に、「角筈(つのはず)にて」が一番好き。完成度の高い短編集だと思った。
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あらすじ
長い間、駅に立ち続けてきた鉄道員の男。幼いひとり娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、彼は愚直にその職務を全うした。そんな中、定年を控えた男の前に1人の少女が現れ、彼は亡き娘の面影を彼女に重ねていく。
感想
短編でなく、長編小説として読みたかった。
読んでても、高倉健が出て来てしまう。
すばらい小説。